126 / 136
カナデ編
第二十八話 光る石
しおりを挟む
大量の肉や野菜を次々に焼いてくれる一哉さんはコンロの横で椅子に座りながらのんびり飲んだり食べたり。その横に洸樹さんも椅子を並べ、一哉さんと楽しそうに談笑している。
フフ、嬉しいな。
直之さんと希実夏さんも飲みながら何やら楽しそうに盛り上がっています。
皆さんお酒が入っているので、とても賑やかで楽しそう。
蒼汰さんはというとあまりお酒は飲めないと言っていただけあって、食事に徹しているようです。私と一緒ですね。
チーズフォンデュもアヒージョもとても美味しく、お肉も希実夏さんが奮発したと言っていただけあって、とても柔らかく美味しいお肉でした。
お腹も満たされてきて、のんびりとしていると蒼汰さんがこっそりと話しかけてきた。
な、何かしら……。
「ねえ、水嶌さん、さっきの御神木にもう一度行ってみない?」
「え? 今からですか?」
「うん、夜だとまた違う発見があるかも、と思って」
辺りはすっかり日も暮れて真っ暗だ。
ちらりと御神木へと続く階段を見ると、灯りもなく真っ暗闇。こ、怖いです……。
ちょっと引いてしまったことに気付いた蒼汰さんは慌てて付け足す。
「あ、怖かったら無理には良いんだけど、一応懐中電灯もあるし! 絶対危ない目には合わせないし!」
焦ったような顔でそう言う蒼汰さんは少し上目遣いに「どうかな?」と呟いた。
か、可愛いです……、その顔は狡いです……。
怖いのは事実なのでどうしようか迷ったが、あの御神木が気になる気持ちは分かる。
「分かりました、ご一緒します」
「本当に!? ありがとう!!」
蒼汰さんは満面の笑みになり、勢い良く立ち上がった。
皆さん、談笑中で私と蒼汰さんが立ち上がって離れて行くのに気付いていない。蒼汰さんと顔を見合わせ、まあ良いか、と誰に断るでもなく御神木へと向かった。
御神木へと昇る階段は真っ暗闇。蒼汰さんが懐中電灯で足元を照らしてくれる。
そして私に向かい蒼汰さんが手を差し出す。
「暗くて足元危ないから手を……、あ! 嫌だったら僕の腕でも掴んでくれたら!」
差し出された手を見て驚いた顔をしてしまったようで、蒼汰さんが慌てて手を引っ込めた。
あわわ、手……、確かに手の方が安心感が……、でも、蒼汰さんと手を繋ぐ……、は、恥ずかしいです……、いえ、でも「リディア」でいたときに男性からエスコートをされたり、ダンスをしたりで、手を繋ぐのには慣れているはず! はず……よね?
「あ、あの、蒼汰さんがお嫌でなければ、手を……お願いします……」
「あ、あぁ、うん」
蒼汰さんは再び手を差し出し、おずおずとその手に重ねる。私のひんやりした手と違い、温かい蒼汰さんの手。エスコートとは違い、しっかりと握られ、蒼汰さんは足元を懐中電灯で照らしながら階段をゆっくりと昇って行く。
足元しか灯りがなく、目の前には蒼汰さんの背中。そしてしっかりと握られた手。私よりも温かく大きなしっかりとした手。男性の手。そのことにドキリとした。
ど、どうしよう、変な汗が……。手に意識が行き過ぎて、凄く手汗をかいている気がするわ。どうしよう、蒼汰さんを不快にさせてしまったら……。
エスコートと違ってしっかりと握られているということが、こんなにも恥ずかしいことだったなんて。あぁ、ど、どうしよう……ドキドキしてしまう……。
一人で意識して一人で悶々としている間に御神木のある広場へと着いた。
御神木のあるこの広場も真っ暗闇。
すると懐中電灯の灯りが消え、何の灯りもなく本当に真っ暗闇に。
「え!? そ、蒼汰さん!!」
突然全ての灯りがなくなったことが怖くなり、繋いだ手だけを頼りに蒼汰さんへと寄り添った。
「大丈夫、僕が灯りを消しただけ。空を見てごらんよ」
蒼汰さんは私を安心させるためか、繋いでいた手に力を込め強く握った。
「空……」
真っ暗闇の中、空を見上げるとそこには……。
「!! 綺麗!!」
まさに星が降るとはこのことか、というくらいの満天の星。
なんて美しいんだろう。言葉にならなかった。
御神木を中心に木々は全くなく広場になっているため、まるでプラネタリウムにいるような空一面の星空。
こんなに美しい星空は見たことがなかった。「リディア」のときにも「カナデ」の記憶にも。
あまりの感動にちょっと泣いてしまいそう。あぁ、こんな素敵な経験が出来るなんて。
「蒼汰さん、ありがとうございます。こんな素敵な星空を見せていただいて」
声が震えた。
暗くて蒼汰さんの表情は分かりづらいが、微笑んでいる気がした。
「喜んでもらえて良かった。ここで見る星空は凄く綺麗だったから、きっと水嶌さんは喜ぶだろうな、と思って」
「ありがとうございます」
蒼汰さんの優しさに胸が詰まり、ちょっと涙ぐんでしまいました。
「あ! でも、皆さんは良かったのですか!?」
私だけこんな素敵な景色を見させていただいて、皆さんも見たいのでは!?
「あー、多分大丈夫。真崎さんは何度か来てるし、他のみんなもお酒飲んでるからこの階段危ないしね」
「あ……」
なるほど、お酒ですか……、確かにあの暗闇の中の階段は危ないですね。
「私だけなんだか得してしまったようで、申し訳ないです」
「ハハ、良いじゃない、真面目にイセケンしている僕らだけの特権だよ。二人の秘密ってことで」
蒼汰さんはそう言って笑った。
フフ、ちょっと特別扱いしていただいているようで嬉しくなってしまう。
蒼汰さんと手を繋いだまま、御神木へと歩みを進める。御神木へ近付くにつれ、何だかやはり不思議な気配を感じた。
昼間は感じるのやら感じないのやら、はっきりと分からなかった不思議な感覚が、今ははっきりと感じる。なぜかしら。
蒼汰さんも何か感じたのか、握る手に力がこもった。
「水嶌さん、何か感じる?」
「はい、昼間よりもはっきりと」
「だよね、何だろう、この感じ」
すると御神木の幹の根本が薄っすらと光った。
「「?」」
暗闇の中、目が少し慣れて来て、すぐ隣にいる蒼汰さんの顔も少し見えるようになってきた。
二人して顔を見合わせ、改めて御神木の根本に目をやった。
ぼんやりと何かが光っている。
ゆっくりと御神木の根本まで近付くと、光っている元を探した。
暗闇の中ぼんやり光るそれは小さく真っ黒な石だった。
顔を近付けてよく見ようとすると、同じく顔を近付けていた蒼汰さんと頭を思い切りぶつけた。
ゴン! と鈍い音がし、二人して座り込んで頭を抱える。そして二人で顔を見合わせると、思わず吹き出した。
「ブフッ! アハハ! ごめん、水嶌さん、大丈夫?」
「アハハ、すいません、大丈夫です。蒼汰さんも大丈夫ですか?」
「ハハ、水嶌さんがそうやって笑うの初めて見た」
「え?」
声を上げて笑う……、そういえば初めてかもしれない。「リディア」のときは声を上げて笑うなんてことは絶対にしない。「カナデ」になってからも、そのときの意識が強いからか、なかなか声を上げて笑うなんてことはなかったように思う。
「へ、変ですか?」
「え? なんで? 全然変じゃないよ? 可愛いよ?」
「え! か、可愛い……」
「あ、いや、その、えーっと」
急に可愛いと言われ固まってしまい、そのことに焦った蒼汰さんがしどろもどろです。
その姿がおかしくて、でも少し恥ずかしくて、何だかそわそわふわふわと落ち着かない。
「いや、うん、可愛いよ!」
蒼汰さんが意を決したように言い切った。
「あ、ありがとうございます」
恥ずかしく、きっと頬は赤く染まっているのだろう、暗闇で良かったと心から思ったのだった。
二人で顔を見合わせ笑った。あぁ、何だか幸せな時間。
そして再び光るそれに目をやった。
「石?」
蒼汰さんは注意深くそれに触り、何も起こらないことを確認すると掌に取った。
蒼汰さんの掌に乗ったその石は、直径一センチほどの小石。それがぼんやり青白く光っていた。
「な、なんですかね、これ」
「うーん、明らかにただの石じゃないよね」
悩んだところで答えが出るでもないため、蒼汰さんはハンカチにそれを包み、持ち帰って調べることにしたようだ。
他に色々見て回っても何も見付からず、最後にもう一度星空を堪能し、私たちは御神木を後にした。
戻るとまだ皆さん酔っ払い中です。
直之さんが私と蒼汰さんに気付き、慌ててこちらに向かってやって来ました。
「だあ!!」
いきなり叫ばれたかと思うと思い切り手刀で私と蒼汰さんの間をビシッと……。
あ!! あぁ!! て、手を繋いだままでした!! 急激に恥ずかしくなり、顔が火照ります。
「蒼汰!! なに奏ちゃんと手繋いでんだよ!!」
「え、あ、いや! ちょっと……」
その声に他の皆さんからも注目が……、は、恥ずかしい……、よ、良かった、他の皆さんには見られなくて……。
蒼汰さんが必死に直之さんを宥めてます……。あわわ。
フフ、嬉しいな。
直之さんと希実夏さんも飲みながら何やら楽しそうに盛り上がっています。
皆さんお酒が入っているので、とても賑やかで楽しそう。
蒼汰さんはというとあまりお酒は飲めないと言っていただけあって、食事に徹しているようです。私と一緒ですね。
チーズフォンデュもアヒージョもとても美味しく、お肉も希実夏さんが奮発したと言っていただけあって、とても柔らかく美味しいお肉でした。
お腹も満たされてきて、のんびりとしていると蒼汰さんがこっそりと話しかけてきた。
な、何かしら……。
「ねえ、水嶌さん、さっきの御神木にもう一度行ってみない?」
「え? 今からですか?」
「うん、夜だとまた違う発見があるかも、と思って」
辺りはすっかり日も暮れて真っ暗だ。
ちらりと御神木へと続く階段を見ると、灯りもなく真っ暗闇。こ、怖いです……。
ちょっと引いてしまったことに気付いた蒼汰さんは慌てて付け足す。
「あ、怖かったら無理には良いんだけど、一応懐中電灯もあるし! 絶対危ない目には合わせないし!」
焦ったような顔でそう言う蒼汰さんは少し上目遣いに「どうかな?」と呟いた。
か、可愛いです……、その顔は狡いです……。
怖いのは事実なのでどうしようか迷ったが、あの御神木が気になる気持ちは分かる。
「分かりました、ご一緒します」
「本当に!? ありがとう!!」
蒼汰さんは満面の笑みになり、勢い良く立ち上がった。
皆さん、談笑中で私と蒼汰さんが立ち上がって離れて行くのに気付いていない。蒼汰さんと顔を見合わせ、まあ良いか、と誰に断るでもなく御神木へと向かった。
御神木へと昇る階段は真っ暗闇。蒼汰さんが懐中電灯で足元を照らしてくれる。
そして私に向かい蒼汰さんが手を差し出す。
「暗くて足元危ないから手を……、あ! 嫌だったら僕の腕でも掴んでくれたら!」
差し出された手を見て驚いた顔をしてしまったようで、蒼汰さんが慌てて手を引っ込めた。
あわわ、手……、確かに手の方が安心感が……、でも、蒼汰さんと手を繋ぐ……、は、恥ずかしいです……、いえ、でも「リディア」でいたときに男性からエスコートをされたり、ダンスをしたりで、手を繋ぐのには慣れているはず! はず……よね?
「あ、あの、蒼汰さんがお嫌でなければ、手を……お願いします……」
「あ、あぁ、うん」
蒼汰さんは再び手を差し出し、おずおずとその手に重ねる。私のひんやりした手と違い、温かい蒼汰さんの手。エスコートとは違い、しっかりと握られ、蒼汰さんは足元を懐中電灯で照らしながら階段をゆっくりと昇って行く。
足元しか灯りがなく、目の前には蒼汰さんの背中。そしてしっかりと握られた手。私よりも温かく大きなしっかりとした手。男性の手。そのことにドキリとした。
ど、どうしよう、変な汗が……。手に意識が行き過ぎて、凄く手汗をかいている気がするわ。どうしよう、蒼汰さんを不快にさせてしまったら……。
エスコートと違ってしっかりと握られているということが、こんなにも恥ずかしいことだったなんて。あぁ、ど、どうしよう……ドキドキしてしまう……。
一人で意識して一人で悶々としている間に御神木のある広場へと着いた。
御神木のあるこの広場も真っ暗闇。
すると懐中電灯の灯りが消え、何の灯りもなく本当に真っ暗闇に。
「え!? そ、蒼汰さん!!」
突然全ての灯りがなくなったことが怖くなり、繋いだ手だけを頼りに蒼汰さんへと寄り添った。
「大丈夫、僕が灯りを消しただけ。空を見てごらんよ」
蒼汰さんは私を安心させるためか、繋いでいた手に力を込め強く握った。
「空……」
真っ暗闇の中、空を見上げるとそこには……。
「!! 綺麗!!」
まさに星が降るとはこのことか、というくらいの満天の星。
なんて美しいんだろう。言葉にならなかった。
御神木を中心に木々は全くなく広場になっているため、まるでプラネタリウムにいるような空一面の星空。
こんなに美しい星空は見たことがなかった。「リディア」のときにも「カナデ」の記憶にも。
あまりの感動にちょっと泣いてしまいそう。あぁ、こんな素敵な経験が出来るなんて。
「蒼汰さん、ありがとうございます。こんな素敵な星空を見せていただいて」
声が震えた。
暗くて蒼汰さんの表情は分かりづらいが、微笑んでいる気がした。
「喜んでもらえて良かった。ここで見る星空は凄く綺麗だったから、きっと水嶌さんは喜ぶだろうな、と思って」
「ありがとうございます」
蒼汰さんの優しさに胸が詰まり、ちょっと涙ぐんでしまいました。
「あ! でも、皆さんは良かったのですか!?」
私だけこんな素敵な景色を見させていただいて、皆さんも見たいのでは!?
「あー、多分大丈夫。真崎さんは何度か来てるし、他のみんなもお酒飲んでるからこの階段危ないしね」
「あ……」
なるほど、お酒ですか……、確かにあの暗闇の中の階段は危ないですね。
「私だけなんだか得してしまったようで、申し訳ないです」
「ハハ、良いじゃない、真面目にイセケンしている僕らだけの特権だよ。二人の秘密ってことで」
蒼汰さんはそう言って笑った。
フフ、ちょっと特別扱いしていただいているようで嬉しくなってしまう。
蒼汰さんと手を繋いだまま、御神木へと歩みを進める。御神木へ近付くにつれ、何だかやはり不思議な気配を感じた。
昼間は感じるのやら感じないのやら、はっきりと分からなかった不思議な感覚が、今ははっきりと感じる。なぜかしら。
蒼汰さんも何か感じたのか、握る手に力がこもった。
「水嶌さん、何か感じる?」
「はい、昼間よりもはっきりと」
「だよね、何だろう、この感じ」
すると御神木の幹の根本が薄っすらと光った。
「「?」」
暗闇の中、目が少し慣れて来て、すぐ隣にいる蒼汰さんの顔も少し見えるようになってきた。
二人して顔を見合わせ、改めて御神木の根本に目をやった。
ぼんやりと何かが光っている。
ゆっくりと御神木の根本まで近付くと、光っている元を探した。
暗闇の中ぼんやり光るそれは小さく真っ黒な石だった。
顔を近付けてよく見ようとすると、同じく顔を近付けていた蒼汰さんと頭を思い切りぶつけた。
ゴン! と鈍い音がし、二人して座り込んで頭を抱える。そして二人で顔を見合わせると、思わず吹き出した。
「ブフッ! アハハ! ごめん、水嶌さん、大丈夫?」
「アハハ、すいません、大丈夫です。蒼汰さんも大丈夫ですか?」
「ハハ、水嶌さんがそうやって笑うの初めて見た」
「え?」
声を上げて笑う……、そういえば初めてかもしれない。「リディア」のときは声を上げて笑うなんてことは絶対にしない。「カナデ」になってからも、そのときの意識が強いからか、なかなか声を上げて笑うなんてことはなかったように思う。
「へ、変ですか?」
「え? なんで? 全然変じゃないよ? 可愛いよ?」
「え! か、可愛い……」
「あ、いや、その、えーっと」
急に可愛いと言われ固まってしまい、そのことに焦った蒼汰さんがしどろもどろです。
その姿がおかしくて、でも少し恥ずかしくて、何だかそわそわふわふわと落ち着かない。
「いや、うん、可愛いよ!」
蒼汰さんが意を決したように言い切った。
「あ、ありがとうございます」
恥ずかしく、きっと頬は赤く染まっているのだろう、暗闇で良かったと心から思ったのだった。
二人で顔を見合わせ笑った。あぁ、何だか幸せな時間。
そして再び光るそれに目をやった。
「石?」
蒼汰さんは注意深くそれに触り、何も起こらないことを確認すると掌に取った。
蒼汰さんの掌に乗ったその石は、直径一センチほどの小石。それがぼんやり青白く光っていた。
「な、なんですかね、これ」
「うーん、明らかにただの石じゃないよね」
悩んだところで答えが出るでもないため、蒼汰さんはハンカチにそれを包み、持ち帰って調べることにしたようだ。
他に色々見て回っても何も見付からず、最後にもう一度星空を堪能し、私たちは御神木を後にした。
戻るとまだ皆さん酔っ払い中です。
直之さんが私と蒼汰さんに気付き、慌ててこちらに向かってやって来ました。
「だあ!!」
いきなり叫ばれたかと思うと思い切り手刀で私と蒼汰さんの間をビシッと……。
あ!! あぁ!! て、手を繋いだままでした!! 急激に恥ずかしくなり、顔が火照ります。
「蒼汰!! なに奏ちゃんと手繋いでんだよ!!」
「え、あ、いや! ちょっと……」
その声に他の皆さんからも注目が……、は、恥ずかしい……、よ、良かった、他の皆さんには見られなくて……。
蒼汰さんが必死に直之さんを宥めてます……。あわわ。
0
お気に入りに追加
444
あなたにおすすめの小説
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
旦那様は転生者!
初瀬 叶
恋愛
「マイラ!お願いだ、俺を助けてくれ!」
いきなり私の部屋に現れた私の夫。フェルナンド・ジョルジュ王太子殿下。
「俺を助けてくれ!でなければ俺は殺される!」
今の今まで放っておいた名ばかりの妻に、今さら何のご用?
それに殺されるって何の話?
大嫌いな夫を助ける義理などないのだけれど、話を聞けば驚く事ばかり。
へ?転生者?何それ?
で、貴方、本当は誰なの?
※相変わらずのゆるふわ設定です
※中世ヨーロッパ風ではありますが作者の頭の中の異世界のお話となります
※R15は保険です
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。
しげむろ ゆうき
恋愛
男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない
そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった
全五話
※ホラー無し
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
お飾り王妃の受難〜陛下からの溺愛?!ちょっと意味がわからないのですが〜
湊未来
恋愛
王に見捨てられた王妃。それが、貴族社会の認識だった。
二脚並べられた玉座に座る王と王妃は、微笑み合う事も、会話を交わす事もなければ、目を合わす事すらしない。そんな二人の様子に王妃ティアナは、いつしか『お飾り王妃』と呼ばれるようになっていた。
そんな中、暗躍する貴族達。彼らの行動は徐々にエスカレートして行き、王妃が参加する夜会であろうとお構いなしに娘を王に、けしかける。
王の周りに沢山の美しい蝶が群がる様子を見つめ、ティアナは考えていた。
『よっしゃ‼︎ お飾り王妃なら、何したって良いわよね。だって、私の存在は空気みたいなものだから………』
1年後……
王宮で働く侍女達の間で囁かれるある噂。
『王妃の間には恋のキューピッドがいる』
王妃付き侍女の間に届けられる大量の手紙を前に侍女頭は頭を抱えていた。
「ティアナ様!この手紙の山どうするんですか⁈ 流石に、さばききれませんよ‼︎」
「まぁまぁ。そんなに怒らないの。皆様、色々とお悩みがあるようだし、昔も今も恋愛事は有益な情報を得る糧よ。あと、ここでは王妃ティアナではなく新人侍女ティナでしょ」
……あら?
この筆跡、陛下のものではなくって?
まさかね……
一通の手紙から始まる恋物語。いや、違う……
お飾り王妃による無自覚プチざまぁが始まる。
愛しい王妃を前にすると無口になってしまう王と、お飾り王妃と勘違いしたティアナのすれ違いラブコメディ&ミステリー
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる