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02:恋心はどこへ消えた?
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「んん?……いつもとなにか違くない?」
「そう?」
朝起きて懐かしいリビングに降りると希樹の兄がじろじろと無遠慮に見つめた。
ただ降りてきただけで違和感が分かるなどあるのだろうか?と希樹は冷や汗をかく。
異世界に10年いたけれど、外見の年齢は魔法で戻してもらっている。
会話で違和感を感じることはあるだろうけれど、外見で違和感を覚えられるはずはない。
ただ動揺したら余計に怪しいので、平然を装い希樹は席につく。
内心首を傾げつつ、久しぶりに食べる母親の手料理に目を輝かせる。
ごはんに味噌汁、昨日の残りだろう肉じゃがと焼きたてほかほかの卵焼き…
あちらの食事も美味しかったけれどほぼ洋食、あっても中華やエスニック風だった。
醤油が恋しくなって初めて和食が好きなんだと自覚した希樹にとってはご馳走だった。
「い、いただきますっ!」
挨拶もそこそこにむしゃむしゃと豪快に食べ始める
久しぶりに使う箸を煩わしく感じながら味のしみたじゃがいも
甘めに味付けされた半熟の卵焼き、どちらもあつあつで舌がひりひりするが構わず口にいれて味わう。
そんな娘に母は笑いながら希樹の正面の席に座ってお茶を飲む。
「そんなにお腹すいてたの?」
…そうだ、お母さんってこんな顔をしてたんだ。
すっかり母親の顔を忘れかけてしまっていたことに気づいて箸の動きを止める。
そのことがあまりにも恥ずかしくて、悲しくて顔をやや伏せた。
◇◆◇
こうして元の世界に帰ってきて何週間か経った。
最初学校で靴を入れる場所がわからなかったりクラスを間違えて
戸惑うことが多かったが新入生ということでみんな慣れていないもので
そこまで浮くことがなく過ごせた。
まだぎこちないけれどクラスに友達もいて、楽しく学生生活を過ごしている。
希樹はあの世界では片手で数えられる人数しか気を許せていなかった。
勇者として恥ずかしくないようにと自由な行動は控えさせられていたのだ。
だが今ではそんな必要もない。
友達と寄り道してアイス食べたり、何気ないことで笑い合ったり。
希樹は普通の女の子として順調に学生生活を送っていた。
いくつかの点を除けば。
「じゃあ次、これ解けるやついるか?」
誰も手をあげない。
それは希樹も例外ではなく、冷や汗を垂らしながらじっと下を向く。
「ん~じゃあ今日の出席番号…立花!立花希樹!」
少し体を震わせ、一斉にみんなの視線を受けた。
観念した希樹は、ゆっくりと席を立ち上がり、堂々と答える。
「わかりません!申し訳ございません!!」
大きめの声がとても教室によく通った。
◇◆◇
「希樹ちゃんよくいったね~!!あはは!」
「もう、笑いすぎ!気にしないで大丈夫だからね」
お昼休み、学食でご飯を食べていた希樹は友達2人は先ほどのことで談笑していた。
友人2人を前に先ほどのことを思い出して頬をかいた。
そう、すっかりこの10年の間で学校の授業を忘れていた。
あちらの世界に行く前は成績は中の上くらいで受験勉強を頑張り、なんとか自分の身の丈より上の学校に入ったが
正直言うと今は小学校レベルすら不安ではある…と、希樹は背中に冷や汗が流れるのを感じた。
「さっきの、ないよね~」
「ああ、立花さんでしょ?」
「てっきり留香くんたすけて~とか、いうかと思ったのに!」
高めのよく通る声が耳に入ってきた。
くすくすと笑っている声は悪意が満ちていて、あまり聞いていていい気分はしないような声色だ。
希樹も友達も気づき、会話が途切れた。
「ていうかマジ留香くんもあんなのが幼馴染とか、可哀想だよね。
あの子に追いかけまわされてるんしょ?」
「ちょっと勘違い入ってるよね、あの子さ~
留香くんがあんな自分に振り向くとか、マジで思ってんのかな?」
どんどん大きくなってく声に希樹に聴かせるためだということ友達2人は気づいた。
箸を置いて中庭でも行く?と友人が視線を投げかけてくるが希樹は茶碗を片手に固まったままだった。
あまりにも微動だにせず、怖いくらい表情が変わらない真顔の希樹をみて友人は青ざめる。
「い、希樹ちゃん…?」
「あ、あっ!ごめん!」
慌てて照れ笑いを浮かべた彼女に友人はほっと安堵の息を漏らした。
そして次は声に出して中庭にいくことを提案すると、首を緩く振り断った。
「大丈夫、私は気にならないよ
…あ、ごめん2人は気になる、よね…?」
「お、希樹ちゃん強いね~!私は大丈夫だよ」
「うん、私も。…ごはんも食べかけだし移動面倒くさいし」
友人2人の声を聞いて希樹はほっとした表情を浮かべると
普通に会話をしつつも先ほどの衝撃をそっと思い出した。
留香くんのこと!!!すっかり!!!忘れて!!!ました!!!!
なんで!?なんで忘れられるのかな!?私好きだったよね!?
盲目になるほど恋してたよね!?恋する乙女だったよね!?ン?!?
しかも隣の家だし同じ学校だし多分何回かすれ違ったりしてるはずなのに全然興味なかったよ!
ナンデ!どうして!!好きとかあの世界にいても仲間にいってたし、夜には顔を思い出しながら
『留香くんの為に私ちゃんと元の世界に帰るから…』とか枕を涙で濡らしたりしてたよね!?
もんもんと上のようなことを平常を装いながら思っていると
先ほどの席から甲高い歓声が聞こえてきた。
頬を赤らめた彼女たちの視線を希樹が追うと、留香が学食に入ってきていた。
濡れ羽色の黒髪は前髪だけ少し長くて艶がある。
手足はスラリと長くだけれどほどよく筋肉質で180cm近い身長
涼やかな目元は伏せがちでアンニュイな雰囲気が出ている。
程よく制服を着崩した彼は確かに格好良く同じ年頃の女子なら思わずドキドキしてしまうだろう。
だが希樹はそんなことより
『留香くんって右目の下にホクロなんてあったかな…?』
と、のんきに留香の顔をみてそんなことを考えていた。
そんな彼女の視線に留香も気づき、視線が合わさるが
目を細め眉間に皺を寄せると後ろにいた美人の女の子に何かをいい、学食をあとにした。
明らかに希樹を避けるような行動に周りの女子がくすくすと笑う。
希樹自身もあんな行動をされて気分がいい訳もないが
それよりもショックなことがあり顔を伏せた。
家に帰ってきて希樹はそのままベットへと体を投げ出した。
ふかふかの布団の感触を体全身で感じながら、脱力する。
10年経っても勇者になっても世界を救っても希樹の恋は変わらないと信じていた。
一生に一度だけの大恋愛を希樹はしてた、つもりだった。
こんなにも人を好きになることはないだろうと思ってたし、慈しみたいと思った人も初めて。
なにがあっても彼の味方でいたいと思っていたし、幼馴染でも会えればドキドキした。
「10年…経ってみれば短いけど、長かったってことか」
自分から出たとは思えないほど冷たい声がでたことにびっくりして、希樹は口を塞ぐ。
塞いだ指をじわりじわりと外していき、それを目元に押し付けた。
大切な恋心が消えたと実感した瞬間だった。
「そう?」
朝起きて懐かしいリビングに降りると希樹の兄がじろじろと無遠慮に見つめた。
ただ降りてきただけで違和感が分かるなどあるのだろうか?と希樹は冷や汗をかく。
異世界に10年いたけれど、外見の年齢は魔法で戻してもらっている。
会話で違和感を感じることはあるだろうけれど、外見で違和感を覚えられるはずはない。
ただ動揺したら余計に怪しいので、平然を装い希樹は席につく。
内心首を傾げつつ、久しぶりに食べる母親の手料理に目を輝かせる。
ごはんに味噌汁、昨日の残りだろう肉じゃがと焼きたてほかほかの卵焼き…
あちらの食事も美味しかったけれどほぼ洋食、あっても中華やエスニック風だった。
醤油が恋しくなって初めて和食が好きなんだと自覚した希樹にとってはご馳走だった。
「い、いただきますっ!」
挨拶もそこそこにむしゃむしゃと豪快に食べ始める
久しぶりに使う箸を煩わしく感じながら味のしみたじゃがいも
甘めに味付けされた半熟の卵焼き、どちらもあつあつで舌がひりひりするが構わず口にいれて味わう。
そんな娘に母は笑いながら希樹の正面の席に座ってお茶を飲む。
「そんなにお腹すいてたの?」
…そうだ、お母さんってこんな顔をしてたんだ。
すっかり母親の顔を忘れかけてしまっていたことに気づいて箸の動きを止める。
そのことがあまりにも恥ずかしくて、悲しくて顔をやや伏せた。
◇◆◇
こうして元の世界に帰ってきて何週間か経った。
最初学校で靴を入れる場所がわからなかったりクラスを間違えて
戸惑うことが多かったが新入生ということでみんな慣れていないもので
そこまで浮くことがなく過ごせた。
まだぎこちないけれどクラスに友達もいて、楽しく学生生活を過ごしている。
希樹はあの世界では片手で数えられる人数しか気を許せていなかった。
勇者として恥ずかしくないようにと自由な行動は控えさせられていたのだ。
だが今ではそんな必要もない。
友達と寄り道してアイス食べたり、何気ないことで笑い合ったり。
希樹は普通の女の子として順調に学生生活を送っていた。
いくつかの点を除けば。
「じゃあ次、これ解けるやついるか?」
誰も手をあげない。
それは希樹も例外ではなく、冷や汗を垂らしながらじっと下を向く。
「ん~じゃあ今日の出席番号…立花!立花希樹!」
少し体を震わせ、一斉にみんなの視線を受けた。
観念した希樹は、ゆっくりと席を立ち上がり、堂々と答える。
「わかりません!申し訳ございません!!」
大きめの声がとても教室によく通った。
◇◆◇
「希樹ちゃんよくいったね~!!あはは!」
「もう、笑いすぎ!気にしないで大丈夫だからね」
お昼休み、学食でご飯を食べていた希樹は友達2人は先ほどのことで談笑していた。
友人2人を前に先ほどのことを思い出して頬をかいた。
そう、すっかりこの10年の間で学校の授業を忘れていた。
あちらの世界に行く前は成績は中の上くらいで受験勉強を頑張り、なんとか自分の身の丈より上の学校に入ったが
正直言うと今は小学校レベルすら不安ではある…と、希樹は背中に冷や汗が流れるのを感じた。
「さっきの、ないよね~」
「ああ、立花さんでしょ?」
「てっきり留香くんたすけて~とか、いうかと思ったのに!」
高めのよく通る声が耳に入ってきた。
くすくすと笑っている声は悪意が満ちていて、あまり聞いていていい気分はしないような声色だ。
希樹も友達も気づき、会話が途切れた。
「ていうかマジ留香くんもあんなのが幼馴染とか、可哀想だよね。
あの子に追いかけまわされてるんしょ?」
「ちょっと勘違い入ってるよね、あの子さ~
留香くんがあんな自分に振り向くとか、マジで思ってんのかな?」
どんどん大きくなってく声に希樹に聴かせるためだということ友達2人は気づいた。
箸を置いて中庭でも行く?と友人が視線を投げかけてくるが希樹は茶碗を片手に固まったままだった。
あまりにも微動だにせず、怖いくらい表情が変わらない真顔の希樹をみて友人は青ざめる。
「い、希樹ちゃん…?」
「あ、あっ!ごめん!」
慌てて照れ笑いを浮かべた彼女に友人はほっと安堵の息を漏らした。
そして次は声に出して中庭にいくことを提案すると、首を緩く振り断った。
「大丈夫、私は気にならないよ
…あ、ごめん2人は気になる、よね…?」
「お、希樹ちゃん強いね~!私は大丈夫だよ」
「うん、私も。…ごはんも食べかけだし移動面倒くさいし」
友人2人の声を聞いて希樹はほっとした表情を浮かべると
普通に会話をしつつも先ほどの衝撃をそっと思い出した。
留香くんのこと!!!すっかり!!!忘れて!!!ました!!!!
なんで!?なんで忘れられるのかな!?私好きだったよね!?
盲目になるほど恋してたよね!?恋する乙女だったよね!?ン?!?
しかも隣の家だし同じ学校だし多分何回かすれ違ったりしてるはずなのに全然興味なかったよ!
ナンデ!どうして!!好きとかあの世界にいても仲間にいってたし、夜には顔を思い出しながら
『留香くんの為に私ちゃんと元の世界に帰るから…』とか枕を涙で濡らしたりしてたよね!?
もんもんと上のようなことを平常を装いながら思っていると
先ほどの席から甲高い歓声が聞こえてきた。
頬を赤らめた彼女たちの視線を希樹が追うと、留香が学食に入ってきていた。
濡れ羽色の黒髪は前髪だけ少し長くて艶がある。
手足はスラリと長くだけれどほどよく筋肉質で180cm近い身長
涼やかな目元は伏せがちでアンニュイな雰囲気が出ている。
程よく制服を着崩した彼は確かに格好良く同じ年頃の女子なら思わずドキドキしてしまうだろう。
だが希樹はそんなことより
『留香くんって右目の下にホクロなんてあったかな…?』
と、のんきに留香の顔をみてそんなことを考えていた。
そんな彼女の視線に留香も気づき、視線が合わさるが
目を細め眉間に皺を寄せると後ろにいた美人の女の子に何かをいい、学食をあとにした。
明らかに希樹を避けるような行動に周りの女子がくすくすと笑う。
希樹自身もあんな行動をされて気分がいい訳もないが
それよりもショックなことがあり顔を伏せた。
家に帰ってきて希樹はそのままベットへと体を投げ出した。
ふかふかの布団の感触を体全身で感じながら、脱力する。
10年経っても勇者になっても世界を救っても希樹の恋は変わらないと信じていた。
一生に一度だけの大恋愛を希樹はしてた、つもりだった。
こんなにも人を好きになることはないだろうと思ってたし、慈しみたいと思った人も初めて。
なにがあっても彼の味方でいたいと思っていたし、幼馴染でも会えればドキドキした。
「10年…経ってみれば短いけど、長かったってことか」
自分から出たとは思えないほど冷たい声がでたことにびっくりして、希樹は口を塞ぐ。
塞いだ指をじわりじわりと外していき、それを目元に押し付けた。
大切な恋心が消えたと実感した瞬間だった。
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