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第2章、学園と修さんと私
第32話:移り気な青色
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「なあ工藤、ここだけ紫陽花がピンク色ってさ、実は」「おう、そこだけ陶磁のエーテル配管だろ」
祐二を怖がらせようとしたレオンがちょっと拗ねた。祐二は満足気だ。
私の机の上には「初級共通科目確認テスト」の回答へのパスワードが記載されていた。
このパスワードと貸与されているタブレットを使えば回答が見れる。タブレットは本人のエーテル紋がなければ開けられない。
『合格』
大丈夫だとは思っていたが、やはりほっとしてあたりを見回せばみな、ほっとした顔をしている。
落ちたからと補講で済むが、やはり試験の緊張感はなかなかのものだった。
今月末には2泊3日の現地実習がある。
その前には農業実習があり、今日はその農業実習用のエーテルギアをつくる班分けの日だった。
グループリーダーになりたい人はアイデアを持って立候補し、説明するプレゼンをこれから行う。その中で共感したギアのグループに入る。3人に満たなければ解散、5人以上は別グループというルールで、投票もある。
私が所属する「ポーチュラカ」は3324年入学という意味だが、この「ポーチュラカ」全員268人にプレゼンする必要がある。
立候補者は104人。
私ももちろん立候補した。
「瑞樹、緊張してる?笑顔に凄みがあるよ」
エドガーが苦笑している。今回、私はエドガーと共同提案として設計図を提出していた。
「ええ。まあ、準備はしたし、あなたもいます。大丈夫」丹田にまで空気を送るイメージで深呼吸すれば、自然に口角が上がった。
発表の順番は後半の方だったので、最初は他の生徒たちの発表を見ていた。
クラスで最初に発表したのはレオン。テーマは「熱エネルギー活用法」。ギアは地中の熱に対して作物の状態を確認し知らせることに加え、外気温との差分で蒸気機関を回しエネルギーを得るという、レオンらしい広い視野をもつギアだった。
分かりやすく堂々としたプレゼンに、私も素直に感心した。
「我々は里山の境目に安全な境界を設けることで自然と社会の共存を目指します。」
エドガーの説明からスタート。スライドに映した資料を使いながら、我々は少しずつ、考えを説明していった。
どのようにエーテルを吸収し、循環しているのか。その循環は人の社会の循環と山や森といった自然環境とは違っていて、それが混ざったあたりのエーテルを循環させるか、分けるかを調査するギアをつくりたいと説明した。
「このギアはまだ我々の仮説に対して、調査するためのギアです。しかし、社会がえらい、自然がえらいではなく、あくまで干渉しながらも共存するために、どこまで立ち入っていいか、の目安を作れると思います」
最後にそう締めくくったとき、教室内が静まり返った。私は一瞬緊張したが、次の瞬間、プラムが拍手すると、拍手が巻き起こった。
「まずは飛び込んで、知ろうとする、お前らしい」「調査するギアか。面白いな」
エドガーと2人、悩んだが、発表できてよかった。投票結果は下の方だったが、先生方からの特別賞を頂いた。それはなんとなく、面映かった。
祐二を怖がらせようとしたレオンがちょっと拗ねた。祐二は満足気だ。
私の机の上には「初級共通科目確認テスト」の回答へのパスワードが記載されていた。
このパスワードと貸与されているタブレットを使えば回答が見れる。タブレットは本人のエーテル紋がなければ開けられない。
『合格』
大丈夫だとは思っていたが、やはりほっとしてあたりを見回せばみな、ほっとした顔をしている。
落ちたからと補講で済むが、やはり試験の緊張感はなかなかのものだった。
今月末には2泊3日の現地実習がある。
その前には農業実習があり、今日はその農業実習用のエーテルギアをつくる班分けの日だった。
グループリーダーになりたい人はアイデアを持って立候補し、説明するプレゼンをこれから行う。その中で共感したギアのグループに入る。3人に満たなければ解散、5人以上は別グループというルールで、投票もある。
私が所属する「ポーチュラカ」は3324年入学という意味だが、この「ポーチュラカ」全員268人にプレゼンする必要がある。
立候補者は104人。
私ももちろん立候補した。
「瑞樹、緊張してる?笑顔に凄みがあるよ」
エドガーが苦笑している。今回、私はエドガーと共同提案として設計図を提出していた。
「ええ。まあ、準備はしたし、あなたもいます。大丈夫」丹田にまで空気を送るイメージで深呼吸すれば、自然に口角が上がった。
発表の順番は後半の方だったので、最初は他の生徒たちの発表を見ていた。
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分かりやすく堂々としたプレゼンに、私も素直に感心した。
「我々は里山の境目に安全な境界を設けることで自然と社会の共存を目指します。」
エドガーの説明からスタート。スライドに映した資料を使いながら、我々は少しずつ、考えを説明していった。
どのようにエーテルを吸収し、循環しているのか。その循環は人の社会の循環と山や森といった自然環境とは違っていて、それが混ざったあたりのエーテルを循環させるか、分けるかを調査するギアをつくりたいと説明した。
「このギアはまだ我々の仮説に対して、調査するためのギアです。しかし、社会がえらい、自然がえらいではなく、あくまで干渉しながらも共存するために、どこまで立ち入っていいか、の目安を作れると思います」
最後にそう締めくくったとき、教室内が静まり返った。私は一瞬緊張したが、次の瞬間、プラムが拍手すると、拍手が巻き起こった。
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