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第4章 死者の街
57.喫茶店とインデアンカレー
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57.
喫茶店とインデアンカレー
ミノタウロス討伐以後、ヤシアーの街は大きな仕事は無かった。
すると、朱美が気を利かせてか、店の手伝いをやることになった。
この雑貨屋と喫茶店、メインは喫茶店の軽食ということだ。
そして、週末限定のカレーが売れ筋だった。
インド風カレーなので、“インデアンカレー”だ!
しかも、鍋を持ってくると、ルーの販売もしている。
なんか、天理のラーメン屋みたいだな。
鍋を持ってくると、ラーメンのスープを入れてくれる。
このまま、世話になるのは、ハンターとして、どうなのか? ということを考えるようになってきた。
ビリーは、それなりに人気があるらしく、女性客層を捕まえるのに、よい感じだ。
残念なことに、問題はオレだろう!
32歳の男目当ての客はいないだろう。
むしろ、朱美目当ての客が減るのではと心配になってきた。
ヤシアーのような小さい街より、隣の港町やスロープシティーにベースを移したほうがよいだろうか。
そんなことを考えていると、ヤシアーのギルドから相談を受けた。
ヤシアーのハンターのレベルアップをしたいそうだ。
先日の一見では、オレたち三人と隣町のバレー分支部でロック・カウ牧場を救ったことになる。
まあ、オレたちはヤシアー所属なので、面目は立ったが、30人と助っ人が8人いて、脱落だ。
何とか、レベルアップをしたいそうだ。
とは言え、「オレに出来ることは、空手だけだ」と言うと、「では、空手を指導してくれ」と言うではないか。
「まあ、構わないが報酬は出るのか?」
「無論だ」
と言うことで、来月から、週一でギルドの体育室で指導することになった。
正直なところ、週一で空手を習っても、魔物を素手で倒せるようにはならんだろう。
とは言え、折角ではあるし、仕事が少ない時の報酬は有難いのだ。
するとである。
ある女冒険者が、講習終了後、オレのところにやってきた。
なにか、マズイ説明でもあったのだろうか?
「マスターハヤト、実は、うちの子どもらにも空手を指導してほしいんだけど」という。
どうやら、家で復習をしていたら、子どもらも、見様見真似でやっているらしい。
すると、
「ボクも習いたい」と言っているとのことだ。
ヘェ~ そうなのか?
「一度、考えて欲しい」と言われ、考えておくことにした。
で、何歳だ?
ギルドの話では、
「ギルドの講習では出来ないが、街の自治会の講習なら良いのでは?」との回答だった。
まあ、やる場所もないので、断るつもりだった。
その事を朱美に話すと、
「私に、まかせなさぁい」と言う。
「えっ?」と、驚いてしまった。
なんと、洗濯しか使っていなかった広すぎる庭が、道場と化したのだ。
なんか、朱美の世話になりっぱなしだ。
週二回、ハンターの仕事がない時に限りだが指導を行うことにした。
ギルドと併せると少ないながら安定収入だ!
朱美に使用料金を払うことも出来て、タダ飯喰らいから脱出できたのだ。
しかし、朱美は「タダでも良い」らしい。
というのは、稽古の後、喫茶『ベルトとワイド』で、生徒がインデアンカレーを食べてから帰るので、空手の稽古があると、それなりに儲かるらしい。
一石二鳥で、精神的にも助かる。
しばらくは、平穏な日々を、オレたちは過すことが出来たのだった。
次回の空手家は、なんと、アニー襲来!
あんたは、ハヤトの何なのさ?
えっ?
喫茶店とインデアンカレー
ミノタウロス討伐以後、ヤシアーの街は大きな仕事は無かった。
すると、朱美が気を利かせてか、店の手伝いをやることになった。
この雑貨屋と喫茶店、メインは喫茶店の軽食ということだ。
そして、週末限定のカレーが売れ筋だった。
インド風カレーなので、“インデアンカレー”だ!
しかも、鍋を持ってくると、ルーの販売もしている。
なんか、天理のラーメン屋みたいだな。
鍋を持ってくると、ラーメンのスープを入れてくれる。
このまま、世話になるのは、ハンターとして、どうなのか? ということを考えるようになってきた。
ビリーは、それなりに人気があるらしく、女性客層を捕まえるのに、よい感じだ。
残念なことに、問題はオレだろう!
32歳の男目当ての客はいないだろう。
むしろ、朱美目当ての客が減るのではと心配になってきた。
ヤシアーのような小さい街より、隣の港町やスロープシティーにベースを移したほうがよいだろうか。
そんなことを考えていると、ヤシアーのギルドから相談を受けた。
ヤシアーのハンターのレベルアップをしたいそうだ。
先日の一見では、オレたち三人と隣町のバレー分支部でロック・カウ牧場を救ったことになる。
まあ、オレたちはヤシアー所属なので、面目は立ったが、30人と助っ人が8人いて、脱落だ。
何とか、レベルアップをしたいそうだ。
とは言え、「オレに出来ることは、空手だけだ」と言うと、「では、空手を指導してくれ」と言うではないか。
「まあ、構わないが報酬は出るのか?」
「無論だ」
と言うことで、来月から、週一でギルドの体育室で指導することになった。
正直なところ、週一で空手を習っても、魔物を素手で倒せるようにはならんだろう。
とは言え、折角ではあるし、仕事が少ない時の報酬は有難いのだ。
するとである。
ある女冒険者が、講習終了後、オレのところにやってきた。
なにか、マズイ説明でもあったのだろうか?
「マスターハヤト、実は、うちの子どもらにも空手を指導してほしいんだけど」という。
どうやら、家で復習をしていたら、子どもらも、見様見真似でやっているらしい。
すると、
「ボクも習いたい」と言っているとのことだ。
ヘェ~ そうなのか?
「一度、考えて欲しい」と言われ、考えておくことにした。
で、何歳だ?
ギルドの話では、
「ギルドの講習では出来ないが、街の自治会の講習なら良いのでは?」との回答だった。
まあ、やる場所もないので、断るつもりだった。
その事を朱美に話すと、
「私に、まかせなさぁい」と言う。
「えっ?」と、驚いてしまった。
なんと、洗濯しか使っていなかった広すぎる庭が、道場と化したのだ。
なんか、朱美の世話になりっぱなしだ。
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えっ?
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