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死霊の聖女は眠らない
しおりを挟む彼の王に同胞は存在する
だが、遇いまみえることはない
彼の王は常に自身の冥界を憂いていた
ため息から生まれた運命の女神
力を使う度に波の波紋の様に魂が還る
酷いときは文明が滅んでしまった
彼の王は終焉を迎える世界を救うため
ひとりの聖女を遣わした
虫の息をした死に損ないの娘だった
「家族の人生を狂わせた…あの女神を…屠れるなら…死んでもいい」
娘は死霊となり彼の王より力を授かった
聖女の力は行使に生死を問わない
近づいてきた(人間などの)仇を葬りながら、聖女は邁進した
ジワジワと運命の女神から信仰の力を殺ぎ、世界終焉を迎える
家族の人生を狂わせた女神を葬り、冥界へ脚を運ぶ
過ぎた力を還すと申し出た
巨大な甕にチラチラと光る魂が見え、両親と祖父の魂が彼女へ向けて小さく光った
冥界に溢れた魂が永い年月で癒されていく
甕の中は、あの契約した星降る夜の様に美しい眺めだった
冥界の王は新たな世界が産まれるまで
自分を憐れむ聖女と共に過ごした
「今度はちゃんとしてね」
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