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本編 リディア編
第三十一話 陛下のお願い!?
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「陛下って……」
これ強制的で断れないやつよね。行くしかないのよね。
あ! 服が!!
自分の格好を見て息が止まった。
「あ、あの、申し訳ありません。少しお時間いただいても大丈夫でしょうか……、あの、着替えを……」
「服装等は気にせず気楽に来て欲しいとのことです」
真面目な顔で淡々と告げられる。
「いや、でも、その……」
いくら気にするな、と言われても、さすがにつなぎはないでしょ!
ルーが苦笑した。
「俺が一緒に連れて行くから、先に戻って良いぞ」
陛下からの呼び出しを伝えた従者にルーは伝えた。さすが王子。助かった!
従者は頷きお辞儀をすると去って行った。
「ルー!! 何!? 何なの!? 陛下からの呼び出しって何!?」
「落ち着け。俺も何かは分からんが、とりあえず急いで着替えろ」
「う、うん……、あっ!!」
「今度は何だ!?」
ルーが驚き聞いた。
「クフルの実……」
「は?」
「ゼロにクフルの実を持って来たのにー!」
「お嬢、それどころじゃ!」
オルガがクフルの入った袋をレニードさんに渡した。
「あぁ、レニードさん、それゼロに……、私があげたかったのにー!!」
涙目でゼロを見た。
『何だかよく分からんが、行かねばならんのだろう?』
「うぅ……、また持って来るからね!」
ゼロは早く行け、とばかりに頭で私の背中を押し促した。
後ろ髪を引かれながら、研究所に戻り着替える。
このワンピースのままで大丈夫なのか、心配になったが、ルーは大丈夫だと言い切って連れて行かれた。
レニードさんは大きな袋を抱えたまま、突然の出来事に呆然としながら見送ったのだった。
「陛下からの呼び出しって何だろう……」
ルーと並び歩きマニカとオルガは後ろを歩く。
不安になり呟いた。
「さあなぁ、俺にも全く分からん」
ルーは考え込むが、やはり全く心当たりはないらしい。
「とりあえず急ぐぞ」
「うん」
さすがに走る訳にはいかないので足早に急ぐ。
「そういえばお菓子作りはどうなってんだ? 進んでるのか?」
「あー、うん、ラニールさんには色々なお菓子を考えてもらってる間に、薬物研究所でお菓子に合いそうなハーブや果実をフィリルさんと選んでたの。それで今日やっと選出が終了して、ラニールさんのところに持って行くつもりだったんだけどね……」
言いながら苦笑した。今日はもう持って行けないかな……。
「あー、なるほどな……、ハハ、まあ父上の話もすぐ終わるかもだしその後行けるんじゃないか?」
ルーは頭をポンと撫でながら言った。
「ルーに励まされてる……」
「な、何だよ!!」
フン、と向こうを向いてしまった。
「フフ、ごめん、ありがとう」
ルーは何も言わず、急ぎ足で前を歩いた。少し耳は赤かったが……。
陛下の執務室とやらに着いたのか、ルーは廊下の一角にある二人の近衛騎士が立つ扉の前で止まった。
どうやらここが陛下の執務室らしい。
「ルシエス殿下、リディア様がお越しです」
近衛の一人が扉を叩き中へ確認を取った。中からは入るよう声がかけられ、近衛騎士が扉を開けた。
ルーが先に入り、その後に続く。
部屋の中を見ると、一番奥に大きな机。そこに陛下がいた。その横にはお父様が立っていた。
そしてその机の前には陛下に向かって立つ人物が二人。
一人はシェスレイト殿下。シェスレイト殿下はチラリとこちらを見ると、いつものように睨んできた。
うん、安定のシェスレイト殿下! 今日も良い睨みです! とか訳分からないことを考えてしまう。
もう一人は……、シェスレイト殿下と同じくらいの背の高さで、この国では珍しい黒髪……、ん? どこかで見たような? ……ん?
「あっ!!」
思わず声を上げそうになり、慌てて口を押さえた。
危ない! もう少しで叫ぶところだった。
黒髪の人。先程、魔獣研究所ですれ違った人。恐らくその人だ。
「おぉ、リディア嬢来てくれたか。ルシエスも。こちらに」
陛下に促され、シェスレイト殿下たちの後ろに並ぶ。
横からチラリと黒髪の人を見ると、やはり先程の人だった。
「急に呼びつけてすまないな。少しだけ時間をくれ」
そう言うと陛下は椅子から立ち上がり、執務室内にある応接の長椅子に促した。
陛下が一つのゆったりとした椅子に腰かけると、陛下の左側の長椅子にシェスレイト殿下はエスコートしてくれた。
陛下に近い方にシェスレイト殿下と向かいにルー。シェスレイト殿下の横には私が座り、向かいには黒髪の人。
そう対面しながら皆が椅子に座った。お父様はやはりぴったりと陛下の横に立っているけど。
「今日来てもらったのは、そこにいる彼を紹介したくてな」
陛下はその黒髪の人を見た。
その人は皆の注目を浴びおどおどとしていた。
「彼はイルグスト・ルーク・ダナンタス。ダナンタス国の第三王子だ」
王子……、男の子だったのね……。背が高いからそうかなぁ、とは思っていたが、何せ可愛い顔、将来はとんでもない美人になりそうだ、というくらいの可愛い顔だったため、女の子かも? という考えもあったのだった。
「彼は第三王子だが、その……、あまり上の王子たちに良く思われていないようでな……」
陛下の話では、彼、イルグスト・ルーク・ダナンタスは友好国ダナンタス国の第三王子。
イルグストの母は上の王子たちの母、王妃が病死した後、ダナンタス王が見初めた異国の妃。
上の王子たちは第三王子であるイルグストに異国の血が入っていることを毛嫌いし、排除しようと画策していた。
母である妃がいる間はそこまで目立つことはしてこなかったが、イルグストの母がつい一ヶ月程前に病気で亡くなってからというもの、イルグストに対しての嫌がらせが始まった。
最初はただの嫌がらせ程度だったものが、段々と酷くなっていき、仕舞いには命に関わる事故になり得そうなこともあった。
二人の兄がやったことだとは証拠がないため、王も対処のしようがなく、困り果てたときに、昔からの友人でもある、コルナドア国王に相談を持ち掛けたということだった。
その後コルナドア国王の提案で、留学の名目でしばらく国を離れたらどうか、ということになったようだ。
そして選ばれたのはこのコルナドア国。
「イルグストは十六才で、ルシエスよりも二つ下だな。歳も近い、この国にいる間、仲良くしてやって欲しい」
そう言うと、陛下はシェスレイト殿下から順に紹介をしていった。
紹介をし終えると陛下はイルグストに挨拶を求めた。
イルグストはおどおどとし、声を発するまでに時間がかかった。
「あ、あ、あの……、ぼ、僕……、イルグスト、です。よ、よろしく…………」
消え入りそうな程、小さな声でボソボソと喋った。
「え、聞こえない」
ルーは悪気なしに言った。しかしイルグストはビクッとし、余計に黙り込んでしまった。
「ルシエス、イルグストはまだ戸惑っているんだ。優しくしてやれ」
「え、別にキツく言ったつもりは……」
陛下に言われ、少し拗ねた風のルーだった。
シェスレイト殿下も睨みっぱなしだし。
「あ、あの、イルグスト殿下、よろしくお願いいたしますね。歳が近いですし、仲良くしてくださると嬉しいです」
微妙な空気に耐えきれず、自分からイルグスト殿下に挨拶をした。
うん、返事は返って来ないよね、分かってた! だから別に何とも思わないし! それよりも私、忙しいのですが!
と、言い出したかったが、陛下の前で言える訳もなく、どうやったらこの場から脱出出来るかばかり考えていた。
「そうだな、リディア嬢、イルグストをお願いしても良いかい?」
「えっ!?」
陛下の発言に私だけでなく、シェスレイト殿下とルーも声を上げた。
「父上、何故リディアに?」
シェスレイト殿下が少し躊躇いながら聞いた。
「ん? 何故って、お前たちが頼りにならんからだろう。シェスレイトは冷たい態度だし、ルシエスは苛めそうだし」
いやいやいや、冷たい態度に苛めそうって! いくらなんでもそんなことしないでしょ!
陛下がただのお父さん顔になってる!
「父上……」
シェスレイト殿下は頭を抱え、溜め息を吐いた。
「リディア嬢、嫌かい?」
「えっ、嫌という訳では……」
嫌なんて言える訳ないじゃない! お父様の視線も痛いし!
「では、お願いするよ!」
「は、はい……」
くっ、押しきられた。イルグスト殿下をチラリと見ると目が合い、イルグスト殿下は慌てて俯いてしまった。
うーん、お願いされても、私忙しいんですけどー!!
泣きそうだった。
これ強制的で断れないやつよね。行くしかないのよね。
あ! 服が!!
自分の格好を見て息が止まった。
「あ、あの、申し訳ありません。少しお時間いただいても大丈夫でしょうか……、あの、着替えを……」
「服装等は気にせず気楽に来て欲しいとのことです」
真面目な顔で淡々と告げられる。
「いや、でも、その……」
いくら気にするな、と言われても、さすがにつなぎはないでしょ!
ルーが苦笑した。
「俺が一緒に連れて行くから、先に戻って良いぞ」
陛下からの呼び出しを伝えた従者にルーは伝えた。さすが王子。助かった!
従者は頷きお辞儀をすると去って行った。
「ルー!! 何!? 何なの!? 陛下からの呼び出しって何!?」
「落ち着け。俺も何かは分からんが、とりあえず急いで着替えろ」
「う、うん……、あっ!!」
「今度は何だ!?」
ルーが驚き聞いた。
「クフルの実……」
「は?」
「ゼロにクフルの実を持って来たのにー!」
「お嬢、それどころじゃ!」
オルガがクフルの入った袋をレニードさんに渡した。
「あぁ、レニードさん、それゼロに……、私があげたかったのにー!!」
涙目でゼロを見た。
『何だかよく分からんが、行かねばならんのだろう?』
「うぅ……、また持って来るからね!」
ゼロは早く行け、とばかりに頭で私の背中を押し促した。
後ろ髪を引かれながら、研究所に戻り着替える。
このワンピースのままで大丈夫なのか、心配になったが、ルーは大丈夫だと言い切って連れて行かれた。
レニードさんは大きな袋を抱えたまま、突然の出来事に呆然としながら見送ったのだった。
「陛下からの呼び出しって何だろう……」
ルーと並び歩きマニカとオルガは後ろを歩く。
不安になり呟いた。
「さあなぁ、俺にも全く分からん」
ルーは考え込むが、やはり全く心当たりはないらしい。
「とりあえず急ぐぞ」
「うん」
さすがに走る訳にはいかないので足早に急ぐ。
「そういえばお菓子作りはどうなってんだ? 進んでるのか?」
「あー、うん、ラニールさんには色々なお菓子を考えてもらってる間に、薬物研究所でお菓子に合いそうなハーブや果実をフィリルさんと選んでたの。それで今日やっと選出が終了して、ラニールさんのところに持って行くつもりだったんだけどね……」
言いながら苦笑した。今日はもう持って行けないかな……。
「あー、なるほどな……、ハハ、まあ父上の話もすぐ終わるかもだしその後行けるんじゃないか?」
ルーは頭をポンと撫でながら言った。
「ルーに励まされてる……」
「な、何だよ!!」
フン、と向こうを向いてしまった。
「フフ、ごめん、ありがとう」
ルーは何も言わず、急ぎ足で前を歩いた。少し耳は赤かったが……。
陛下の執務室とやらに着いたのか、ルーは廊下の一角にある二人の近衛騎士が立つ扉の前で止まった。
どうやらここが陛下の執務室らしい。
「ルシエス殿下、リディア様がお越しです」
近衛の一人が扉を叩き中へ確認を取った。中からは入るよう声がかけられ、近衛騎士が扉を開けた。
ルーが先に入り、その後に続く。
部屋の中を見ると、一番奥に大きな机。そこに陛下がいた。その横にはお父様が立っていた。
そしてその机の前には陛下に向かって立つ人物が二人。
一人はシェスレイト殿下。シェスレイト殿下はチラリとこちらを見ると、いつものように睨んできた。
うん、安定のシェスレイト殿下! 今日も良い睨みです! とか訳分からないことを考えてしまう。
もう一人は……、シェスレイト殿下と同じくらいの背の高さで、この国では珍しい黒髪……、ん? どこかで見たような? ……ん?
「あっ!!」
思わず声を上げそうになり、慌てて口を押さえた。
危ない! もう少しで叫ぶところだった。
黒髪の人。先程、魔獣研究所ですれ違った人。恐らくその人だ。
「おぉ、リディア嬢来てくれたか。ルシエスも。こちらに」
陛下に促され、シェスレイト殿下たちの後ろに並ぶ。
横からチラリと黒髪の人を見ると、やはり先程の人だった。
「急に呼びつけてすまないな。少しだけ時間をくれ」
そう言うと陛下は椅子から立ち上がり、執務室内にある応接の長椅子に促した。
陛下が一つのゆったりとした椅子に腰かけると、陛下の左側の長椅子にシェスレイト殿下はエスコートしてくれた。
陛下に近い方にシェスレイト殿下と向かいにルー。シェスレイト殿下の横には私が座り、向かいには黒髪の人。
そう対面しながら皆が椅子に座った。お父様はやはりぴったりと陛下の横に立っているけど。
「今日来てもらったのは、そこにいる彼を紹介したくてな」
陛下はその黒髪の人を見た。
その人は皆の注目を浴びおどおどとしていた。
「彼はイルグスト・ルーク・ダナンタス。ダナンタス国の第三王子だ」
王子……、男の子だったのね……。背が高いからそうかなぁ、とは思っていたが、何せ可愛い顔、将来はとんでもない美人になりそうだ、というくらいの可愛い顔だったため、女の子かも? という考えもあったのだった。
「彼は第三王子だが、その……、あまり上の王子たちに良く思われていないようでな……」
陛下の話では、彼、イルグスト・ルーク・ダナンタスは友好国ダナンタス国の第三王子。
イルグストの母は上の王子たちの母、王妃が病死した後、ダナンタス王が見初めた異国の妃。
上の王子たちは第三王子であるイルグストに異国の血が入っていることを毛嫌いし、排除しようと画策していた。
母である妃がいる間はそこまで目立つことはしてこなかったが、イルグストの母がつい一ヶ月程前に病気で亡くなってからというもの、イルグストに対しての嫌がらせが始まった。
最初はただの嫌がらせ程度だったものが、段々と酷くなっていき、仕舞いには命に関わる事故になり得そうなこともあった。
二人の兄がやったことだとは証拠がないため、王も対処のしようがなく、困り果てたときに、昔からの友人でもある、コルナドア国王に相談を持ち掛けたということだった。
その後コルナドア国王の提案で、留学の名目でしばらく国を離れたらどうか、ということになったようだ。
そして選ばれたのはこのコルナドア国。
「イルグストは十六才で、ルシエスよりも二つ下だな。歳も近い、この国にいる間、仲良くしてやって欲しい」
そう言うと、陛下はシェスレイト殿下から順に紹介をしていった。
紹介をし終えると陛下はイルグストに挨拶を求めた。
イルグストはおどおどとし、声を発するまでに時間がかかった。
「あ、あ、あの……、ぼ、僕……、イルグスト、です。よ、よろしく…………」
消え入りそうな程、小さな声でボソボソと喋った。
「え、聞こえない」
ルーは悪気なしに言った。しかしイルグストはビクッとし、余計に黙り込んでしまった。
「ルシエス、イルグストはまだ戸惑っているんだ。優しくしてやれ」
「え、別にキツく言ったつもりは……」
陛下に言われ、少し拗ねた風のルーだった。
シェスレイト殿下も睨みっぱなしだし。
「あ、あの、イルグスト殿下、よろしくお願いいたしますね。歳が近いですし、仲良くしてくださると嬉しいです」
微妙な空気に耐えきれず、自分からイルグスト殿下に挨拶をした。
うん、返事は返って来ないよね、分かってた! だから別に何とも思わないし! それよりも私、忙しいのですが!
と、言い出したかったが、陛下の前で言える訳もなく、どうやったらこの場から脱出出来るかばかり考えていた。
「そうだな、リディア嬢、イルグストをお願いしても良いかい?」
「えっ!?」
陛下の発言に私だけでなく、シェスレイト殿下とルーも声を上げた。
「父上、何故リディアに?」
シェスレイト殿下が少し躊躇いながら聞いた。
「ん? 何故って、お前たちが頼りにならんからだろう。シェスレイトは冷たい態度だし、ルシエスは苛めそうだし」
いやいやいや、冷たい態度に苛めそうって! いくらなんでもそんなことしないでしょ!
陛下がただのお父さん顔になってる!
「父上……」
シェスレイト殿下は頭を抱え、溜め息を吐いた。
「リディア嬢、嫌かい?」
「えっ、嫌という訳では……」
嫌なんて言える訳ないじゃない! お父様の視線も痛いし!
「では、お願いするよ!」
「は、はい……」
くっ、押しきられた。イルグスト殿下をチラリと見ると目が合い、イルグスト殿下は慌てて俯いてしまった。
うーん、お願いされても、私忙しいんですけどー!!
泣きそうだった。
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