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第4章《旅立ち~獣人国ガルヴィオ》編
第145話 交渉成立
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「お前はなんでそこまでして俺たちの仲間になろうとする?」
「ん、まあ飽きたのもあるし、国王のやっていることの意味も分からんし、事が全て終わったら、今度は俺が狙われそうだしなぁ。それに……お前らといるほうが面白そうだし」
ハハと笑いながら言った。
「どうする?」
イーザンが全員の顔を見渡し聞いた。
「ルーサはどうしたい?」
ディノが真面目な顔で聞く。
リラーナもイーザンも同様に私の顔を見詰めている。
私はどうしたいんだろう。この人のことを信用出来るかと言われたら、まだ完全には信用出来ていない気はする。
でも先程聞いた国王の話、雇われて私を見張っていたということは聞かせてもらえて良かったと思っている。
お父様とお母様が自分から爵位返上した訳ではないということが分かったのだから。
神殿に連れて行かれたということも分かった。やはりお母様は聖女で結界の守護のために神殿に向かったんだ。
そして国王がなぜか強制的に爵位返上を……。その理由を知るためにも、証拠を持つ彼といるほうが有難いかもしれない……。
「私は……彼と仲間になっても良い」
「ルーサ! 本当に良いの!?」
「うん、だって彼の持つ国王の言葉の証拠は強みになる」
「確かにな」
「私も同意見だ。この男を受け入れずとも、結局見張りは続くだろう。この男ではない者が来る可能性もある。それならばお互い事情が分かった今、この男が裏切らないよう見張るほうが早い」
イーザンの言葉に全員が頷く。
「なにか変な行動を起こしたら、俺が消し炭にしてやる」
突然ルギニアスがそう宣言した。全員がルギニアスに釘付けになり固まる。
「あー、確かにドラゴンを倒したのはルギニアスだったよな。そんなやつが傍にいるんだから、ルーサの身は安心だよな」
ディノがハハと笑った。イーザンはなにも言わないが、ジッとルギニアスを見詰めている。
リラーナといえば……めちゃくちゃ驚いた顔。あ、しまった。リラーナはルギニアスがドラゴンを倒したということは知らないんだった。
「あ、リラーナ? えっと、ルギニアスは……」
そのときひょいっと男が覗き込んだ。
「あー、そのちびっこいやつ、確かでかくなるんだよな? なんか訳分からん力を持ってるんだっけか?」
ギョッとしガバッと振り向く。
「な、なんで……って、あのときも傍にいたのね?」
「そりゃ、まあね」
ハハ、と男は笑う。
あのときは魔石の精製に必死で周りの気配なんて探ってなかったしな……。見られてたのね……。
「なら、話は早い」
ルギニアスはそう言うと風を巻き上げ大きくなった。
そして男に向かいつかつかと歩き出すと目の前まで行った。そして男をジロリと見下ろすと、
「なにか余計なことをしてみろ、跡形残らず消してやる」
ルギニアスは手に魔力を込めると、発現こそはしないが、とてつもない魔力が渦巻き、手が揺らいで見えた。
「お、おいおい、俺は仲間になるって言ってるんだから信じろよ。裏切ったりしない」
飄々としていた男もさすがにルギニアスの魔力に顔が引き攣り後退る。
「ルギニアス、ありがとう」
ルギニアスの傍へと向かい、冷たい目で男を見下ろしていたルギニアスの腕をそっと掴んだ。
そして横に並ぶとそれに反応するようにルギニアスは手に込めていた魔力を収めた。
それにホッとし、男に向き直る。
「ルギニアスのことを国王陛下に報告してないでしょうね?」
じろりと睨むように男を見据え聞いた。
「そんな面倒なことするか。こんなややこしそうなやつ報告したら、なんか面倒なことになりそうだしな。俺が請け負ったのはあんたの報告だけだ」
嫌そうな顔をしながら両手をひらひらさせている。一応そこは信じても良さそうね。
「今後国王陛下に連絡をするときは私たちに必ず報告をして」
「あ、あぁ。それは必ず約束する」
その返事を聞き、にこりと手を差し出した。
「これからよろしくね、あなたの名前は?」
たじろいでいた男はようやく受け入れた私たちに安堵したのか、ホッとしたような表情となり、手を差し出し私の手を握った。
「オキと呼んでくれ」
おそらく偽名なのだろう。それでも今はまだそれで良い。
私たちはオキと行動を共にすることを選んだ。
「それで、どうやったらガルヴィオの船に乗れるの?」
オキは私たちを見るとニッと笑った。
「ん、まあ飽きたのもあるし、国王のやっていることの意味も分からんし、事が全て終わったら、今度は俺が狙われそうだしなぁ。それに……お前らといるほうが面白そうだし」
ハハと笑いながら言った。
「どうする?」
イーザンが全員の顔を見渡し聞いた。
「ルーサはどうしたい?」
ディノが真面目な顔で聞く。
リラーナもイーザンも同様に私の顔を見詰めている。
私はどうしたいんだろう。この人のことを信用出来るかと言われたら、まだ完全には信用出来ていない気はする。
でも先程聞いた国王の話、雇われて私を見張っていたということは聞かせてもらえて良かったと思っている。
お父様とお母様が自分から爵位返上した訳ではないということが分かったのだから。
神殿に連れて行かれたということも分かった。やはりお母様は聖女で結界の守護のために神殿に向かったんだ。
そして国王がなぜか強制的に爵位返上を……。その理由を知るためにも、証拠を持つ彼といるほうが有難いかもしれない……。
「私は……彼と仲間になっても良い」
「ルーサ! 本当に良いの!?」
「うん、だって彼の持つ国王の言葉の証拠は強みになる」
「確かにな」
「私も同意見だ。この男を受け入れずとも、結局見張りは続くだろう。この男ではない者が来る可能性もある。それならばお互い事情が分かった今、この男が裏切らないよう見張るほうが早い」
イーザンの言葉に全員が頷く。
「なにか変な行動を起こしたら、俺が消し炭にしてやる」
突然ルギニアスがそう宣言した。全員がルギニアスに釘付けになり固まる。
「あー、確かにドラゴンを倒したのはルギニアスだったよな。そんなやつが傍にいるんだから、ルーサの身は安心だよな」
ディノがハハと笑った。イーザンはなにも言わないが、ジッとルギニアスを見詰めている。
リラーナといえば……めちゃくちゃ驚いた顔。あ、しまった。リラーナはルギニアスがドラゴンを倒したということは知らないんだった。
「あ、リラーナ? えっと、ルギニアスは……」
そのときひょいっと男が覗き込んだ。
「あー、そのちびっこいやつ、確かでかくなるんだよな? なんか訳分からん力を持ってるんだっけか?」
ギョッとしガバッと振り向く。
「な、なんで……って、あのときも傍にいたのね?」
「そりゃ、まあね」
ハハ、と男は笑う。
あのときは魔石の精製に必死で周りの気配なんて探ってなかったしな……。見られてたのね……。
「なら、話は早い」
ルギニアスはそう言うと風を巻き上げ大きくなった。
そして男に向かいつかつかと歩き出すと目の前まで行った。そして男をジロリと見下ろすと、
「なにか余計なことをしてみろ、跡形残らず消してやる」
ルギニアスは手に魔力を込めると、発現こそはしないが、とてつもない魔力が渦巻き、手が揺らいで見えた。
「お、おいおい、俺は仲間になるって言ってるんだから信じろよ。裏切ったりしない」
飄々としていた男もさすがにルギニアスの魔力に顔が引き攣り後退る。
「ルギニアス、ありがとう」
ルギニアスの傍へと向かい、冷たい目で男を見下ろしていたルギニアスの腕をそっと掴んだ。
そして横に並ぶとそれに反応するようにルギニアスは手に込めていた魔力を収めた。
それにホッとし、男に向き直る。
「ルギニアスのことを国王陛下に報告してないでしょうね?」
じろりと睨むように男を見据え聞いた。
「そんな面倒なことするか。こんなややこしそうなやつ報告したら、なんか面倒なことになりそうだしな。俺が請け負ったのはあんたの報告だけだ」
嫌そうな顔をしながら両手をひらひらさせている。一応そこは信じても良さそうね。
「今後国王陛下に連絡をするときは私たちに必ず報告をして」
「あ、あぁ。それは必ず約束する」
その返事を聞き、にこりと手を差し出した。
「これからよろしくね、あなたの名前は?」
たじろいでいた男はようやく受け入れた私たちに安堵したのか、ホッとしたような表情となり、手を差し出し私の手を握った。
「オキと呼んでくれ」
おそらく偽名なのだろう。それでも今はまだそれで良い。
私たちはオキと行動を共にすることを選んだ。
「それで、どうやったらガルヴィオの船に乗れるの?」
オキは私たちを見るとニッと笑った。
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