30 / 35
エピローグ
① 私のナイトは……私!?
しおりを挟む
お部屋に来ましたわ! まずはプレボ~~。クセでクローゼットを開けて確認してしまいますの。
ひらひら……あれ、なんかカードかな?
「あ、それはゲームマスターからの手紙ピコ」
「ん―っと、両ルートクリアしたプレイヤーのみなさんへ隠し報酬のご案内?」
おぉ~~? 隠しなんちゃらってロマンある!
「なになに、特別にこのルートのどのキャラへでも転生希望を叶えて差し上げます!って……」
どういうこと?
「つまり~、元々エリザベースかマリーヤかって話だったピコよね? でもプレイしてる途中に、他の登場キャラもいいかもって思ったお客サンのために、その最終ルート内なら誰にでも転生できる権利をあげるってことピコ」
選択肢が増えるんだ?
「でも普通はヒロインになるのを選ぶピコ。他を選ぶのはスーパーマニアックな攻略をしたプレイヤーだけピコ」
たとえばワイヤーの彼がメインヒーローより気に入ったら、彼の恋人に転生できるってことですわね。
「まぁ、私はエリザベース一択ですわ」
「ならいつでも転生できるピコ。まだこのルートで遊ぶピコ? それともすぐ転生? ピータンに会ってから?」
「早く生まれ変わりたい! できるだけ早くピータンに会いたいもん、転生後の自分で。今すぐ転生!」
「じゃあ転生に関して注意事項だピコ」
「うん?」
「基本は生まれた直後に転生するピコ。転生してものりえの記憶や知識、体力がだいたい残っているから、エリザベースが頭ゆるふわでも子ども時代にかなり矯正できるピコ」
矯正に全力を懸けます。
「セーブデータは“ピータンと出会って彼と結ばれる”という情報だけ有効だから、ルートを辿るのも良しアレンジするのも良し、のりえの新しい人生、好きにするピコ!」
ルートを辿るにはカビローンロンやらなきゃいけないのか……。やらずに恋に落ちる方法あるかな??
「ごくまれに、成長を待ちきれなくて都合のいい時期に転生してしまうプレイヤーもいるピコけど。たとえばのりえの場合、このクリア後のエリザベースに転生してすぐにピータンと挙式とか」
それも捨てがたいけど、やっぱり矯正したい。
「まぁもしかしたら他にもあるかもしれないけど、何かあったらボクが駆け付けるピコ! このゲームはアフターサービスも完璧なんだピコ!」
そっか、それなら安心。ピコピコとはここずっと一緒にいて、離れちゃうの寂しくなってきたんだ。
「今の心の声、ちゃんと聞こえてるピコよ~~。のりえ~~ボクのことをそんなにも~~えぐっえぐっ」
や、やだ、そんな感動して泣かないでよっ。
「とはいっても、ボクが現れるのはあくまで“何かあった時”だピコ。新しい人生の邪魔はしないピコ」
「分かりましたわ。お世話になりましたわね、ピコピコ」
「のりえの新しい門出にご多幸あれピコ~~。いってらっしゃい!」
「あ、そうだ! ピコピコ! 私、思い出した私の名前! 今度からはこう呼んでよ。私は、のりか……」
そして私は、がっ!!と目を見開いた。私は生まれ変わったのだ!! そして私の本能が叫んでいる!!
「今、会いに行く――!!」
私はこの転生前からの力を引き出して、全力でベッドを飛び出した。
今こそ、全力で守らねば。この無償の愛をもってして!
「全力で守ろう、愛するマリーヤ!! ……って、え???」
あれ? 私はいったい……。家を抜け出して、そして人と対峙した気がする。それから全力を振り絞ってそのヤバげな人物を撃退して……でももうだめだ。立ってもいられない。
分かる、私の生命力はもう、これっぽっちも残されていない。
なんだかとっても眠いんだ。そうそう、一度死んでるから、この感じ、覚えがあるもん……。
はっ!……あれ? 薄ピンクの部屋? ここは確か、時空の控え室?? あ、ピコピコが慌てて飛んできた。
「わぶっ」
そして私の頭にクラッシュした。
「ピコピコ~~~~!?」
「あっのりえ、今どっちを怒っているピコ? ぶつかったこと? それともバグ出しちゃったことピコ??」
「短期的に見たらぶつかったことを怒っているんだけど。で、いったいなにこの状況!? バグって何よ!!」
「ボクも今運営から連絡入ったところで……オロオロ~~」
ひらひら……あれ、なんかカードかな?
「あ、それはゲームマスターからの手紙ピコ」
「ん―っと、両ルートクリアしたプレイヤーのみなさんへ隠し報酬のご案内?」
おぉ~~? 隠しなんちゃらってロマンある!
「なになに、特別にこのルートのどのキャラへでも転生希望を叶えて差し上げます!って……」
どういうこと?
「つまり~、元々エリザベースかマリーヤかって話だったピコよね? でもプレイしてる途中に、他の登場キャラもいいかもって思ったお客サンのために、その最終ルート内なら誰にでも転生できる権利をあげるってことピコ」
選択肢が増えるんだ?
「でも普通はヒロインになるのを選ぶピコ。他を選ぶのはスーパーマニアックな攻略をしたプレイヤーだけピコ」
たとえばワイヤーの彼がメインヒーローより気に入ったら、彼の恋人に転生できるってことですわね。
「まぁ、私はエリザベース一択ですわ」
「ならいつでも転生できるピコ。まだこのルートで遊ぶピコ? それともすぐ転生? ピータンに会ってから?」
「早く生まれ変わりたい! できるだけ早くピータンに会いたいもん、転生後の自分で。今すぐ転生!」
「じゃあ転生に関して注意事項だピコ」
「うん?」
「基本は生まれた直後に転生するピコ。転生してものりえの記憶や知識、体力がだいたい残っているから、エリザベースが頭ゆるふわでも子ども時代にかなり矯正できるピコ」
矯正に全力を懸けます。
「セーブデータは“ピータンと出会って彼と結ばれる”という情報だけ有効だから、ルートを辿るのも良しアレンジするのも良し、のりえの新しい人生、好きにするピコ!」
ルートを辿るにはカビローンロンやらなきゃいけないのか……。やらずに恋に落ちる方法あるかな??
「ごくまれに、成長を待ちきれなくて都合のいい時期に転生してしまうプレイヤーもいるピコけど。たとえばのりえの場合、このクリア後のエリザベースに転生してすぐにピータンと挙式とか」
それも捨てがたいけど、やっぱり矯正したい。
「まぁもしかしたら他にもあるかもしれないけど、何かあったらボクが駆け付けるピコ! このゲームはアフターサービスも完璧なんだピコ!」
そっか、それなら安心。ピコピコとはここずっと一緒にいて、離れちゃうの寂しくなってきたんだ。
「今の心の声、ちゃんと聞こえてるピコよ~~。のりえ~~ボクのことをそんなにも~~えぐっえぐっ」
や、やだ、そんな感動して泣かないでよっ。
「とはいっても、ボクが現れるのはあくまで“何かあった時”だピコ。新しい人生の邪魔はしないピコ」
「分かりましたわ。お世話になりましたわね、ピコピコ」
「のりえの新しい門出にご多幸あれピコ~~。いってらっしゃい!」
「あ、そうだ! ピコピコ! 私、思い出した私の名前! 今度からはこう呼んでよ。私は、のりか……」
そして私は、がっ!!と目を見開いた。私は生まれ変わったのだ!! そして私の本能が叫んでいる!!
「今、会いに行く――!!」
私はこの転生前からの力を引き出して、全力でベッドを飛び出した。
今こそ、全力で守らねば。この無償の愛をもってして!
「全力で守ろう、愛するマリーヤ!! ……って、え???」
あれ? 私はいったい……。家を抜け出して、そして人と対峙した気がする。それから全力を振り絞ってそのヤバげな人物を撃退して……でももうだめだ。立ってもいられない。
分かる、私の生命力はもう、これっぽっちも残されていない。
なんだかとっても眠いんだ。そうそう、一度死んでるから、この感じ、覚えがあるもん……。
はっ!……あれ? 薄ピンクの部屋? ここは確か、時空の控え室?? あ、ピコピコが慌てて飛んできた。
「わぶっ」
そして私の頭にクラッシュした。
「ピコピコ~~~~!?」
「あっのりえ、今どっちを怒っているピコ? ぶつかったこと? それともバグ出しちゃったことピコ??」
「短期的に見たらぶつかったことを怒っているんだけど。で、いったいなにこの状況!? バグって何よ!!」
「ボクも今運営から連絡入ったところで……オロオロ~~」
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
イナカマチ番犬奇譚~嫌われ獣人の恩返し~
石動なつめ
ファンタジー
――――世の中は世知辛い。
相良独楽は、異世界同士が切り取られ、繋ぎ合わされたこの世界では、忌避されている獣人だ。
独楽は獣人である事を隠しながら、連れの子ぎつねと共に、イナカマチ区画と呼ばれる場所へやって来る。
幼い頃の約束と恩返し、そして働く場所を得るためにやってきた独楽だったが、長閑そうな名前のこの場所は今、侵略を受けている真っただ中だった。
「見ず知らずの者を躊躇いなく助けたきみのお人好しっぷりに、俺は賭けた。――――イナカマチ区画から奴らを追い出したい。どうか助けて欲しい」
そう頼まれ、独楽はイナカマチ区画を守るために奮闘する。
これは一人の獣人の、恩返しの物語。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる