61 / 111
最終章 魔人と闘う空手家
61.港町とリード様
しおりを挟む
61.
港町とリード様
ヤシアーから港町の中心街までは15キロほどあるが、行政管轄ではヤシアーのギルドから数分歩いたら、港町の市内だ。
つまり、この街は広い都市ということなのだな。
ギルドのある市街地まで、馬車で1時間半、さらにギルドまで街馬車で10分と言ったところだろうか?
さて、ギルドに着くと、今回の仕事の説明を受けた。
今回の護衛任務には、三人のハンターが付くが、Cランクはオレだけだった。
しかも、あとの二人は、AランクとBランクで、オレより若いハンターだ。
なんか、気まずいな……
その辺りはギルドの担当者からは、「蒼井さんは、死んで間もないので仕方がないですよ。あの二人は転生組ですし」
そうなのだ。この死後の世界には、三つのパターンの人間がいるようなのだ。
一つ目は、オレや朱美のように転移組。
死ぬ前の記憶を持って、死んだ時点からこの世界で人生の続きを送るようだ。
オレも朱美も病気が原因で死んでいることを考えると、死因が関係しているのだろうか?
それと、死後の継続となると、朱美は乳がん手術失敗後の身体なのだろうか?
それは気の毒すぎる。
手術後の発狂ぶりは今も覚えている。
オレは知らなかったのだ。
女性が胸を失うと、冷静でいられなくなることを……
それはさておき。
二つ目は、転生組だ。
生前の記憶はあるが赤子からこの世界に来た人間だ。
このパターンは優秀になることが多い。
今回の二人は、このパターンのようだ。
なんか、死後の世界の方が、もっと不公平のようだな。
三つ目は、この世界の人間同士の間に生まれた人間である。
前世の記憶は全くないようだ。
そして、この人間が一番多いのだ。
まず、今回の仕事の内容の説明を受けた。
「明日、大型客船が港の中央突堤に入るので、現地スタッフの案内の元、依頼主のところに言ってもらうよ」と担当者が言うと、顔写真を受け取った。
この異世界にも写真があったのか!? と驚いてしまった。
写真の男の名前は、『リード』と言うらしい。
薄い色のサングラスをかけている35才から40歳ぐらいの男性だ。
この男を船が出航するまでの七日間、護衛すればよいということだ。
ただ、金持ちだろうから、ジッとしているとは思えない。
夜は、酒場で大騒ぎなのだろうか?
オレとしては、夜は、空手の稽古をしたいものだが。
「では、明日の10時に、ここに一度来てから、船を出迎えに行くよ。それとチームリーダーはAランクを持っているサムハンにお願いするね」と担当者が言うと、
「あぁ、了解したよ」と、『当然だ!』という風にAランクのサムハンという男は答えた。
そして、その日は、ギルドの宿に泊まることになった。
この街のギルドは、牧場の町のギルドの宿とは大違いだった。
食堂もある!
おかげで夜も朝も食事に不自由はしなかった。
しかし、割引はなかったな……
そして、翌日、ギルドの担当者のところに行き、その後、リードと言う男の乗る船を突堤で現地スタッフと待っていた。
船が到着すると、現地スタッフは「リード様 港町ギルド」と書かれたスケッチブックを出していた。
ほう、慣れているもんだな。
そして、タラップからオレたちに70万タ―ラ―支払う男、リードが降りてきた。
雰囲気的に言えば、ブルース・リーが軽い長髪にした感じだろうか。
なんか、気の難しそうな感じがする。
そして、口数も少ないが、そこはサムハンに任せ、オレは営業スマイルで、ニンマリしておこう。
まあ、“一番下っ端”のCランクだからな。
しかし、ヤシアーには、Aランクなどいなかったが、ここ港町では、Aランクどころか、Sランクも数人いるらしい。
Sランクと言えば、年に一度の試験で、全国で数人受かるか否かという程度だ。
さて、リード様は、口数は少なく、助手なのか執事なのか年配の男性が、我々とコミュニケーションをとるようだ。
この年配の男は、時田と言うらしい。
まずは、食事に行くということで、ギルドが用意していた馬車で移動だ。
この街は、港町ということだけあって、和洋中なんでも食事ができる。
そして、リード様は、この街に寄った際、まず、中華レストランに行くそうだ。
無論、個室だ。
一人は部屋の中、一人は部屋の外、一人は店の入り口に立つことになる。
正直、部屋の中で他人が、豪華な料理を食べるのを眺めるのは勘弁してほしいので、店の入り口が良いだろう。
「オレは、入り口が良いな。この街は初めてなので、外の方が、色々と刺激がある」と理由になったのかどうかわからん理由で、店から出ることに成功した。
そして、その日は、夜の街に出かけるかと思いきや、ホテルで寝るらしい。
さらに、驚いたことに、オレたちもその豪華なホテルで寝ることになった。
まあ、護衛なのだからな。
一人一部屋でハンター三人と執事、リード様で五部屋借りていることになる。
両隣と迎えを押さえておけば、襲撃されにくいということなのだろうか?
この人は、誰に襲われる危険があるのだろうか?
次回の空手家は、市内見学に付き合います。
港町とリード様
ヤシアーから港町の中心街までは15キロほどあるが、行政管轄ではヤシアーのギルドから数分歩いたら、港町の市内だ。
つまり、この街は広い都市ということなのだな。
ギルドのある市街地まで、馬車で1時間半、さらにギルドまで街馬車で10分と言ったところだろうか?
さて、ギルドに着くと、今回の仕事の説明を受けた。
今回の護衛任務には、三人のハンターが付くが、Cランクはオレだけだった。
しかも、あとの二人は、AランクとBランクで、オレより若いハンターだ。
なんか、気まずいな……
その辺りはギルドの担当者からは、「蒼井さんは、死んで間もないので仕方がないですよ。あの二人は転生組ですし」
そうなのだ。この死後の世界には、三つのパターンの人間がいるようなのだ。
一つ目は、オレや朱美のように転移組。
死ぬ前の記憶を持って、死んだ時点からこの世界で人生の続きを送るようだ。
オレも朱美も病気が原因で死んでいることを考えると、死因が関係しているのだろうか?
それと、死後の継続となると、朱美は乳がん手術失敗後の身体なのだろうか?
それは気の毒すぎる。
手術後の発狂ぶりは今も覚えている。
オレは知らなかったのだ。
女性が胸を失うと、冷静でいられなくなることを……
それはさておき。
二つ目は、転生組だ。
生前の記憶はあるが赤子からこの世界に来た人間だ。
このパターンは優秀になることが多い。
今回の二人は、このパターンのようだ。
なんか、死後の世界の方が、もっと不公平のようだな。
三つ目は、この世界の人間同士の間に生まれた人間である。
前世の記憶は全くないようだ。
そして、この人間が一番多いのだ。
まず、今回の仕事の内容の説明を受けた。
「明日、大型客船が港の中央突堤に入るので、現地スタッフの案内の元、依頼主のところに言ってもらうよ」と担当者が言うと、顔写真を受け取った。
この異世界にも写真があったのか!? と驚いてしまった。
写真の男の名前は、『リード』と言うらしい。
薄い色のサングラスをかけている35才から40歳ぐらいの男性だ。
この男を船が出航するまでの七日間、護衛すればよいということだ。
ただ、金持ちだろうから、ジッとしているとは思えない。
夜は、酒場で大騒ぎなのだろうか?
オレとしては、夜は、空手の稽古をしたいものだが。
「では、明日の10時に、ここに一度来てから、船を出迎えに行くよ。それとチームリーダーはAランクを持っているサムハンにお願いするね」と担当者が言うと、
「あぁ、了解したよ」と、『当然だ!』という風にAランクのサムハンという男は答えた。
そして、その日は、ギルドの宿に泊まることになった。
この街のギルドは、牧場の町のギルドの宿とは大違いだった。
食堂もある!
おかげで夜も朝も食事に不自由はしなかった。
しかし、割引はなかったな……
そして、翌日、ギルドの担当者のところに行き、その後、リードと言う男の乗る船を突堤で現地スタッフと待っていた。
船が到着すると、現地スタッフは「リード様 港町ギルド」と書かれたスケッチブックを出していた。
ほう、慣れているもんだな。
そして、タラップからオレたちに70万タ―ラ―支払う男、リードが降りてきた。
雰囲気的に言えば、ブルース・リーが軽い長髪にした感じだろうか。
なんか、気の難しそうな感じがする。
そして、口数も少ないが、そこはサムハンに任せ、オレは営業スマイルで、ニンマリしておこう。
まあ、“一番下っ端”のCランクだからな。
しかし、ヤシアーには、Aランクなどいなかったが、ここ港町では、Aランクどころか、Sランクも数人いるらしい。
Sランクと言えば、年に一度の試験で、全国で数人受かるか否かという程度だ。
さて、リード様は、口数は少なく、助手なのか執事なのか年配の男性が、我々とコミュニケーションをとるようだ。
この年配の男は、時田と言うらしい。
まずは、食事に行くということで、ギルドが用意していた馬車で移動だ。
この街は、港町ということだけあって、和洋中なんでも食事ができる。
そして、リード様は、この街に寄った際、まず、中華レストランに行くそうだ。
無論、個室だ。
一人は部屋の中、一人は部屋の外、一人は店の入り口に立つことになる。
正直、部屋の中で他人が、豪華な料理を食べるのを眺めるのは勘弁してほしいので、店の入り口が良いだろう。
「オレは、入り口が良いな。この街は初めてなので、外の方が、色々と刺激がある」と理由になったのかどうかわからん理由で、店から出ることに成功した。
そして、その日は、夜の街に出かけるかと思いきや、ホテルで寝るらしい。
さらに、驚いたことに、オレたちもその豪華なホテルで寝ることになった。
まあ、護衛なのだからな。
一人一部屋でハンター三人と執事、リード様で五部屋借りていることになる。
両隣と迎えを押さえておけば、襲撃されにくいということなのだろうか?
この人は、誰に襲われる危険があるのだろうか?
次回の空手家は、市内見学に付き合います。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
白兎令嬢の取捨選択
菜っぱ
ファンタジー
「強い女の子に憧れちゃダメですか?」
騎士を数多く輩出するオルブライト伯爵家の箱入り娘、リジェットは見た目はとっても女の子らしいTHE御令嬢。
けれども、彼女の夢は夢は国家騎士団・王家の剣に入隊すること!
前世では女の子だからって親に反対されて剣道道場を継げなかったけれど、今世こそは自分の意思を貫いて立派な騎士になりたい!
どんなに体格に恵まれていなくても、知恵を絞って頑張ります
でも周りは自分のことを、他領の妻、王妃、教皇、商材、果ては古代兵器に仕立てあげたいと考えているようで……?
いつだって自分の未来を決めるのは、自分自身!
夢に向かって全力疾走! リジェットは無事に憧れの王家の剣になれるのか
白い髪、赤い目をした、まるで兎みたいな女の子の選択と捨てるものを追う物語
他サイトにも投稿しています
辺境の最強魔導師 ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~
日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。
アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。
その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
転移先は薬師が少ない世界でした
饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。
神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。
職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。
神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。
街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。
薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
ブラック・スワン ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~
碧
ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる