銀のオノ、金のオノ

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3、キコリとリード ※

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 帰りはそのまま小野さんの家に寄った、今日の夕飯は麻婆豆腐丼だって銀君のママが言ってました。
 私の両親は今日帰りが遅いのだ。
 夕飯を小野さんの家と一緒に食べるなんて物心ついた時からよくある話です。



 その夕飯までの間……多分一時間とかからないだろう、銀君のママに今二人でハマってるゲームがあるからって部屋に駆け込みました。

 銀君と二人きりのわずかな空間です。もちろん下の階には銀君のママとパパがいるので物音は立てられない。
 閉めたドアに体を押し付けられて心臓の音がうるさい、銀君は勝手に私の鞄に手を突っ込むと首輪を出して無言で視線を合わせてきました。
 見下されて顔が近くて、じんと体が熱くなって私は何も言わずに頷きます。


 そして数分後、私は恥ずかしい姿で顔を赤く染めながらご主人様を上目遣いで見ていました。

 大きな骨張った指がチェーンリードを引けば、つられて私の首も上がります。
 それは私が朝、自分の鞄に収めたリード、今ではそのリードの持ち手を銀君が握ってる、相変わらずな静かな抑揚のない声で私に命令する。

「ほら、キコ舌出して?」
「ッ……ん」
「ダメだよ、もっと出せるでしょ」
「……ぁぃ」

 ベッドの下、下着姿でリードを引っ張られて、息が詰まって気持ちいい。
 銀君はベッドに腰かけて、ジャケットを脱いだワイシャツ姿で足元にいる私に目を細める。

「可愛い舌いっぱい出せたいい子にはご褒美あげる」
「ぅう、あ、待ッ……」
「犬がしゃべるな」

 睨まれて、ゾクッてして黙って必死に口を開ける、銀君が自分の膝を叩く、そこまでは乗っていいの合図なので、両手を銀君の股の間に突いて舌を差し出した。
 薄く開いたご主人様の舌から唾液がゆっくり落ちてくる、私は犬だからできるだけ首を伸ばして蜜を受け取るだけです。

 ねっとりした濃い唾液を垂らされて口の中で味わった、銀君の大きな手が優しく頭を撫でてくれて嬉しい、熱くなってきた胸や下半身を触られたくてうずうずしてくる。
 黙ってじっと見つめ合う最高の瞬間です。
 口の中で甘い唾液を溶かせば、チェーンを引かれてぎゅっと谷間が寄った、それを見た銀君の喉仏が動いて、切れ長の赤い瞳に欲情の色が差す。

 同時に私も期待して心拍数が上がって、もっとって舌を差し出してしまう、古傷のある綺麗な顔が接近して、心臓が可笑しくなりそうです。
 互いの熱い息がかかって、目を瞑れって顎で催促された。視界を閉ざした瞬間唇に柔らかいいつのも感触が触れて、唇を全部飲み込まれてしまう。
 口から息なんてできなくて、鼻でしながら口の中で動き回る舌に絡みつかせた。

 私は話しちゃいけない、銀君の低い息遣いの声が耳に頭の奥に響いてくる。骨にまで響いて気持ちいいの、粘膜が擦れる音も心地良くって、いつの間にか体の力が抜けてしまった。
 そうするとクッと首輪に吊るされた状態になって、ご主人様が持ち手を強く握った唇から唾液の糸が引く至近距離で言う。

「抱っこされたい?」
「……」
「抱っこされたいね? キコ」
「…………」

 瞬きと頷きで返事をすれば、直に脇に手を差し込まれて抱き上げてくれました。
 ご主人様と一瞬同じ目線になって、申し訳なくて唇を噛む、ぎゅっと大きな体に抱き締められて尻尾が生えていたら勝手に揺れてるし、耳があったらこれになくペタンコなんだろう。

 頬を寄せられて、自分から銀君の唇を舐めたら、口が開いてすかさず舌を捩じ込んだ、服従してるっていっぱいアピールして、もっと可愛がられたいから。
 息が止まりそうな程強い力で抱擁されて、キコ幸せ。でも体は犬じゃないから、筋張った手にお尻を撫で回されて、ビクンと背中が反ってしまいました。

「地味な眼鏡の下で、こんな真っ赤なティーバック履いてるんだ?」
「ッ……」
「何でこんなの履いてるの?」

 お尻の食い込みをクイッてされて、息が苦しくなる、キス出来ない様にリードを引かれて、綺麗な顔が聞いてくる。

「ッ……ぅ」
「声出していい」
「ぁッ……」
「ほら」

 後頭部押されてキスして口の中メチャクチャ、お尻食い込んだままだし、ご主人様のお腹に両手をおいたまま舌に応えて、こういう時いっつも眼鏡が邪魔だなって思う。
 出した唾液も全部飲まれて、唇が離れて銀君は額ゴリゴリ擦りつけてきた。

「こんな男誘うような下着、どうしてつけてるのかって聞いた」
「んぅ」
「答えて?」

 唇を一周舌先でなぞられて、声が震えた喉から吐き出される。

「銀くッ」
「は?」

 眉を潜めて睨まれて、息が止まってもう顔を合わせられなくて肩に顔を埋めました。
 溜息が聞こえて、震える、名前を呼ばれて喉が引きつって、言葉を続ける。

「ご、ご主人様が履けとおっしゃられたので」
「んーそうだっけ?」
「私……の、か、体が触りやすい、よ……に、と、ヒッ!」

 語尾と同時にお尻を鷲掴みにされて、思わず肩を噛んでしまいました。
 首輪は力を込められたまま、お尻に丸い爪が立ってじんわり痛くて快感で、爪が引かれて声が漏れそうです。

「お尻、震えてる。やらしいねキコ」
「ッく……」
「肩噛みしめて気持ちいい声我慢していい子」

 耳にキスされて、舌入ってきて温かい息に、ゾワって全身鳥肌立った瞬間に大きな手にバチンとお尻を叩かれた、もちろん甘い刺激がジンジンお尻から染み渡って私の体はもっとしてって益々反ってしまう。

「ダメだよキコ。お尻上げないで? これ以上はバレちゃうから、おねだりしないよ」
「ぅんん……」
「だから、こっち」
「ふッ……!」

 つつっと指がお尻の布を辿って、もう熱く熟れて濡れてた場所に触れて体が反応してしまう、声我慢する為に肩に噛み付いて、布越しからコリコリ突起を引っ掻く爪の快感に耐えた。

「もうこんなに勃たせてる」
「んッ」
「直接擦るのと、このままいじられてるのどっちが好き?」

 耳の縁、かじられながら聞かれて、もうそれ続けられただけでもイキそうで太い中指の腹の動きに勝手に腰が動いてしまう、肩噛み噛みして、頭ボーっとして、あそこはジンジンして。

「キコのここ硬くなってきた、もうイッちゃうね」
「ンッ……んんんッ!」

 擦るスピードが速くなって、心臓の音も可笑しくてきゅっと突起を抓られて私は肩に噛み付いたままイッてしまった。
 肩の筋を噛み締めて、銀君が痛みに唸って中指に動きが止まる、快感が体を駆け巡って体がふわっと脱力した。
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