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3.バルト海を並び行く幽霊たち
3-7.黒船屋と設計図
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3-7.黒船屋と設計図
「キャプテン、これは……」
あの後、黒船海賊団は、櫓をこいでいた者たちが、奴隷や捕虜とわかっていたので、彼らを開放してやり武器庫から武器を与えてやった。
おかげで、どのスペイン海軍船も、彼らの反乱で南ネーデルランドにたどり着くことが出来なかった。
提督とやらが、その後、どうなったかは、櫓をこいでいた者たちに聞くしかない。
「一旦、ドーバーへ戻ろう。ホーキンスかドレイクに、連絡してからバルト海に行く。ただし、これの複写はとっておけよ」
「キャプテン、了解です」
「しかし、キャプテン。この禍々しい船は?」
「『大いなる祝福を受けた艦隊』計画とある。しかも、すべて100門の大砲を装備できる超巨大戦艦の計画をスペインが隠していたということだ」
彼らが見ているのは、超巨大戦艦の設計図だった。
そう、スペインはオスマン帝国から地中海の覇権を奪い、大西洋の覇権をポルトガルと共有し、喜望峰から東を征服し、世界帝国を作ろうとしていた。
それには、まず、イギリス、オランダの新教徒国から潰すつもりだ。
そのための超巨大戦艦計画、戦列艦と呼ばれる超巨大戦艦を主力とする『大いなる祝福を受けた艦隊』を作ることをしていたと。
この艦隊こそが、イギリスから『無敵艦隊』と呼ばれる艦隊である。
「複写が終わったら、ホーキンスかドレイクに会いに行く。
それと、オレたちが、この巨大戦艦を作っても問題あるまい」
「キャプテン!」
「ああ、これが海賊のやり方だ」
(この船があれば、オレの行きたい黄金の島へ行き、大量の黄金を運べる)と、キャプテンは思った。
その頃、ドーバー海峡で、何があったかなど知らない私たちは、幽霊船探しに必死だった。
そして、この日は、伯父から「話がある」と、呼び出された。
「お頭ぁ。私も行きたい。行きたい」
「クライネス。どうしたの」
「私も公爵様のところに行きたい」
何故、子供のクライネスが、公爵家などに行きたいのだろうか?
「クッキーだよ。お頭!」
先日、アンナから頂いたクッキーが気に入ったらしく、食べたいと言っているようだ。しかし、小さいクライネスを連れて公爵邸に入れるとは、思えんよ。
「お頭、お菓子ら。お菓子だ」
「あぁ。もう駄目。ローズ、ローズマリー。ちょっと来て」
「クライネスをドレスアップ出来る?」と、私がローズマリーに言うと、「じぃい」とローズマリーを見つめるクライネス!
「……」と、何も答えないローズマリー!
すると、突如、ローズマリーが笑いだした。
「冗談よ。クライネス。私にドレスアップ出来ないなんてことは無いわ」
それは、私には良いのか、悪いのかは、分からないけど、つまり、クライネスを連れて行くことになったのだよ。
公爵邸では。
「ヴィル! 聞いて!」と、着くなり、アンナが泣きながら、こちらに駆けてきた。
「キャプテン、これは……」
あの後、黒船海賊団は、櫓をこいでいた者たちが、奴隷や捕虜とわかっていたので、彼らを開放してやり武器庫から武器を与えてやった。
おかげで、どのスペイン海軍船も、彼らの反乱で南ネーデルランドにたどり着くことが出来なかった。
提督とやらが、その後、どうなったかは、櫓をこいでいた者たちに聞くしかない。
「一旦、ドーバーへ戻ろう。ホーキンスかドレイクに、連絡してからバルト海に行く。ただし、これの複写はとっておけよ」
「キャプテン、了解です」
「しかし、キャプテン。この禍々しい船は?」
「『大いなる祝福を受けた艦隊』計画とある。しかも、すべて100門の大砲を装備できる超巨大戦艦の計画をスペインが隠していたということだ」
彼らが見ているのは、超巨大戦艦の設計図だった。
そう、スペインはオスマン帝国から地中海の覇権を奪い、大西洋の覇権をポルトガルと共有し、喜望峰から東を征服し、世界帝国を作ろうとしていた。
それには、まず、イギリス、オランダの新教徒国から潰すつもりだ。
そのための超巨大戦艦計画、戦列艦と呼ばれる超巨大戦艦を主力とする『大いなる祝福を受けた艦隊』を作ることをしていたと。
この艦隊こそが、イギリスから『無敵艦隊』と呼ばれる艦隊である。
「複写が終わったら、ホーキンスかドレイクに会いに行く。
それと、オレたちが、この巨大戦艦を作っても問題あるまい」
「キャプテン!」
「ああ、これが海賊のやり方だ」
(この船があれば、オレの行きたい黄金の島へ行き、大量の黄金を運べる)と、キャプテンは思った。
その頃、ドーバー海峡で、何があったかなど知らない私たちは、幽霊船探しに必死だった。
そして、この日は、伯父から「話がある」と、呼び出された。
「お頭ぁ。私も行きたい。行きたい」
「クライネス。どうしたの」
「私も公爵様のところに行きたい」
何故、子供のクライネスが、公爵家などに行きたいのだろうか?
「クッキーだよ。お頭!」
先日、アンナから頂いたクッキーが気に入ったらしく、食べたいと言っているようだ。しかし、小さいクライネスを連れて公爵邸に入れるとは、思えんよ。
「お頭、お菓子ら。お菓子だ」
「あぁ。もう駄目。ローズ、ローズマリー。ちょっと来て」
「クライネスをドレスアップ出来る?」と、私がローズマリーに言うと、「じぃい」とローズマリーを見つめるクライネス!
「……」と、何も答えないローズマリー!
すると、突如、ローズマリーが笑いだした。
「冗談よ。クライネス。私にドレスアップ出来ないなんてことは無いわ」
それは、私には良いのか、悪いのかは、分からないけど、つまり、クライネスを連れて行くことになったのだよ。
公爵邸では。
「ヴィル! 聞いて!」と、着くなり、アンナが泣きながら、こちらに駆けてきた。
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