【R18】モブキャラ喪女を寵愛中

寧々ちゃんまだまだ寵愛中

マテ ◎

　お散歩デートして、今日は久々の外食だった。
　下北沢の隠れイタリアン、手打ちパスタとピザが人気なんだって、私一人じゃ絶対入らない古い外観で「えーここに入るのー」ってなった(辰巳さんの背中にくっついて来店)。
　でも一歩入れば、お店の中は綺麗で、見た目からじゃ想像もつかない本格的な料理ばかりでてきてどれも美味しかった。

　何頼んでも超美味しいの！　生ハムとオリーブのピザ、チーズとろとろすぎて口の中火傷してしまったけど、辰巳さんが氷をくれて直ぐ冷やしてくれた。

　でも、いっぱい美味しい美味しいすると、辰巳さんが「じゃあ僕もピザ焼こうかな」って直ぐ対抗して庭に窯作りそうだから褒め褒めは程々にしないと！

　お散歩しながらお家帰ってきて、お腹いっぱいで眠いから抱き着いたままお部屋～。
　辰巳さんは頭なでなでしてくれて、あんだけ食べといて全く出っぱらないこのお腹ムカツク。

「今日もいっぱいお野菜食べれて偉かったね」
「う？　偉かったねっていうか辰巳さんが勝手に口に入れてくるからですよ、私は肉と炭水化物と甘い物だけでいいのにぃ」
　睨み上げても眼鏡の下の翡翠は笑ってる。
「僕がフォークを唇に近付けたら疑いもせずに口開ける寧々ちゃん可愛いんだよねぇ、雛鳥みたいで愛しいよ」
「雛鳥？」
「巣立たせないけどね」

　眼鏡キラッてさせた後、体抱き上げられて部屋の暖簾をくぐる。
　いつものクッションに腰を降ろすと私を膝の上に乗せて辰巳さんは体を密着させてきた。
　体が反応していつも通り抱き付いちゃったけど……。

「ぎゅうするだけですか？」
「そんなの考えていつも僕ら抱き合ってないでしょう」
「そう、だけど……」

　抱き締められて胸に閉じ込められて、ふぁあ安心するぅ！　辰巳さんは頭の上で可愛い可愛い言ってる。
　大きな背中に手を回して程よい背筋をなぞれば、シャツ越しに伝わる温かい男の人の筋肉質な体にドキドキした。

　で、いっぱい頭にキスしてた唇が額まで下がってきて、後頭部支えられて辰巳さんと目が合った。

「今度は寧々ちゃんも食べたいな、甘い物欲しいでしょ？」
「言うと思いました」

　ちゅって軽く柔らかい唇が触れて、顔を離して辰巳さんは「愛してるよ」って言ってきた、胸すっごいキュンってして、もっとしたいーってなるんだけど、また近付いてくる濡れた唇を二本の指でくい止めた。

「なあに？」
「舌入れちゃ嫌なのです」
「ん？」

　先に言わなかった私が悪いのかもしれないけど、だって口まだ痛くて……突然ダメって言ったからだろうか、たちゅみさんこわ！　瞳孔開いててこわ！！

「納得いく説明をしてもらっても？」
「あ、だって……さっき口の中火傷して痛いから」
「じゃあどこが痛いのか確かめていい？」
「え、待って……だからダッ……んん」