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√マリーヤ act.3
② 元カノと浮気なんて許しませんことよっ!
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「の、のぅ……マリーヤ……」
あ、今の住み込み先の主人である、おじい様の部屋にいたのでした。
「なにかご用ですか、ご主人様?」
「わしのあげた“ぎたぁ”は、使っておるかのぅ……?」
ギター?
「あ、部屋の隅にあるピコ!」
あ、それね。へぇ現代のと少し形が違う。
「この時代、ギターはまだレアアイテムだピコ」
「ご主人様、時間がある時に練習していますよ」
「そうかい。弾けるようになったら、聴かせて欲しいのぅ……」
「はい!」
そんな会話を交わしたので自室に持ってきたけど、私弾いたことないな。ちょっと弾いてみよ。
「いたっ!」
指! 指痛い!!
「きっとマリーヤもたまの空き時間に練習してたピコねぇ」
言われてみれば、指先かちかちしてるんだよね、これでかぁ。
「ギターは慣れるまで指が痛くなって大変だピコね」
楽器はたいてい最初大変だもんね。……そういえば、最近他にもギター弾いてた人がいたような?
ここのところ給仕のバイトをしていなかったので、また休みに少しは稼ぐことにしたわ。
「やっぱり出世払いが通るほど、この世は甘くないピコ」
今日は住み込み先の奥様に呼ばれたの。
「お届け物ですか?」
「そう、荷物をそのホテルの住人に届けて欲しいのよ」
「届けるだけで、こんなに頂いても?」
「必ず本人に渡してね」
本人って言っても、メモにはルームナンバーしか書いてないけど、行けば分かるかな?
「うわぁ、いかにも高級ホテルピコ~~」
ぴんぽんぴんぽ~~ん。
「お届け物で――す」
「どうぞ」
その部屋で待っていたのは。
「……ピータン……」
なんでなんで~~!??
「マリーヤ、元気にしてたかい?」
「ピータン、なんであなたが!?」
ちょっと待って。これお届け物じゃなくて、もしやピータンの呼び出し?
私がノコノコと届けられちゃったの!? って、ここ、ホテルの一室。そこにはダブルベッド。彼に指矢印元カレ。私に指矢印元カノ。
イコール……早速、元カノと浮気ぃぃ~~~~!??
「あ~~のりえ、待つピコ! 早とちりピコ!!」
ん?
「落ち着いて考えてピコ。のりえはエリザベースルートをクリアしてから、マリーヤルートに来た時、あのパーティー会場まで時間が戻ってるピコよ?」
え? ああ……。
「ルート比較の時間の流れは一定でも順番でもないピコ。ゲームだから」
ってことは。
「このピータンはまだエリザベースと気持ちを交わしていない頃の彼じゃないかなピコ」
う~~ん、ややこしい。マリーヤは酒場でピータンと分かれて以降会ってないんだから、こんな風に着飾って高級ホテルにいる彼は、ふしぎなはずだよね。
「ピータン、そんないい服を着て、いいホテルに泊まって、万馬券でも当てたの?」
「うん、まぁそんなところ」
なわけないでしょ。いつ話してくれるんだろ。
「どうして私の所在が知れたの?」
「風の噂かな。勤労の超絶美少女がそこにいるって」
その噂、ラインホルト様のところに届いてほしいの……。
「さぁ、好きなものをおごるよ、ワイン?ビール?」
「いったい私に何の用よ……」
こんなところでこの給仕娘酔わせて手を出そうものなら、婚約破棄ですわよ!
「エリザベース魂の叫びピコ~~」
「再会に乾杯」
「とりあえずかんぱ~~い」
「ぷは~~高級ワインだピコ~~」
少し飲んだらピータンが口火を切ったわ。
「それが、運命の女性にようやく出会えたんだけど……」
えっ? それって私のことだよね?
「彼女には決まった相手がいるようなんだ……」
! まさか、恋の相談をしに呼んだの?
「やっと出会えたと思ったのに、彼女は他の男と仲睦まじくしていて……」
ん? 他の男? いつ??
「い、いつ出会えたのその人と?」
「もう1ヶ月以上前のことなんだ。とある場で出会って、求婚したら足蹴にされて……」
それは仕方ないと思います。
「それでもめげずに猛攻かけようとしたんだけど、少し席を外してる間に、彼女は他の男と……」
ええ~~? それラインホルト様のことだよね?? ただ彼はマリーヤのことを話したくて私のところに来ただけなのに。
「正直、君に二股かけられたトラウマもあって、諦めようかと悩んでいたんだけど……」
ああ、それはマリーヤの大罪です。
「でも、どうしても彼女だけは諦められない。他の誰にも渡したくない!」
きゅ、きゅ――ん。私が聞いていいのかしらこれ。
「それでその後、その彼女のお相手のことを調べたら、伯爵家の令息だった……婚約してるとかしてないとか」
とっくの昔に破棄されてます。
「また俺は打ちのめされてしまった……。相手は伯爵を継ぐ者……俺はしがない大工だから……」
《第一志望:大工》でしょ!! 誇り持ってやってんでしょ!
「諦めたくない、しかし他人の妻となる人だ……」
「まだ、妻ではないんでしょ!」
というか完全フリーですよその子。
「猛攻かけても、迷惑にならないだろうか」
ああもう、その令息とはなんでもないって言ってあげたい。全然連絡来ないと思ったら、これで1ヶ月以上も悩んでたのね?
「お、女は奪われたいのよ! だってそれだけ求められてるって感じするもの。そりゃ、結婚式当日とか直前とかは、家族や親族に迷惑かかるからダメよ。でもそれまでは自由競争だし、とにかく早く動かなきゃ!」
「……マリーヤ、なんだか変わったな。君もいい出会いがあった?」
「ま、まぁね」
ていうか、なんで相談相手がマリーヤなんだろ。
「そりゃ酒場で散々みっともないとこ見せてきたから、こっちも見せられると思ったんだピコ~~」
みっともないってなによ!
「ほらVTR~~」
【えぐえぐえぐ私でいいじゃ~~ん】
【えぐえぐえぐ私こんなに可愛いでしょ~~】
あ~~やだやだもう止めてっ。
「ただ攻勢をかけると言っても、資金力ではライバルにまったく敵わない」
「別に装飾品をプレゼントするだけが猛アタックじゃないけど……」
まぁ令嬢相手だしなぁ。……あっ、ていうかこの話し合いの結果、ピータンはあのけったいなラブソングを贈ってくれたのね!
「けったいって言っちゃだめピコ~~。確かにけったいだったケド……」
「むしろお金をまったくかけないプレゼントはどうかしら」
「なら、手作りとか? DIYなら自信あるけど」
じゃあマリーヤにタンスと机を作ってやってください。質から戻ってこないので。
「あー、ううん……もうちょっとロマンチでお願い……」
ピコピコ、あれ出して! プレボ!
「あら、こんなところにギターが。私、少しかじったことがあって……」
ベェ~~ン。ベェ~~ン。
「ま、まぁ私は音出すだけで精一杯だけど、ピータンは器用だし、ある程度練習すればいけるんじゃないかしら」
「ギターか……2、3週間でどうにかなるかな」
でも最初は本当に指が痛くなって、長く練習できないのよね。なんか対策……
あっ。マリーヤのエプロンのポケットに……ピック発見!
「これもセットでどうぞ。2週間でそれなりに仕上げてね!」
それくらいでエリザベース(私)がお宅訪問するから!
あ、今の住み込み先の主人である、おじい様の部屋にいたのでした。
「なにかご用ですか、ご主人様?」
「わしのあげた“ぎたぁ”は、使っておるかのぅ……?」
ギター?
「あ、部屋の隅にあるピコ!」
あ、それね。へぇ現代のと少し形が違う。
「この時代、ギターはまだレアアイテムだピコ」
「ご主人様、時間がある時に練習していますよ」
「そうかい。弾けるようになったら、聴かせて欲しいのぅ……」
「はい!」
そんな会話を交わしたので自室に持ってきたけど、私弾いたことないな。ちょっと弾いてみよ。
「いたっ!」
指! 指痛い!!
「きっとマリーヤもたまの空き時間に練習してたピコねぇ」
言われてみれば、指先かちかちしてるんだよね、これでかぁ。
「ギターは慣れるまで指が痛くなって大変だピコね」
楽器はたいてい最初大変だもんね。……そういえば、最近他にもギター弾いてた人がいたような?
ここのところ給仕のバイトをしていなかったので、また休みに少しは稼ぐことにしたわ。
「やっぱり出世払いが通るほど、この世は甘くないピコ」
今日は住み込み先の奥様に呼ばれたの。
「お届け物ですか?」
「そう、荷物をそのホテルの住人に届けて欲しいのよ」
「届けるだけで、こんなに頂いても?」
「必ず本人に渡してね」
本人って言っても、メモにはルームナンバーしか書いてないけど、行けば分かるかな?
「うわぁ、いかにも高級ホテルピコ~~」
ぴんぽんぴんぽ~~ん。
「お届け物で――す」
「どうぞ」
その部屋で待っていたのは。
「……ピータン……」
なんでなんで~~!??
「マリーヤ、元気にしてたかい?」
「ピータン、なんであなたが!?」
ちょっと待って。これお届け物じゃなくて、もしやピータンの呼び出し?
私がノコノコと届けられちゃったの!? って、ここ、ホテルの一室。そこにはダブルベッド。彼に指矢印元カレ。私に指矢印元カノ。
イコール……早速、元カノと浮気ぃぃ~~~~!??
「あ~~のりえ、待つピコ! 早とちりピコ!!」
ん?
「落ち着いて考えてピコ。のりえはエリザベースルートをクリアしてから、マリーヤルートに来た時、あのパーティー会場まで時間が戻ってるピコよ?」
え? ああ……。
「ルート比較の時間の流れは一定でも順番でもないピコ。ゲームだから」
ってことは。
「このピータンはまだエリザベースと気持ちを交わしていない頃の彼じゃないかなピコ」
う~~ん、ややこしい。マリーヤは酒場でピータンと分かれて以降会ってないんだから、こんな風に着飾って高級ホテルにいる彼は、ふしぎなはずだよね。
「ピータン、そんないい服を着て、いいホテルに泊まって、万馬券でも当てたの?」
「うん、まぁそんなところ」
なわけないでしょ。いつ話してくれるんだろ。
「どうして私の所在が知れたの?」
「風の噂かな。勤労の超絶美少女がそこにいるって」
その噂、ラインホルト様のところに届いてほしいの……。
「さぁ、好きなものをおごるよ、ワイン?ビール?」
「いったい私に何の用よ……」
こんなところでこの給仕娘酔わせて手を出そうものなら、婚約破棄ですわよ!
「エリザベース魂の叫びピコ~~」
「再会に乾杯」
「とりあえずかんぱ~~い」
「ぷは~~高級ワインだピコ~~」
少し飲んだらピータンが口火を切ったわ。
「それが、運命の女性にようやく出会えたんだけど……」
えっ? それって私のことだよね?
「彼女には決まった相手がいるようなんだ……」
! まさか、恋の相談をしに呼んだの?
「やっと出会えたと思ったのに、彼女は他の男と仲睦まじくしていて……」
ん? 他の男? いつ??
「い、いつ出会えたのその人と?」
「もう1ヶ月以上前のことなんだ。とある場で出会って、求婚したら足蹴にされて……」
それは仕方ないと思います。
「それでもめげずに猛攻かけようとしたんだけど、少し席を外してる間に、彼女は他の男と……」
ええ~~? それラインホルト様のことだよね?? ただ彼はマリーヤのことを話したくて私のところに来ただけなのに。
「正直、君に二股かけられたトラウマもあって、諦めようかと悩んでいたんだけど……」
ああ、それはマリーヤの大罪です。
「でも、どうしても彼女だけは諦められない。他の誰にも渡したくない!」
きゅ、きゅ――ん。私が聞いていいのかしらこれ。
「それでその後、その彼女のお相手のことを調べたら、伯爵家の令息だった……婚約してるとかしてないとか」
とっくの昔に破棄されてます。
「また俺は打ちのめされてしまった……。相手は伯爵を継ぐ者……俺はしがない大工だから……」
《第一志望:大工》でしょ!! 誇り持ってやってんでしょ!
「諦めたくない、しかし他人の妻となる人だ……」
「まだ、妻ではないんでしょ!」
というか完全フリーですよその子。
「猛攻かけても、迷惑にならないだろうか」
ああもう、その令息とはなんでもないって言ってあげたい。全然連絡来ないと思ったら、これで1ヶ月以上も悩んでたのね?
「お、女は奪われたいのよ! だってそれだけ求められてるって感じするもの。そりゃ、結婚式当日とか直前とかは、家族や親族に迷惑かかるからダメよ。でもそれまでは自由競争だし、とにかく早く動かなきゃ!」
「……マリーヤ、なんだか変わったな。君もいい出会いがあった?」
「ま、まぁね」
ていうか、なんで相談相手がマリーヤなんだろ。
「そりゃ酒場で散々みっともないとこ見せてきたから、こっちも見せられると思ったんだピコ~~」
みっともないってなによ!
「ほらVTR~~」
【えぐえぐえぐ私でいいじゃ~~ん】
【えぐえぐえぐ私こんなに可愛いでしょ~~】
あ~~やだやだもう止めてっ。
「ただ攻勢をかけると言っても、資金力ではライバルにまったく敵わない」
「別に装飾品をプレゼントするだけが猛アタックじゃないけど……」
まぁ令嬢相手だしなぁ。……あっ、ていうかこの話し合いの結果、ピータンはあのけったいなラブソングを贈ってくれたのね!
「けったいって言っちゃだめピコ~~。確かにけったいだったケド……」
「むしろお金をまったくかけないプレゼントはどうかしら」
「なら、手作りとか? DIYなら自信あるけど」
じゃあマリーヤにタンスと机を作ってやってください。質から戻ってこないので。
「あー、ううん……もうちょっとロマンチでお願い……」
ピコピコ、あれ出して! プレボ!
「あら、こんなところにギターが。私、少しかじったことがあって……」
ベェ~~ン。ベェ~~ン。
「ま、まぁ私は音出すだけで精一杯だけど、ピータンは器用だし、ある程度練習すればいけるんじゃないかしら」
「ギターか……2、3週間でどうにかなるかな」
でも最初は本当に指が痛くなって、長く練習できないのよね。なんか対策……
あっ。マリーヤのエプロンのポケットに……ピック発見!
「これもセットでどうぞ。2週間でそれなりに仕上げてね!」
それくらいでエリザベース(私)がお宅訪問するから!
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