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③ 見覚えのある字面
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「彼女はそのなめらかなプラチナの髪に天使の輪を乗せている。目が釘付けになったよ。対してお前のアッシュブロンドは印象が冷ややかでどうもな。お前など、どれほど容姿に自信があるのか知らないが、彼女に比べたら足元にも及ばない!」
この時点で、裸の王様による難癖だ、と明白だった。これを聞いている学生らは、エステラが美貌を鼻にかける素振りなど一度も見せたことはないと知っている。
「どちらの御家の方なのでしょう」
「それはまだ明かせない」
それはそう、彼は彼女の家名を聞かされていないのだから。
つかの間、庭園での乙女の言葉を回想する。
────「モーガン様。私、家の事情で今は出自を明かせませんの。安易に外へ出られる立場でもなく……」
「ああ、分かるよ。きっと珠のように大事に育てられている君なのだろう」
こんなにも容姿に優れ気品漂うのに、どこか人懐こさも垣間見せるふしぎな令嬢。学院内で見たことも聞いたこともない。徹底して隠されてきた良家の娘御だと、モーガンは空想を膨らませる。
「あなた様の御邸宅の塀壁……東の角に、隙間が空いている部分がありますでしょう?」
「ふむ?」
「私、遣いを出し、隙間にあなた様への手紙を忍ばせますわ。どうぞそれを運び役に受け取らせてくださいませ。そしてお返事を同じように」
「よし、分かった。次回また君とまみえる時を夢みて!」────
こうしてふたりは曜日と時間を申し合わせ、週に一往復の文通を始めたのだった。
「まさに存在自体が妖精にも違わぬ、はかなげな乙女だ」
「まぁ。ぜひお会いしてみたいものですわ……」
やや言葉に詰まった物言いのエステラであった。
年に一度の晴れやかな記念パーティーが、殺伐とした場と化してしまったが──。
「エステラ!」
そこに明瞭な、やや個性的な声が響き渡った。この緊張を帯びた雰囲気の中で人々は振り返り、声の主を目に入れた途端それぞれにはっと息を呑む。
颯爽と現れたのはシックな衣装に身を包むひとりの少年。赤い薔薇の花束を抱えている。
その香しさにいっそう引き立てられた彼アンドリューは、この時も瑞々しい魅力を放ち、見る者すべてを感嘆させた。彼の毅然としたスタイル、足取りに、誰しもただ見惚れ、その行く先に道を空ける。
「遅れてごめん、エステラ。卒業おめでとう!」
「いいえ、遅れてなんて。ありがとう、こんなに大きな花束を」
およそ三月ぶりに彼と顔を合わせたエステラはふと気付いた。短いあいだというのに彼は少し背が伸びて、顔立ちもほっそりしたよう。以前より大人の男性の雰囲気を醸し出す。
「あら、あなた、声が前と少し違うかしら」
「えっと、そうかも……」
「な、なんだそいつは!?」
憧憬の眼差しを一手に集める男の登場だ、既に一度しくじった男は潮目の変わりを意識せずにはいられない。
「ああ、私たち取り込み中でしたわね。失礼、モーガン様。この方は私の遠戚にあたるグラント公爵家ご令息、アンドリュー=グラント殿です。私の幼少時よりの友人ですの」
「お初にお目にかかります。えっとあなたは……どなたでしょうか?」
なぜこの私を知らないのだ、とモーガンは不服を前面に表す。
ともかくアンドリューの訪れで場の雰囲気は一転した。多くの者、特に若い女性らが、大人と子どもの中間にいる、ある種の妖艶さをまとうアンドリューに心酔している。エステラと並ぶとより絵になって熱い視線が注がれる。
これに恐れをなしモーガンは頭を急速回転させた。どうにか際立って目立つ彼らを抑え込みたいが、ここにいない“乙女”と比較してエステラの容姿を貶しても、もはや立つ瀬がない。人格攻撃に切り替えねば、そう悟った。
その時、例のメッセージカードが目についた。
「だいたいっ、お前の字は品がないのだよ! 字は人を表すという。お前の下手くそな文字はお前の怠惰な精神の証明だ!」
唐突な言いがかりだ。なぜ急に字が出てくるのか分からず、エステラは深くため息をつく。
「いつあなたが私の書いた字をご覧になりまして?」
「このあいだ、談話室でお前が手紙を書いていた時に、私が話しかけたことがあっただろう?」
「ああ、一度だけありましたわね。あの時、私の書いている手紙をのぞいたと?」
「わざわざお前の書いた内容など読んでいないぞ! 別に興味ないからな。字体を見ただけだ。いや、恐ろしく不快な手跡で読めなかったのだ!」
「…………」
なにやらエステラは呆れた顔で言葉も出てこない。そんな様相だと周囲の者は見た。
「な、なんだ。何か言い訳があるのか? 手に怪我でもしていたか? いいさ、言ってみろよ」
「私、あの時は、アルカディア皇国のリシャール大使に宛てた礼状を書いていたのです」
「……は?」
彼は思いもよらぬことを言われ、思考が追いつかない。
「先月、我らが王との会見でリシャール大使がこちらにいらしたことはご存じでしょう?」
「あ、ああ……」
「その親善パーティーでご挨拶をさせていただきましたので、今後もよりよい間柄を築いていければと」
つまり……?と観衆は考えをめぐらせてみた。勘の鈍い者でもすぐに気付くだろう、エステラはアルカディア語で文字を書いていたのだと。そして更に造詣の深い者ならよく知ることがある。達筆のアルカディー文字は、当国の美意識と大概そぐわぬものなのだ。
「あなたは私の書いていた文字の正体を知りもしないで、それが不出来だと断じましたの?」
「い、いや、近い国同士の文字だ。たいして違わぬだろう! それにっ、これを見ろ! この、私の恋人から送られてきたメッセージカードを!」
彼が見せつけたそれには確かに、流麗な文字が綴られている。
「“あなたのお顔を拝見するのがとても楽しみです”とある。可愛いだろう、私のドリューは! これと比べたらお前の手跡など。いやはや、やはり気性の表れなのだ」
己の筆跡でもないのにモーガンはやたら誇らしげ。そこでエステラの元にバトラーが、簡易テーブルと羽ペン、インクを運んできた。
「ちょうど良い高さのテーブルをありがとう」
何かを察した一在校生、エステラに真っ白なナフキンを差し出す。
「ありがとう」
エステラはそのナフキンにすらすらと「在学中は世話になった」といった挨拶文をしたためたのだった。
「にじまなくて良かったわ。どうぞ」
受け取った者は歓喜の声を上げた。
「おお、なんて美しい文字なんだ!」
周囲の者はどれどれと覗き込み、やはり口々に賞賛する。
ナフキンの持ち主は、自分のものにさせてもらおう、と上機嫌で場を離れようとした。だがその際に、モーガンに取り上げられてしまい。
「ふん、審美眼のある者が見ねば分からん!」
「………………」
目にした彼は黙りこくってしまった。確かに文句つけようのない美しさだ。しかし、驚いたのはそれよりも──。
なんだかこの字、見覚えあるぞ。と顔に書いてある。エステラもアンドリューも、徐々に青ざめる彼の按配に気付かないわけはない。
「あなたのお相手は……まだ見えませんの?」
モーガンの額から冷や汗がこぼれおちる。踏ん張る足も少し震えているようだった。
この時点で、裸の王様による難癖だ、と明白だった。これを聞いている学生らは、エステラが美貌を鼻にかける素振りなど一度も見せたことはないと知っている。
「どちらの御家の方なのでしょう」
「それはまだ明かせない」
それはそう、彼は彼女の家名を聞かされていないのだから。
つかの間、庭園での乙女の言葉を回想する。
────「モーガン様。私、家の事情で今は出自を明かせませんの。安易に外へ出られる立場でもなく……」
「ああ、分かるよ。きっと珠のように大事に育てられている君なのだろう」
こんなにも容姿に優れ気品漂うのに、どこか人懐こさも垣間見せるふしぎな令嬢。学院内で見たことも聞いたこともない。徹底して隠されてきた良家の娘御だと、モーガンは空想を膨らませる。
「あなた様の御邸宅の塀壁……東の角に、隙間が空いている部分がありますでしょう?」
「ふむ?」
「私、遣いを出し、隙間にあなた様への手紙を忍ばせますわ。どうぞそれを運び役に受け取らせてくださいませ。そしてお返事を同じように」
「よし、分かった。次回また君とまみえる時を夢みて!」────
こうしてふたりは曜日と時間を申し合わせ、週に一往復の文通を始めたのだった。
「まさに存在自体が妖精にも違わぬ、はかなげな乙女だ」
「まぁ。ぜひお会いしてみたいものですわ……」
やや言葉に詰まった物言いのエステラであった。
年に一度の晴れやかな記念パーティーが、殺伐とした場と化してしまったが──。
「エステラ!」
そこに明瞭な、やや個性的な声が響き渡った。この緊張を帯びた雰囲気の中で人々は振り返り、声の主を目に入れた途端それぞれにはっと息を呑む。
颯爽と現れたのはシックな衣装に身を包むひとりの少年。赤い薔薇の花束を抱えている。
その香しさにいっそう引き立てられた彼アンドリューは、この時も瑞々しい魅力を放ち、見る者すべてを感嘆させた。彼の毅然としたスタイル、足取りに、誰しもただ見惚れ、その行く先に道を空ける。
「遅れてごめん、エステラ。卒業おめでとう!」
「いいえ、遅れてなんて。ありがとう、こんなに大きな花束を」
およそ三月ぶりに彼と顔を合わせたエステラはふと気付いた。短いあいだというのに彼は少し背が伸びて、顔立ちもほっそりしたよう。以前より大人の男性の雰囲気を醸し出す。
「あら、あなた、声が前と少し違うかしら」
「えっと、そうかも……」
「な、なんだそいつは!?」
憧憬の眼差しを一手に集める男の登場だ、既に一度しくじった男は潮目の変わりを意識せずにはいられない。
「ああ、私たち取り込み中でしたわね。失礼、モーガン様。この方は私の遠戚にあたるグラント公爵家ご令息、アンドリュー=グラント殿です。私の幼少時よりの友人ですの」
「お初にお目にかかります。えっとあなたは……どなたでしょうか?」
なぜこの私を知らないのだ、とモーガンは不服を前面に表す。
ともかくアンドリューの訪れで場の雰囲気は一転した。多くの者、特に若い女性らが、大人と子どもの中間にいる、ある種の妖艶さをまとうアンドリューに心酔している。エステラと並ぶとより絵になって熱い視線が注がれる。
これに恐れをなしモーガンは頭を急速回転させた。どうにか際立って目立つ彼らを抑え込みたいが、ここにいない“乙女”と比較してエステラの容姿を貶しても、もはや立つ瀬がない。人格攻撃に切り替えねば、そう悟った。
その時、例のメッセージカードが目についた。
「だいたいっ、お前の字は品がないのだよ! 字は人を表すという。お前の下手くそな文字はお前の怠惰な精神の証明だ!」
唐突な言いがかりだ。なぜ急に字が出てくるのか分からず、エステラは深くため息をつく。
「いつあなたが私の書いた字をご覧になりまして?」
「このあいだ、談話室でお前が手紙を書いていた時に、私が話しかけたことがあっただろう?」
「ああ、一度だけありましたわね。あの時、私の書いている手紙をのぞいたと?」
「わざわざお前の書いた内容など読んでいないぞ! 別に興味ないからな。字体を見ただけだ。いや、恐ろしく不快な手跡で読めなかったのだ!」
「…………」
なにやらエステラは呆れた顔で言葉も出てこない。そんな様相だと周囲の者は見た。
「な、なんだ。何か言い訳があるのか? 手に怪我でもしていたか? いいさ、言ってみろよ」
「私、あの時は、アルカディア皇国のリシャール大使に宛てた礼状を書いていたのです」
「……は?」
彼は思いもよらぬことを言われ、思考が追いつかない。
「先月、我らが王との会見でリシャール大使がこちらにいらしたことはご存じでしょう?」
「あ、ああ……」
「その親善パーティーでご挨拶をさせていただきましたので、今後もよりよい間柄を築いていければと」
つまり……?と観衆は考えをめぐらせてみた。勘の鈍い者でもすぐに気付くだろう、エステラはアルカディア語で文字を書いていたのだと。そして更に造詣の深い者ならよく知ることがある。達筆のアルカディー文字は、当国の美意識と大概そぐわぬものなのだ。
「あなたは私の書いていた文字の正体を知りもしないで、それが不出来だと断じましたの?」
「い、いや、近い国同士の文字だ。たいして違わぬだろう! それにっ、これを見ろ! この、私の恋人から送られてきたメッセージカードを!」
彼が見せつけたそれには確かに、流麗な文字が綴られている。
「“あなたのお顔を拝見するのがとても楽しみです”とある。可愛いだろう、私のドリューは! これと比べたらお前の手跡など。いやはや、やはり気性の表れなのだ」
己の筆跡でもないのにモーガンはやたら誇らしげ。そこでエステラの元にバトラーが、簡易テーブルと羽ペン、インクを運んできた。
「ちょうど良い高さのテーブルをありがとう」
何かを察した一在校生、エステラに真っ白なナフキンを差し出す。
「ありがとう」
エステラはそのナフキンにすらすらと「在学中は世話になった」といった挨拶文をしたためたのだった。
「にじまなくて良かったわ。どうぞ」
受け取った者は歓喜の声を上げた。
「おお、なんて美しい文字なんだ!」
周囲の者はどれどれと覗き込み、やはり口々に賞賛する。
ナフキンの持ち主は、自分のものにさせてもらおう、と上機嫌で場を離れようとした。だがその際に、モーガンに取り上げられてしまい。
「ふん、審美眼のある者が見ねば分からん!」
「………………」
目にした彼は黙りこくってしまった。確かに文句つけようのない美しさだ。しかし、驚いたのはそれよりも──。
なんだかこの字、見覚えあるぞ。と顔に書いてある。エステラもアンドリューも、徐々に青ざめる彼の按配に気付かないわけはない。
「あなたのお相手は……まだ見えませんの?」
モーガンの額から冷や汗がこぼれおちる。踏ん張る足も少し震えているようだった。
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