120 / 141
第十三章 未来
⑪ むすばれるふたり
しおりを挟む
「え――!? 私から言っちゃった――!!?」
これには浮かんでいるだけのユウナギも、口を出さずにはいられない。夢の中でくらい積極的に口説かれたかった。
「こういうのって男性の方から申し入れるものじゃないの!? しかも命令なのそれ!? そんなんでいいの私!?」
みているだけのユウナギには分からない、連れ立って難儀な時を過ごしたユウナギならではの思いがあるのだろう。
「とりあえず返事聞こうか……」
ミィがまた呆れている。
トバリは少し固まったようだが、ついには照れたように笑った。
「私の妻になってくれるのですか?」
「…………」
その顔が最高に好ましくて、今度はユウナギの時が止まった。しかし固まっている場合ではない、すぐに復活した。
「あ、あの、私が妻であなたが夫よ? いいの!?」
復活したてによく分からない確認をする。
「? 私が妻であなたが夫なら困りますが」
「じゃなくて!」
大慌てついでに彼女は、彼を湖岸の砂の上に押し倒した。彼女の長い髪の先が、彼の胸にはらりと落ちる。
「あなたの妻が私なんかでいいの!?」
「ユウナギ様」
彼は彼女の頬に指先を伸ばして添えた。
「私にはもう何もない。家もない土地もない、食料も衣料もない。明日の保証すらない。本当に何も持たない男なのです。村の青年の誰かと一緒になった方が、あなたにとって幸せだ」
ユウナギはそんな彼の言葉を最後まで聞いて、そして息を存分に吸い込んだ。
「何もなくない!! あなた自身が! あなたの培ってきたものが溢れるほどある! ……あなたじゃなきゃここまで来られなかった。それにたとえ、今は持ち物がなくても、そんなの全然構わない。あなたじゃなきゃ嫌! 他の誰でもだめなの。私も頑張るからっ。一緒に食べ物作って生きていきましょう!」
彼の上に乗っかったまま、なおも必死にまくし立てる。
「わたし知ってる。懸命に励んでいれば、みんなちゃんとそれを見ててくれる。一生懸命働く者を、人は無下にしたりしない。私、ちゃんと生きていけるように頑張るから……」
彼は突然、下から両手で彼女の顔を寄せ、その唇に口づけた。
「えっ……ええええ~~~~!??」
この一部始終をひやひやした心地で眺めていたユウナギ、唐突に思わぬ何やらを見せつけられ、泡を吹いて倒れた。
「おいっ!? ……夢の中だから……放っておいても問題ないよな」
続きはミィだけでみることになった。
「はっ!」
「気が付いたか」
起き上がったユウナギの隣でミィは胡坐をかいている。
「えっと、あれ?? 今まだ夢の中?」
ミィは何ともなしに頷く。
「え―っと、どうなった!? 夢の中の私は兄様と……」
「あれからすぐ帰って、翌朝、家貸してくれてる人たちに、“実は兄妹ではなくて、一緒になることにしました~~”って話したら、“そうなんじゃないかと思ってたよ”と祝福されてた。んで、当面は借りてる小さな家でふたり暮らすことになった。ってところまでみたぞ」
「…………」
頭の整理が追いつかない。
「で、今から夫婦で過ごす初めての夜」
ミィが下を指さしたら、みえてきた。小さな家屋の中、床の真ん中に腰を据えた彼と、床の足側で、もじもじと膝を抱え丸まっている彼女の姿が。
「~~~~~~!!」
ユウナギはミィの両肩を掴んで前後に振った。
「ねぇ! これ! 何が始まるの!? 何が始まっちゃうの!?」
「そんなの分かるだろ、大人なら……」
冷めた目でミィが見てくる。
「ちょっと黙って! 何か話してるっ」
黙るのはそっちだ、とミィは言いたかったが止めておいた。
「寝ないのですか?」
彼はそんな夜なのに、落ち着き払ったように見える。
「えっ……あなたは寝ちゃうの?」
とても残念そうなユウナギだ。自分の態度が原因だとか考える余裕はない。
「あなたがこちらを向いてくれなければ、私は寝るしか」
彼はなんだか少し笑っている。そう言われてしまったユウナギは、おずおずと彼のすぐ隣にきて、また膝を抱えた体勢に。したら彼は、膝を抱える彼女の腕を外し、そのまま彼女を押し倒した。
「兄様っ……!?」
「もう兄ではないです」
「っ、トバリ様……。あっ、あなたも、もうそんな話し方じゃなくてっ。もっと、こう、高圧的に話してっ」
「高圧的?」
「えっと、いや、なんていうの、ふつうにっ、夫が妻に話すような……。その、官人の話し方じゃなくてっ……んっ!?」
焦りに焦っているユウナギの口を、彼はまた口で塞いだ。
「分かった、気を付けるよ」
そして彼女の衣服を脱がし始めるのだった。
「あああああ~~~~っ!!」
「なんだよ、うるさいな。ここからなのに」
「こ、ここからぁ~~!??」
「ほらもうだいぶ脱が……」
ユウナギはミィの喋りを遮り、血眼で叫ぶ。
「私!! その辺、走り込み行ってくるから!!」
「お、おう……」
夢の中でどれほど有効かは分からないが、目をつむり耳を塞ぎながら彼女はどこぞへ走って行ってしまった。
その後、がむしゃらに走り回るユウナギがミィのところに戻ってくると、昼間であれば新婚のふたりは畑を耕していたり、村人らと協力して狩りをしていたり、汗だくな日常の風景を見せていた。新妻ユウナギはいつも、夜の来るのが待ち遠しい、といった雰囲気でいる。
それが夜であると、ふたり常に仲良く寄り添っている。揃って床にいる場面に遭遇すると、相変わらず赤面のユウナギは走って逃げていくのだが、この時はミィの目を塞いで騒いでいた。
「なんであなたそんな冷静にみてるの! 8つの子どもが!!」
「だって俺、父上と母上の見慣れてるし……」
「えええ~~!!?」
両親揃った家で育っていないユウナギが知らないだけで、ごく普通のことだ。
「まぁ、俺が小さい時の話な。最近はないし」
ああ、母君もう調子が良くないのだっけ、とユウナギも寂しそうな彼女を見て切なくなった。
とにもかくにも、夫婦として常にふたりは共にあった。それはごく平凡な村人の姿で、ユウナギはまさに夢だと感じた。夢の日々が繰り返し繰り返し流れ、いつしか夢の中のユウナギは身体に変調をきたす。
「どうしたんだ?」
「何を食べても味が変なの……。たまに、胸やけも……」
病ではと彼も心配し、村の見識ある老女に相談した。そこで身ごもっている事実を告げられたのだった。もちろんふたりして、かつてないほどに大喜びする。
ユウナギはそれから徐々に膨らむ自分の腹を眺めては、心躍る毎日を過ごしていた。
妊婦のユウナギが優しく腹を撫でるたび、それをみるユウナギも、自身の平らな腹を撫でてみる。どういう感じなんだろうと想像せずにはいられないが、その高揚感まで受け取る術はないのであった。
◌ ⁺ ˖˚ ◌ ⑅ ˚₊ ◌ ⁺⑅ ˚ ◌◌ ⁺ ˖˚ ◌ ⑅ ˚₊ ◌ ⁺⑅ ˚ ◌
ナツヒとセットで用意したジブリ風トバリをここに置いておきます。.ꕤ
こういう見た目人畜無害優男がユウナギの本能で好きなタイプです。
それ(人畜無害)でいて、ここぞという時にきりっとした顔を見せてくれるトバリ兄さんです。
これには浮かんでいるだけのユウナギも、口を出さずにはいられない。夢の中でくらい積極的に口説かれたかった。
「こういうのって男性の方から申し入れるものじゃないの!? しかも命令なのそれ!? そんなんでいいの私!?」
みているだけのユウナギには分からない、連れ立って難儀な時を過ごしたユウナギならではの思いがあるのだろう。
「とりあえず返事聞こうか……」
ミィがまた呆れている。
トバリは少し固まったようだが、ついには照れたように笑った。
「私の妻になってくれるのですか?」
「…………」
その顔が最高に好ましくて、今度はユウナギの時が止まった。しかし固まっている場合ではない、すぐに復活した。
「あ、あの、私が妻であなたが夫よ? いいの!?」
復活したてによく分からない確認をする。
「? 私が妻であなたが夫なら困りますが」
「じゃなくて!」
大慌てついでに彼女は、彼を湖岸の砂の上に押し倒した。彼女の長い髪の先が、彼の胸にはらりと落ちる。
「あなたの妻が私なんかでいいの!?」
「ユウナギ様」
彼は彼女の頬に指先を伸ばして添えた。
「私にはもう何もない。家もない土地もない、食料も衣料もない。明日の保証すらない。本当に何も持たない男なのです。村の青年の誰かと一緒になった方が、あなたにとって幸せだ」
ユウナギはそんな彼の言葉を最後まで聞いて、そして息を存分に吸い込んだ。
「何もなくない!! あなた自身が! あなたの培ってきたものが溢れるほどある! ……あなたじゃなきゃここまで来られなかった。それにたとえ、今は持ち物がなくても、そんなの全然構わない。あなたじゃなきゃ嫌! 他の誰でもだめなの。私も頑張るからっ。一緒に食べ物作って生きていきましょう!」
彼の上に乗っかったまま、なおも必死にまくし立てる。
「わたし知ってる。懸命に励んでいれば、みんなちゃんとそれを見ててくれる。一生懸命働く者を、人は無下にしたりしない。私、ちゃんと生きていけるように頑張るから……」
彼は突然、下から両手で彼女の顔を寄せ、その唇に口づけた。
「えっ……ええええ~~~~!??」
この一部始終をひやひやした心地で眺めていたユウナギ、唐突に思わぬ何やらを見せつけられ、泡を吹いて倒れた。
「おいっ!? ……夢の中だから……放っておいても問題ないよな」
続きはミィだけでみることになった。
「はっ!」
「気が付いたか」
起き上がったユウナギの隣でミィは胡坐をかいている。
「えっと、あれ?? 今まだ夢の中?」
ミィは何ともなしに頷く。
「え―っと、どうなった!? 夢の中の私は兄様と……」
「あれからすぐ帰って、翌朝、家貸してくれてる人たちに、“実は兄妹ではなくて、一緒になることにしました~~”って話したら、“そうなんじゃないかと思ってたよ”と祝福されてた。んで、当面は借りてる小さな家でふたり暮らすことになった。ってところまでみたぞ」
「…………」
頭の整理が追いつかない。
「で、今から夫婦で過ごす初めての夜」
ミィが下を指さしたら、みえてきた。小さな家屋の中、床の真ん中に腰を据えた彼と、床の足側で、もじもじと膝を抱え丸まっている彼女の姿が。
「~~~~~~!!」
ユウナギはミィの両肩を掴んで前後に振った。
「ねぇ! これ! 何が始まるの!? 何が始まっちゃうの!?」
「そんなの分かるだろ、大人なら……」
冷めた目でミィが見てくる。
「ちょっと黙って! 何か話してるっ」
黙るのはそっちだ、とミィは言いたかったが止めておいた。
「寝ないのですか?」
彼はそんな夜なのに、落ち着き払ったように見える。
「えっ……あなたは寝ちゃうの?」
とても残念そうなユウナギだ。自分の態度が原因だとか考える余裕はない。
「あなたがこちらを向いてくれなければ、私は寝るしか」
彼はなんだか少し笑っている。そう言われてしまったユウナギは、おずおずと彼のすぐ隣にきて、また膝を抱えた体勢に。したら彼は、膝を抱える彼女の腕を外し、そのまま彼女を押し倒した。
「兄様っ……!?」
「もう兄ではないです」
「っ、トバリ様……。あっ、あなたも、もうそんな話し方じゃなくてっ。もっと、こう、高圧的に話してっ」
「高圧的?」
「えっと、いや、なんていうの、ふつうにっ、夫が妻に話すような……。その、官人の話し方じゃなくてっ……んっ!?」
焦りに焦っているユウナギの口を、彼はまた口で塞いだ。
「分かった、気を付けるよ」
そして彼女の衣服を脱がし始めるのだった。
「あああああ~~~~っ!!」
「なんだよ、うるさいな。ここからなのに」
「こ、ここからぁ~~!??」
「ほらもうだいぶ脱が……」
ユウナギはミィの喋りを遮り、血眼で叫ぶ。
「私!! その辺、走り込み行ってくるから!!」
「お、おう……」
夢の中でどれほど有効かは分からないが、目をつむり耳を塞ぎながら彼女はどこぞへ走って行ってしまった。
その後、がむしゃらに走り回るユウナギがミィのところに戻ってくると、昼間であれば新婚のふたりは畑を耕していたり、村人らと協力して狩りをしていたり、汗だくな日常の風景を見せていた。新妻ユウナギはいつも、夜の来るのが待ち遠しい、といった雰囲気でいる。
それが夜であると、ふたり常に仲良く寄り添っている。揃って床にいる場面に遭遇すると、相変わらず赤面のユウナギは走って逃げていくのだが、この時はミィの目を塞いで騒いでいた。
「なんであなたそんな冷静にみてるの! 8つの子どもが!!」
「だって俺、父上と母上の見慣れてるし……」
「えええ~~!!?」
両親揃った家で育っていないユウナギが知らないだけで、ごく普通のことだ。
「まぁ、俺が小さい時の話な。最近はないし」
ああ、母君もう調子が良くないのだっけ、とユウナギも寂しそうな彼女を見て切なくなった。
とにもかくにも、夫婦として常にふたりは共にあった。それはごく平凡な村人の姿で、ユウナギはまさに夢だと感じた。夢の日々が繰り返し繰り返し流れ、いつしか夢の中のユウナギは身体に変調をきたす。
「どうしたんだ?」
「何を食べても味が変なの……。たまに、胸やけも……」
病ではと彼も心配し、村の見識ある老女に相談した。そこで身ごもっている事実を告げられたのだった。もちろんふたりして、かつてないほどに大喜びする。
ユウナギはそれから徐々に膨らむ自分の腹を眺めては、心躍る毎日を過ごしていた。
妊婦のユウナギが優しく腹を撫でるたび、それをみるユウナギも、自身の平らな腹を撫でてみる。どういう感じなんだろうと想像せずにはいられないが、その高揚感まで受け取る術はないのであった。
◌ ⁺ ˖˚ ◌ ⑅ ˚₊ ◌ ⁺⑅ ˚ ◌◌ ⁺ ˖˚ ◌ ⑅ ˚₊ ◌ ⁺⑅ ˚ ◌
ナツヒとセットで用意したジブリ風トバリをここに置いておきます。.ꕤ
こういう見た目人畜無害優男がユウナギの本能で好きなタイプです。
それ(人畜無害)でいて、ここぞという時にきりっとした顔を見せてくれるトバリ兄さんです。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる