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第十三章 未来
③ 誰しも戻りたい“あの地点”がある…
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ユウナギはトバリの話にたじろいだ。
「え? えっと、どどどういう意味?」
「たとえばあなたは今日、市に出かける。または狩りに出かける。ふたつの選択肢があるとしますね。そして狩りに行く方を選ぶとする。その力があれば、市に出かけていた方の夢をみられるのです」
「? それって未来の夢をみる予言とどう違うの? ふたつの選択肢があって、どちらが正解か夢でみてから決められるってことでしょう?」
「いえ、選択し終わってから、選ばなかった方の夢をみるそうです」
ユウナギは混乱している。代わりにサダヨシが口を出した。
「しかしそれでは意味を成しませんよね。選択した地点は過ぎているのですから、満足するか、もしくは後悔が残るかです。こちらの道を選んで良かった、または、あちらを選んでおけば良かった」
「そうだな。しかし、それにはまだ続きがあるのだ」
彼はサダヨシの目を見て伝えた。そしてまた、ユウナギにも理解できるように、穏やかに語り始める。
「女王は一度だけ、その意味のない力に意味を持たせました」
「ん?」
「時をその地点まで戻したのです。それを知る人々の記憶を残したままで。そうしたことで、国を受難より救った」
「神が味方されたのですね」
「そんな……」
ユウナギにはとても信じられなかった。彼女は長いこと悩まされていたせいか、国を救う神というものに、まだ信心を寄せられない面がある。
「そして女王の最後の言葉が、当時の丞相より記されています」
「! なんて?」
「私はまた、百年を超える時の後に還りくる、と」
「その、強大な神の力を持つ巫女が、またこの地に……?」
場が張り詰めた。
「この地にかどうかも分かりません。そして百年前の女王の遺言です。その巫女が降り立つのは未来……」
「私が、その未来に行けば……?」
トバリは彼女に切実な視線を投げかける。
「その巫女をこの世に連れてきて、かつて彼女が力を開放するため行った儀式を、記録どおりになぞらえば……。実現する可能性は低いと分かっています。が、皆無ではない」
ユウナギは、いつものように前向きな気持ちにはなれなかった。雲を掴むような話である。
「兄様、いろいろ調べてくれてありがとう。私……、私にできることなら何でもするわ」
「ユウナギ様、あなたを追い立てるつもりはありません。ただ話さずにおくべきでもないかと」
「分かってる」
ユウナギは外の空気を吸いたくて、今日は彼らの元に戻らないと言って出ていった。
そこにはふたりきりとなり、トバリはサダヨシをじっと見た。このところ、自分よりずっと多く長く女王の言葉を聞いている男だと、複雑な思いを抱えている相手だ。
「何か疑っておられるようなお顔ですね」
「いや……まぁ、彼女の言葉に、親身に耳を傾けてくれていることには感謝する。彼女が信頼を寄せられる人物を得られたことは、私にとっても喜びだ」
「しかし、それには何か企みがあるのでは、ということでしょうか?」
「我々がこの世を去った後で、お前が敵国の王に取り入り、この地を導く立場となる……それに関してまったく異存はない。国の民が豊かに暮らしていけることを望むが、それももう私には……。ただ、彼女の思いに背くようなことだけはしないで欲しい。それだけだ」
サダヨシは彼の目を見る。彼の心からの願いを知る。
「事実ユウナギ様の命ですら、風前の灯なのだ。彼女だけは私の命に代えても、と思っているが……戦場で私は大して役にも立たない」
「私も同じです」
トバリも彼の目を見た。
「私は戦場に出る兵士を志しておりましたが、やはり役には立ちそうもなく。そんな私にあの方は、違う場での役目を与えてくださった。国をどうしたいとも民のためにとも、私はそれほど大層なことを考えておりません。ただ頼りにしていただいたので、それにお応えできればと思っている次第です」
「なら安心だよ」
「しかし丞相、あなた様は私などよりずっと、頼りにされているではないですか。それはあなたがあなたであるだけで、あの方にとっては、心の拠り所として。きっと最後の時まで……」
その慰めに、何も返す言葉がないトバリであった。
「それにしても、先ほどの話ですが」
彼の話題転換に後ろめたいことがあるのだろうか、そこでトバリはゆっくり顔を背けた。それに気付かないサダヨシではない。
「もし、運よくその、力のある巫女が見つかったとしましょう。しかもそれが«次の女王»であったとしたならば。あなたはそのお方をどうしようとお思いで?」
「…………」
当然すぐには応えてこない。
巫女はごく希少な存在だ。その話題の中、トバリがあえて「次代女王」の言葉を出さなかったことに、彼は訝しんでいた。
「少し前から、どうして勝ち目のない戦を起こす運命なのだろうと、考えてみたのですが。あなた様はご自身や一族の方のみが刑に処されることで済むならば、一般の民までも巻き込むだろう戦など望まれないでしょう。それはやはり自身だけで済むわけはなく、女王であるユウナギ様の処刑も免れないから」
「…………」
「あなた方はまったく同じことを考えておられるのですね。しかし違うのは、あなた様はひとつでも多くの手立てを模索したい」
ただ彼女だけは、その運命から逃がしたい一心で。
「そして先ほどユウナギ様に、暗に次の女王を探すよう仕向けた」
「仕向けたというほどのことでもない」
「戦の起こることは、もはや変わりようのない現実。しかしユウナギ様の言は、“女王はその戦にて果てる”という伝聞のみ。それがユウナギ様とは限らないわけです。その一縷の望みに託したと私が勘繰っても、ふしぎはないでしょう?」
彼は“他者を身代わりにしてでも”ユウナギを生かしたい、と考える己の罪深さを分かっている。サダヨシは愚かしい考えだと責めるつもりもない。
トバリは重い口を開いた。
「彼女は運命を変えられるかもしれないと、その巫女を探そうとする。それが次の女王かどうかは分からない。ただ神の目を持つのだから、次代に関してはいつ見つけられてもおかしくないだろう? 推察した私の思惑は、胸の内に秘めておいてくれ」
「承知しております。力のある巫女を探し当てることは、損失にもなりえませんし」
ユウナギは夜が更けるまで考えていた。その巫女は神に導いて頂かなくては会えない未来にいる。都合よく彼女に会えるはずもない、会ったところでそこからこの世に連れてくるというのも、どう頼めというのか、想像できない。
時を戻すなど、信じ難い、強すぎる力だと思う。ただ確かに、現在まで民が女王の神通力を信じ奉るのは、そういった力を誇示した歴代女王の功績によるものが大きい。
本当に生まれ変わりが存在するなら、どういった人物なのだろう。そんな強大な力を持ちながら、普通に暮らしているのだろうか。コツバメのように虐げられていないだろうか。興味本位で会ってみたくはあるのだった。
「え? えっと、どどどういう意味?」
「たとえばあなたは今日、市に出かける。または狩りに出かける。ふたつの選択肢があるとしますね。そして狩りに行く方を選ぶとする。その力があれば、市に出かけていた方の夢をみられるのです」
「? それって未来の夢をみる予言とどう違うの? ふたつの選択肢があって、どちらが正解か夢でみてから決められるってことでしょう?」
「いえ、選択し終わってから、選ばなかった方の夢をみるそうです」
ユウナギは混乱している。代わりにサダヨシが口を出した。
「しかしそれでは意味を成しませんよね。選択した地点は過ぎているのですから、満足するか、もしくは後悔が残るかです。こちらの道を選んで良かった、または、あちらを選んでおけば良かった」
「そうだな。しかし、それにはまだ続きがあるのだ」
彼はサダヨシの目を見て伝えた。そしてまた、ユウナギにも理解できるように、穏やかに語り始める。
「女王は一度だけ、その意味のない力に意味を持たせました」
「ん?」
「時をその地点まで戻したのです。それを知る人々の記憶を残したままで。そうしたことで、国を受難より救った」
「神が味方されたのですね」
「そんな……」
ユウナギにはとても信じられなかった。彼女は長いこと悩まされていたせいか、国を救う神というものに、まだ信心を寄せられない面がある。
「そして女王の最後の言葉が、当時の丞相より記されています」
「! なんて?」
「私はまた、百年を超える時の後に還りくる、と」
「その、強大な神の力を持つ巫女が、またこの地に……?」
場が張り詰めた。
「この地にかどうかも分かりません。そして百年前の女王の遺言です。その巫女が降り立つのは未来……」
「私が、その未来に行けば……?」
トバリは彼女に切実な視線を投げかける。
「その巫女をこの世に連れてきて、かつて彼女が力を開放するため行った儀式を、記録どおりになぞらえば……。実現する可能性は低いと分かっています。が、皆無ではない」
ユウナギは、いつものように前向きな気持ちにはなれなかった。雲を掴むような話である。
「兄様、いろいろ調べてくれてありがとう。私……、私にできることなら何でもするわ」
「ユウナギ様、あなたを追い立てるつもりはありません。ただ話さずにおくべきでもないかと」
「分かってる」
ユウナギは外の空気を吸いたくて、今日は彼らの元に戻らないと言って出ていった。
そこにはふたりきりとなり、トバリはサダヨシをじっと見た。このところ、自分よりずっと多く長く女王の言葉を聞いている男だと、複雑な思いを抱えている相手だ。
「何か疑っておられるようなお顔ですね」
「いや……まぁ、彼女の言葉に、親身に耳を傾けてくれていることには感謝する。彼女が信頼を寄せられる人物を得られたことは、私にとっても喜びだ」
「しかし、それには何か企みがあるのでは、ということでしょうか?」
「我々がこの世を去った後で、お前が敵国の王に取り入り、この地を導く立場となる……それに関してまったく異存はない。国の民が豊かに暮らしていけることを望むが、それももう私には……。ただ、彼女の思いに背くようなことだけはしないで欲しい。それだけだ」
サダヨシは彼の目を見る。彼の心からの願いを知る。
「事実ユウナギ様の命ですら、風前の灯なのだ。彼女だけは私の命に代えても、と思っているが……戦場で私は大して役にも立たない」
「私も同じです」
トバリも彼の目を見た。
「私は戦場に出る兵士を志しておりましたが、やはり役には立ちそうもなく。そんな私にあの方は、違う場での役目を与えてくださった。国をどうしたいとも民のためにとも、私はそれほど大層なことを考えておりません。ただ頼りにしていただいたので、それにお応えできればと思っている次第です」
「なら安心だよ」
「しかし丞相、あなた様は私などよりずっと、頼りにされているではないですか。それはあなたがあなたであるだけで、あの方にとっては、心の拠り所として。きっと最後の時まで……」
その慰めに、何も返す言葉がないトバリであった。
「それにしても、先ほどの話ですが」
彼の話題転換に後ろめたいことがあるのだろうか、そこでトバリはゆっくり顔を背けた。それに気付かないサダヨシではない。
「もし、運よくその、力のある巫女が見つかったとしましょう。しかもそれが«次の女王»であったとしたならば。あなたはそのお方をどうしようとお思いで?」
「…………」
当然すぐには応えてこない。
巫女はごく希少な存在だ。その話題の中、トバリがあえて「次代女王」の言葉を出さなかったことに、彼は訝しんでいた。
「少し前から、どうして勝ち目のない戦を起こす運命なのだろうと、考えてみたのですが。あなた様はご自身や一族の方のみが刑に処されることで済むならば、一般の民までも巻き込むだろう戦など望まれないでしょう。それはやはり自身だけで済むわけはなく、女王であるユウナギ様の処刑も免れないから」
「…………」
「あなた方はまったく同じことを考えておられるのですね。しかし違うのは、あなた様はひとつでも多くの手立てを模索したい」
ただ彼女だけは、その運命から逃がしたい一心で。
「そして先ほどユウナギ様に、暗に次の女王を探すよう仕向けた」
「仕向けたというほどのことでもない」
「戦の起こることは、もはや変わりようのない現実。しかしユウナギ様の言は、“女王はその戦にて果てる”という伝聞のみ。それがユウナギ様とは限らないわけです。その一縷の望みに託したと私が勘繰っても、ふしぎはないでしょう?」
彼は“他者を身代わりにしてでも”ユウナギを生かしたい、と考える己の罪深さを分かっている。サダヨシは愚かしい考えだと責めるつもりもない。
トバリは重い口を開いた。
「彼女は運命を変えられるかもしれないと、その巫女を探そうとする。それが次の女王かどうかは分からない。ただ神の目を持つのだから、次代に関してはいつ見つけられてもおかしくないだろう? 推察した私の思惑は、胸の内に秘めておいてくれ」
「承知しております。力のある巫女を探し当てることは、損失にもなりえませんし」
ユウナギは夜が更けるまで考えていた。その巫女は神に導いて頂かなくては会えない未来にいる。都合よく彼女に会えるはずもない、会ったところでそこからこの世に連れてくるというのも、どう頼めというのか、想像できない。
時を戻すなど、信じ難い、強すぎる力だと思う。ただ確かに、現在まで民が女王の神通力を信じ奉るのは、そういった力を誇示した歴代女王の功績によるものが大きい。
本当に生まれ変わりが存在するなら、どういった人物なのだろう。そんな強大な力を持ちながら、普通に暮らしているのだろうか。コツバメのように虐げられていないだろうか。興味本位で会ってみたくはあるのだった。
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