9 / 141
第一章 あなたのそばにいたい
⑦ ちび巫女の機転
しおりを挟む
翌朝、邑人たちがわらわらと中央に集まった。滅多に入れる区域でもないので、観光気分の者も多くいる。
従者らが競走の参加者から集めた人足の数を、木簡に記録する。
すぐさま50名近くの挑戦者が約6刻(3時間)の走路を駆け始めた。いずれも体力自慢の青年らである。
ナツヒのいとこ達が仕事の合間を縫って見物にやってきた。
「お前は走らないのか」
「負けるのがそんなに怖いか。腰抜けめ」
とナツヒを茶化す。
だが彼は、俺が走ったら人足総取りになっちまうだろ、と言い切っていた。
「さぁ! ちびもおなごもこの合戦場に集まれ! 優勝の品は米俵4俵だ!!」
王女の身分を隠し、進行役の明るいお姐さんという役を請け負ったこの日のユウナギは、はりきって仲間を集めにまわった。
子どもでも賞品がもらえるかもと、大人たちは子を連れて寄ってくる。定員の倍ほど集まったので、2回に分けることになった。
「じゃあ賞品は2俵ずつだね」
「私は賞品いらぬから2回とも出るぞ。優勝目指すのじゃ」
「そう。私は最後まで仕切る係りでいくわ。米俵総取りになっちゃうからね」
規則説明もそこそこに、みなで輪になり唄に合わせて踊り始めた。
勝敗はついでのようなもので、大勢で唄い踊るのは何よりも楽しいのだ。
自分より小さい子の手を取り、えいやあこらさと踊るコツバメも年相応に楽しそうで、ユウナギはとても嬉しかった。
その遊戯も滞りなく終わり、こちらでは男子たちの武器武具の体験、あちらでは木箱を積み上げ鬼ごっこ。
大人たちは結局酒を飲み交わし唄い踊り、競走の参加者が戻る頃まで賑やかな時を過ごした。
そして賞品としての人足の分配も終わり、人々は帰路につく。中央の者らは片づけに入った。
一日はしゃいで過ごしたコツバメは、親に手を引かれ帰る子どもたちに向かって手を振り、ずっと彼らの背中を眺めていた。
そこで、そんな彼女を気にかけじっと見ていたユウナギに、ひとりの侍女が声をかける。
「あの、少々よろしいですか?」
ユウナギはうなずいて、隅の方に寄った。
「あちらのお客人の親族を名乗る女性が、彼女を今引き取っている方とお話ししたいと……」
「!?」
コツバメの家族ではと思った。侍女の腕を掴んで迫る。
「どこにいるのその人!?」
「知った者に見られたくないようで、向こうの林に隠れております」
「会うわ」
「ではこちらへ」
広場を出て、農地の向こうの林に向かった。
ユウナギはその間、きっとその女性はあの子の母親で、わが子を恋しく思い連れ戻しに来たのだと期待した。
林の中に入った。あたりは薄暗く、道がよく分からない。
「どこにいるの?」
すぐ後ろを付いてきた侍女に話しかけたその時。
「痛っ!!」
足首に鈍痛が走り、その場に転んだ。
「痛たた……」
足元を手探りすると、強固な縄で捕らわれている。
打った痛みで頭がくらくらとして、事態が理解できない。
見上げるとそこに、短剣を構えた侍女が立ちはだかった。そこでやっと気付いたのだ。
「私を狙う者とは、あなただったのね」
騙されたと知ったが遅かった。下半身に覆い被られ、
「お命頂きます」
と短剣を大きく振りかざした侍女に対し、ユウナギはなすすべもなく目を閉じる。
――――殺される!!
その瞬間、風の音が掠め、
「うっ……ああああ!!!」
と悲鳴が上がった。
ユウナギが驚いて目をばちっと開けたら、短剣がこぼれ落ち、その持ち主が倒れこんできた。
すぐさま女は上半身を起こし、右肩に刺さった矢を抜こうとする。
「そこまでじゃ」
その声にユウナギは、コツバメとナツヒが配下数名を連れてやって来たのを理解した。
「北方からの間者じゃな。大人しく捕えられ、すべて白状せよ。処罰はその後じゃ」
この時のコツバメには、何かが憑依しているように、ナツヒには見えていた。
その何かとは、一瞬、女神のようにも思えた。本人が話していた前世の姿なのだろうか。
この間にいち早くユウナギを助けようと、地面を確認しながらナツヒは彼女に近寄った。
「大丈夫か?」
そしてその足元を確認するため、配下に松明を寄せるよう叫ぶ。
「だい、じょう……ぶ。……きゃあああ!」
この隙に、落ちた短剣を拾った女がすかさず首を切り、果てたのだった。
「……徹底した間者じゃの」
「情報は漏らすべからず、ということか」
ナツヒはユウナギの足に絡まった縄を、拾った血まみれの短剣で切り刻んだ。
そしてまだ何も言えず、青ざめているだけの彼女を抱き上げる。
配下がそれぞれの松明を灯すと、周りは用意された罠だらけだった。
屋敷に戻り、足の手当てが済んだユウナギは、兄トバリの執務室にいた。
心細い時、悔しい時は、心を穏やかにするために彼が必要なのだ。
何を話すでもなく、ただ隣にいるだけでいいので、トバリは書写をしていた。
そこにコツバメがやってくる。
「落ち着いたか?」
「ええ。今日はあなたのおかげで助かった。でも、どうして」
「おぬしがあの者とあの場にいるとなぜ分かったか? それとも、あの女がおぬしを狙う者だとなぜ分かったか?」
「両方」
コツバメは、仕方ない話してやろうといった顔。
「もし、おぬしを狙う者が兄者の言っておった国からの間者だとしたら……やはり侍女に紛れるのだろうと思った」
「確かに怪しい男が私の周りをうろついたら、即、串刺しにしかねない人がそばにいるわ」
「なので、試しにやってみようと……虎と狼の布を用意し、侍女全員あの箱に座らせるよう誘導した」
あの遊戯の予行に侍女を使おうと言ったのは、そういえば彼女だった。
「正直それほど期待はしておらなんだが、意外と分かりやすくてな。あの女……狼の箱に座ろうとして不自然だったのじゃ。どうしても虎を尻で踏んづけるわけにはいかなかったんじゃろうな」
「もし彼女がすぐに敗退していたら……?」
コツバメはユウナギの顔を下から覗き込んだ。
人とはたいてい負けず嫌いなものじゃ。遊びであってもな。と前置きし。
「奴は最後の方まで残っていたじゃろ? なんでか分かるか? 多少調節して周っていたようだし、箱と箱の間に立っていても迷いが生じないから早く動けたのじゃ」
「なるほど」
「そして箱が少なくなった時、狼に座れず立ちぼうけておってのう。こうなれば、分かる者には分かる」
さらにその後の行動を述べる。
「予行の後、奴はコソコソとこの敷地を出た。敷地内では注意深くしておったが、出た後は林へ一直線に駆けて行きよった。私も林の入口までは追ったが、わざわざ危険を冒して入らなくても、何か企てていることは分かったので、戻って兄者に見張りを用意しておくよう言っておいた」
「ナツヒじゃなくて兄様?」
「弟は話したらその場で殺してしまうやもと思うてな」
本人が耳にしたら、そこまで直情型じゃねえよ! って怒りそうだなぁと、思い浮かべた。
「あの侍女は1年以上前からここで働いていたはず……」
ユウナギは悲しくなった。
「昨日今日始まった戦ではないということじゃ。これから本格化するかもしれぬ。じゃがとりあえず、もうよそ者の気配は感じられぬ。安心せよ」
「私の力不足です」
静かに書写を続けていたトバリが口を開いた。
「兄様のせいじゃないわ」
「ならば、私は兄者と約束したとおり、家に帰るのじゃ」
「え?」
「布を用意した時、これが上手くいったら私を家に帰せと兄者に話した。承知したよの?」
「ええ。明朝、馬車を用意しましょう」
「ちょっと待って。帰ったら……」
コツバメはその小さな手をユウナギの口に当てて、言葉を遮った。
「私も母上のそばにいたいのじゃ」
微笑んでいるのに寂しげな彼女の表情。それは今日あの親子たちを、手を振って見送っていた時と同じものだと気付く。
「……何かあったら必ず私に連絡して。今後は何も偽らないで。そして時々ここに遊びに来て! 約束してくれるなら……」
しぶしぶ、といった顔で少女を見つめた。
「もちろん」
年相応の、可愛らしい笑顔を返された。
明朝まだ薄暗い頃、ユウナギとナツヒに見送られ少女は邑に帰っていった。
馬車に乗り込む時、
「ちょいと耳を貸せ」
と言い、彼女はユウナギにこそこそと何やらを話した。
従者らが競走の参加者から集めた人足の数を、木簡に記録する。
すぐさま50名近くの挑戦者が約6刻(3時間)の走路を駆け始めた。いずれも体力自慢の青年らである。
ナツヒのいとこ達が仕事の合間を縫って見物にやってきた。
「お前は走らないのか」
「負けるのがそんなに怖いか。腰抜けめ」
とナツヒを茶化す。
だが彼は、俺が走ったら人足総取りになっちまうだろ、と言い切っていた。
「さぁ! ちびもおなごもこの合戦場に集まれ! 優勝の品は米俵4俵だ!!」
王女の身分を隠し、進行役の明るいお姐さんという役を請け負ったこの日のユウナギは、はりきって仲間を集めにまわった。
子どもでも賞品がもらえるかもと、大人たちは子を連れて寄ってくる。定員の倍ほど集まったので、2回に分けることになった。
「じゃあ賞品は2俵ずつだね」
「私は賞品いらぬから2回とも出るぞ。優勝目指すのじゃ」
「そう。私は最後まで仕切る係りでいくわ。米俵総取りになっちゃうからね」
規則説明もそこそこに、みなで輪になり唄に合わせて踊り始めた。
勝敗はついでのようなもので、大勢で唄い踊るのは何よりも楽しいのだ。
自分より小さい子の手を取り、えいやあこらさと踊るコツバメも年相応に楽しそうで、ユウナギはとても嬉しかった。
その遊戯も滞りなく終わり、こちらでは男子たちの武器武具の体験、あちらでは木箱を積み上げ鬼ごっこ。
大人たちは結局酒を飲み交わし唄い踊り、競走の参加者が戻る頃まで賑やかな時を過ごした。
そして賞品としての人足の分配も終わり、人々は帰路につく。中央の者らは片づけに入った。
一日はしゃいで過ごしたコツバメは、親に手を引かれ帰る子どもたちに向かって手を振り、ずっと彼らの背中を眺めていた。
そこで、そんな彼女を気にかけじっと見ていたユウナギに、ひとりの侍女が声をかける。
「あの、少々よろしいですか?」
ユウナギはうなずいて、隅の方に寄った。
「あちらのお客人の親族を名乗る女性が、彼女を今引き取っている方とお話ししたいと……」
「!?」
コツバメの家族ではと思った。侍女の腕を掴んで迫る。
「どこにいるのその人!?」
「知った者に見られたくないようで、向こうの林に隠れております」
「会うわ」
「ではこちらへ」
広場を出て、農地の向こうの林に向かった。
ユウナギはその間、きっとその女性はあの子の母親で、わが子を恋しく思い連れ戻しに来たのだと期待した。
林の中に入った。あたりは薄暗く、道がよく分からない。
「どこにいるの?」
すぐ後ろを付いてきた侍女に話しかけたその時。
「痛っ!!」
足首に鈍痛が走り、その場に転んだ。
「痛たた……」
足元を手探りすると、強固な縄で捕らわれている。
打った痛みで頭がくらくらとして、事態が理解できない。
見上げるとそこに、短剣を構えた侍女が立ちはだかった。そこでやっと気付いたのだ。
「私を狙う者とは、あなただったのね」
騙されたと知ったが遅かった。下半身に覆い被られ、
「お命頂きます」
と短剣を大きく振りかざした侍女に対し、ユウナギはなすすべもなく目を閉じる。
――――殺される!!
その瞬間、風の音が掠め、
「うっ……ああああ!!!」
と悲鳴が上がった。
ユウナギが驚いて目をばちっと開けたら、短剣がこぼれ落ち、その持ち主が倒れこんできた。
すぐさま女は上半身を起こし、右肩に刺さった矢を抜こうとする。
「そこまでじゃ」
その声にユウナギは、コツバメとナツヒが配下数名を連れてやって来たのを理解した。
「北方からの間者じゃな。大人しく捕えられ、すべて白状せよ。処罰はその後じゃ」
この時のコツバメには、何かが憑依しているように、ナツヒには見えていた。
その何かとは、一瞬、女神のようにも思えた。本人が話していた前世の姿なのだろうか。
この間にいち早くユウナギを助けようと、地面を確認しながらナツヒは彼女に近寄った。
「大丈夫か?」
そしてその足元を確認するため、配下に松明を寄せるよう叫ぶ。
「だい、じょう……ぶ。……きゃあああ!」
この隙に、落ちた短剣を拾った女がすかさず首を切り、果てたのだった。
「……徹底した間者じゃの」
「情報は漏らすべからず、ということか」
ナツヒはユウナギの足に絡まった縄を、拾った血まみれの短剣で切り刻んだ。
そしてまだ何も言えず、青ざめているだけの彼女を抱き上げる。
配下がそれぞれの松明を灯すと、周りは用意された罠だらけだった。
屋敷に戻り、足の手当てが済んだユウナギは、兄トバリの執務室にいた。
心細い時、悔しい時は、心を穏やかにするために彼が必要なのだ。
何を話すでもなく、ただ隣にいるだけでいいので、トバリは書写をしていた。
そこにコツバメがやってくる。
「落ち着いたか?」
「ええ。今日はあなたのおかげで助かった。でも、どうして」
「おぬしがあの者とあの場にいるとなぜ分かったか? それとも、あの女がおぬしを狙う者だとなぜ分かったか?」
「両方」
コツバメは、仕方ない話してやろうといった顔。
「もし、おぬしを狙う者が兄者の言っておった国からの間者だとしたら……やはり侍女に紛れるのだろうと思った」
「確かに怪しい男が私の周りをうろついたら、即、串刺しにしかねない人がそばにいるわ」
「なので、試しにやってみようと……虎と狼の布を用意し、侍女全員あの箱に座らせるよう誘導した」
あの遊戯の予行に侍女を使おうと言ったのは、そういえば彼女だった。
「正直それほど期待はしておらなんだが、意外と分かりやすくてな。あの女……狼の箱に座ろうとして不自然だったのじゃ。どうしても虎を尻で踏んづけるわけにはいかなかったんじゃろうな」
「もし彼女がすぐに敗退していたら……?」
コツバメはユウナギの顔を下から覗き込んだ。
人とはたいてい負けず嫌いなものじゃ。遊びであってもな。と前置きし。
「奴は最後の方まで残っていたじゃろ? なんでか分かるか? 多少調節して周っていたようだし、箱と箱の間に立っていても迷いが生じないから早く動けたのじゃ」
「なるほど」
「そして箱が少なくなった時、狼に座れず立ちぼうけておってのう。こうなれば、分かる者には分かる」
さらにその後の行動を述べる。
「予行の後、奴はコソコソとこの敷地を出た。敷地内では注意深くしておったが、出た後は林へ一直線に駆けて行きよった。私も林の入口までは追ったが、わざわざ危険を冒して入らなくても、何か企てていることは分かったので、戻って兄者に見張りを用意しておくよう言っておいた」
「ナツヒじゃなくて兄様?」
「弟は話したらその場で殺してしまうやもと思うてな」
本人が耳にしたら、そこまで直情型じゃねえよ! って怒りそうだなぁと、思い浮かべた。
「あの侍女は1年以上前からここで働いていたはず……」
ユウナギは悲しくなった。
「昨日今日始まった戦ではないということじゃ。これから本格化するかもしれぬ。じゃがとりあえず、もうよそ者の気配は感じられぬ。安心せよ」
「私の力不足です」
静かに書写を続けていたトバリが口を開いた。
「兄様のせいじゃないわ」
「ならば、私は兄者と約束したとおり、家に帰るのじゃ」
「え?」
「布を用意した時、これが上手くいったら私を家に帰せと兄者に話した。承知したよの?」
「ええ。明朝、馬車を用意しましょう」
「ちょっと待って。帰ったら……」
コツバメはその小さな手をユウナギの口に当てて、言葉を遮った。
「私も母上のそばにいたいのじゃ」
微笑んでいるのに寂しげな彼女の表情。それは今日あの親子たちを、手を振って見送っていた時と同じものだと気付く。
「……何かあったら必ず私に連絡して。今後は何も偽らないで。そして時々ここに遊びに来て! 約束してくれるなら……」
しぶしぶ、といった顔で少女を見つめた。
「もちろん」
年相応の、可愛らしい笑顔を返された。
明朝まだ薄暗い頃、ユウナギとナツヒに見送られ少女は邑に帰っていった。
馬車に乗り込む時、
「ちょいと耳を貸せ」
と言い、彼女はユウナギにこそこそと何やらを話した。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる