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最終章 魔人と闘う空手家
79.ファイヤーチェーン
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79.
ファイヤーチェーン
「アニー、すまない。ゴーレムが毒堀のアルキメデス砲を潰しに来たようだ」
「まあ、そうでしょうね」
「そこで、頼みがある」
「聞きましょう」
「実は……」
ゴーレムは、既にアルキメデス砲の保管庫まで来ていた。
思わず、毒堀が悲鳴を上げた。
「うあぁ、やめるのじゃ」
「では、アニー。頼む!」
「任せて! ファイヤーチェーン」と、アニーが叫ぶと、炎がヘビのように、床上、50センチぐらいのところをはいずり出した。
その炎のヘビは、ゴーレムにまとわりつき、ゴーレムを焼いてる。
「岩のくせに、苦しそうだな。何故だ?」
「さあ?」
黒焦げになっていくゴーレム。
ゴーレムの表面が焼かれ、ピッシとひびが入ったのを、オレは見逃さなかった。
「今だ!」と言うと、ファイヤーチェーンは消え、黒焦げになったゴーレムが現れた。
焦げたぐらいでは、ゴーレムは活動不能にはならない。
だが!
オレは、思いっきり、ゴーレム目がけ、飛び込んだ!
飛び蹴りだ。
ゴーレムを蹴り飛ばした。
やはり、ひびが広がり、砕けたのだ。
さすがに、人より大きいゴーレムが一撃で粉々にはならなかったが、行動に支障を及ぼした。
そこに、毒堀が、どこからか借りてきたハンマーで、飛び込んできた。
「うぉぉ、儂のアルキメデス砲を……」
見事に、ゴーレムの残りの岩を砕いた。
「執念だな」
「そうね。余程、大事なのね」
アルキメデス砲を護ったら、
「あとは、屋上のグリフォンか?」
「儂らは飛べんぞ」
「飛べる奴はいるのか?」
「さあ」
オレたちは、とりあえず、屋上へ向かった。
地元のハンターたちは、どでかいグリフォンの翼からの風で、コロコロと飛ばされていた。
「ああ、手も足も出んのぉ」
「ああ、闘いようがない」
すると、後ろから、
「ちょっと、ゴメン」と女の声がした。
振り向くと、魔法使いのようだ。
魔法使いは、前に出ると、お化け屋敷のりん光の様なものを数体飛ばした。
りん光は、30センチ程度の大きさの人形になり、巨大なグリフォンの周りに飛んで行くと、グリフォンが動かなくなった。
見えない糸で縛られているようにも見えた。
グリフォンが上を向き、声にならない声を上げているようだった。
「今よ! 攻撃を!」と、魔法使いが言うと、アニーが、「はっ」としたように、「ファイヤーアロー!」と叫んだ。
大きな火の矢が、鳥の胸に刺さっていた。
「おぉ、アニーよ。焼き鳥じゃわい」と、毒堀が言うも、この鳥はしぶとかった。
焼かれながらも、抵抗している。
「縛られて、焼かれても死なんのか?」と、ボヤいてしまった。
「ハヤトッ」とアニーが言った。
これは、早く始末する必要があるのだろう。
毒堀からもらった小刀を取り出した。
高速上段突きの要領で、鳥の首を掻っ切った。
「最高の切れ味だ」
そして、ようやく、鳥は死んだようだ。
すると、りん光を使う魔法使いは、
「グリフォンの様ね」
「ええ、強力だったわ」とアニーが言った。
オレは、魔法使いに、軽く一礼すると、「蒼井隼人だ。ヤシアーの街から来た」
「儂は毒堀、スロープシティで武器商人をしている」
と、それぞれ挨拶をした。
「私は、ミサキ。幽霊使いよ」
「Sランクハンターのミサキさんですか?」とアニーが言った。
なんだかうれしそうだな。アニー。
で、幽霊使いってなんだ?
次回の空手家は、いよいよ、地下へ潜ります。
ファイヤーチェーン
「アニー、すまない。ゴーレムが毒堀のアルキメデス砲を潰しに来たようだ」
「まあ、そうでしょうね」
「そこで、頼みがある」
「聞きましょう」
「実は……」
ゴーレムは、既にアルキメデス砲の保管庫まで来ていた。
思わず、毒堀が悲鳴を上げた。
「うあぁ、やめるのじゃ」
「では、アニー。頼む!」
「任せて! ファイヤーチェーン」と、アニーが叫ぶと、炎がヘビのように、床上、50センチぐらいのところをはいずり出した。
その炎のヘビは、ゴーレムにまとわりつき、ゴーレムを焼いてる。
「岩のくせに、苦しそうだな。何故だ?」
「さあ?」
黒焦げになっていくゴーレム。
ゴーレムの表面が焼かれ、ピッシとひびが入ったのを、オレは見逃さなかった。
「今だ!」と言うと、ファイヤーチェーンは消え、黒焦げになったゴーレムが現れた。
焦げたぐらいでは、ゴーレムは活動不能にはならない。
だが!
オレは、思いっきり、ゴーレム目がけ、飛び込んだ!
飛び蹴りだ。
ゴーレムを蹴り飛ばした。
やはり、ひびが広がり、砕けたのだ。
さすがに、人より大きいゴーレムが一撃で粉々にはならなかったが、行動に支障を及ぼした。
そこに、毒堀が、どこからか借りてきたハンマーで、飛び込んできた。
「うぉぉ、儂のアルキメデス砲を……」
見事に、ゴーレムの残りの岩を砕いた。
「執念だな」
「そうね。余程、大事なのね」
アルキメデス砲を護ったら、
「あとは、屋上のグリフォンか?」
「儂らは飛べんぞ」
「飛べる奴はいるのか?」
「さあ」
オレたちは、とりあえず、屋上へ向かった。
地元のハンターたちは、どでかいグリフォンの翼からの風で、コロコロと飛ばされていた。
「ああ、手も足も出んのぉ」
「ああ、闘いようがない」
すると、後ろから、
「ちょっと、ゴメン」と女の声がした。
振り向くと、魔法使いのようだ。
魔法使いは、前に出ると、お化け屋敷のりん光の様なものを数体飛ばした。
りん光は、30センチ程度の大きさの人形になり、巨大なグリフォンの周りに飛んで行くと、グリフォンが動かなくなった。
見えない糸で縛られているようにも見えた。
グリフォンが上を向き、声にならない声を上げているようだった。
「今よ! 攻撃を!」と、魔法使いが言うと、アニーが、「はっ」としたように、「ファイヤーアロー!」と叫んだ。
大きな火の矢が、鳥の胸に刺さっていた。
「おぉ、アニーよ。焼き鳥じゃわい」と、毒堀が言うも、この鳥はしぶとかった。
焼かれながらも、抵抗している。
「縛られて、焼かれても死なんのか?」と、ボヤいてしまった。
「ハヤトッ」とアニーが言った。
これは、早く始末する必要があるのだろう。
毒堀からもらった小刀を取り出した。
高速上段突きの要領で、鳥の首を掻っ切った。
「最高の切れ味だ」
そして、ようやく、鳥は死んだようだ。
すると、りん光を使う魔法使いは、
「グリフォンの様ね」
「ええ、強力だったわ」とアニーが言った。
オレは、魔法使いに、軽く一礼すると、「蒼井隼人だ。ヤシアーの街から来た」
「儂は毒堀、スロープシティで武器商人をしている」
と、それぞれ挨拶をした。
「私は、ミサキ。幽霊使いよ」
「Sランクハンターのミサキさんですか?」とアニーが言った。
なんだかうれしそうだな。アニー。
で、幽霊使いってなんだ?
次回の空手家は、いよいよ、地下へ潜ります。
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