5 / 35
第五話 井戸の神様 1
しおりを挟む
「あ、もう開庁時間! やっぱり報告書、間に合わなかった~」
壁にかかった時計を見ながら、入力途中の文書を保存するための、フォルダーを開く。そして、名前をつけて保存をした。
「あともうちょっとだったのに、無念~」
「残念じゃったの。続きは昼休みじゃな」
ディスプレイの上に座っていた神様が笑う。
「あとほんの少しなので、お昼ご飯を急いで食べて、休み時間をけずって終わらせますよ」
「なんと。では、お前さんのピザとラザニアは、安泰か」
気のせいか、少し残念そうな口ぶりだ。その口ぶりからして、やはり神様は、ピザとラザニアの独り占めを、たくらんでいたらしい。
「神様が一人でコッソリ食べるより、公平にシェアできると思いますよ?」
「それは良きかな良きかな。ではわしも、仕事にかかるとしよう」
そう言って、神様は姿を消した。その直後に、開庁を知らせるチャイムが鳴る。このへんは、「人間」のハローワークも「神様」のハローワークも同じだ。
そして一人の神様がやってきた。見た目はやはり高齢者風。ここにやってくる神様は男女の性別を問わず、ほとんどが人間の高齢者に似せた姿をしている。もしかして神様達の中で、見た目はこんな感じにしなさいという、決まりでもあるのだろうか。
―― まあ間違いなく、人間より神様のほうが、ずっと年上なんだけど…… ――
その神様が私の前のイスに座り、エントリーカードを差し出した。活動記録が書かれていない、まっさらなエントリーカードだ。
「おはようございます。こちらのハローワークを利用されるのは、初めてですか?」
「はい。そろそろ、次の場所を探す時期が、きたものですから」
「拝見しますね」
そう言いながら、エントリーカードを手元に引き寄せる。
「井戸の神様で、よろしいですか?」
「はい。今は井戸の神をしています」
「こちらに来られたということは、その井戸が、近々なくなるということなんですね?」
「ええ。家が古くなったので、改装することになったのですが、井戸は埋めることになりそうなので」
「そうなんですか。それは残念ですね」
「残念ですが、これも時代ですね」
この街は歴史のある古い街なので、今でも井戸水を使っているお宅も少なくない。ただ、飲料水として使うためには、半年に一度、保健所の水質検査を受けなければならなかった。さらには下水道代もそれなりに加算されるので、家を取り壊したり改築する時には、埋めてしまうことがほとんどだった。
「希望される神様枠はありますか?」
募集枠の検索をするために、質問をする。
「できることなら今まで通り、おいしい井戸水を人々に飲ませたいものですが」
「なるほど……」
検索に引っかかる募集枠は0件。
「……今のところ、井戸の神様の募集枠はないですねえ……」
「そうでしょうね。減った話はよく聞きますが、増える話は聞いたことがありませんから」
さて、どうしたものかと考える。井戸の神様に向いている新しい神様の仕事、なにがあるだろう。
「ちなみに、今のお宅の井戸は、どのようなものなんですか?」
「もちろん、飲める井戸水なのですよ。昔と違ってモーターでくみ上げているのですが、いまだに大事に井戸を使ってくれているのですよ」
「へえ……まあ、昔からこのあたりは、地下水が豊富だって言われてますからね」
「そうなのですよ」
その地下水を利用しての酒造りも盛んだったようで、その名残か、街中のど真ん中という立地にも関わらず、何軒かの造り酒屋が今も残っていた。そしてそこのお酒が、またおいしいのだ。
「なるほどー……ですと、やはりこのあたりの地下水関係の、お仕事を探したほうが良さそうですね?」
「できることなら、それを希望しています。この地域にも愛着がありますからね」
その井戸があるお宅の住所を確認すると、驚いたことにここのご近所だった。
「ああ、あそこのお宅! 知っています、ここ。昔ながらの町家ではないですが、かなり古いお宅ですよね」
「ええ。ここの水道水がおいしくない時代は、ずいぶんと重宝がられましたよ」
神様が懐かしそうな表情をする。その顔は話しぶりと同じで、とても穏やかなものだった。
八百万ハローワークにやってくる神様の多くは、これまでの居場所がなくなってしまう神様がほとんどだ。それもあって、気落ちした様子でやってくることが多い。だからこんなふうに、穏やかな様子の神様も珍しい。少なくとも、自分はこういう神様は初めてだ。
「なにか?」
私が黙ってしまったせいか、神様が首をかしげる。そんな仕草も、実に人間らしい。
「あ、いえ。なんていうか、達成感を感じていらっしゃる、ご様子だなと」
その言葉に神様はほほ笑んだ。
「そうですね。そういう気持ちもあります。井戸を埋められてしまうのは寂しいことですが、今まであの家ですごした時間は、実に楽しいものでした。飲料水だけではなく、洗濯に使ったり、冷蔵庫のように果物や野菜を冷やしたりと、本当に充実した時間だったのですよ」
「なるほど。できることなら、その井戸が残ると良いんですけどね。まだ、本決まりではないんですよね?」
とはいえ、そこに私達が口をはさむことはできない。いくら神様が離れたくないと思っていても、その家の人が井戸を埋めると決めたのなら、私達に止める権限はないのだ。なぜなら一般の人達のほとんどは、神様の存在に気づくことなく暮らしているのだから。
「そうなのですが、次の行き先をある程度は決めておかないと、なんとも落ち着かないのでね」
「まだ時間に余裕があるんですよね。色々なお仕事を試しつつ、ギリギリまで井戸水関係の募集枠を探してみましょう」
「ありがとうございます」
神様はうれしそうな顔をした。しかたないと言いつつも、それまで自分がやってきた仕事を続けたいと思うのは、人間も神様も同じだ。とにかくギリギリまで粘って、井戸の神様の募集枠を探してみよう。
そんなことを考えながら、地下水関係の神様の仕事が、いくつか検索に引っかかった。
「あの、飲料水ではありませんが、地下水を使っている和紙工房が、ここの近くに何軒かあるんです。井戸ではなく水道とあまり変わらないのですが、そちらもお試し枠に入れておきましょうか?」
「なるほど。そういうことにも、地下水が使われているのですね。ぜひ、お願いします」
井戸の神様は少しだけ興味をひかれた様子だ。
「わかりました。今はまだ、井戸の神様としてのお仕事があるでしょうから、お試しのお仕事は井戸が埋められてから、ということになりますね」
「そうですね。その時はよろしくお願いします。……今日、おうかがいして良かった。少し気持ちが軽くなりました」
神様がホッとしたように笑った。
「それは良かったです。またなにか不安なことが出てきましたら、遠慮なくこちらにおこしください」
「ありがとうこざいます。では」
カードのお試し枠に募集案件コードを印字をして、それを神様に返却する。神様はカードを受け取ると、深々と頭をさげて姿を消した。
「井戸を埋めるって、けっこう手間ヒマがかかるって聞きましたけど、本当なんですかね。あと、神様的な神事もあるとかないとか?」
独り言のような私の質問に、パソコンの神様が顔を出す。
「どちらも、もちろんじゃ。まあ神事に関しては、最近は簡略化が進んでおるがの」
「なるほど」
「地下水は地面の下でつながっておるじゃろ? 勝手に埋めて地下水が汚染されると、そこだけの問題ではなくなるんじゃ。だから、きちんと手順を踏んで埋めなくてはならん。それだけに、これもかかるんじゃな」
そう言って神様は人差し指と親指でマルを作った。
「マル? ……ああ、お金」
「そういうことじゃ」
「大変なんですね、井戸水を使うって」
「大変なんじゃ」
そんなに大変なことなら、埋めないで使い続けよう、なんて話にならないものかな?と考えてしまった。
「井戸水は良いぞ? 夏は冷たく、冬は温かい」
「へー……」
「ここの地下水は、隣の県の湖と同じぐらいの量があるんじゃ。すごいじゃろ?」
「へー……って、え?! それってマジですか? だって隣の県の湖って、めちゃくちゃ大きいですよ?」
「だが事実じゃ」
「へー……」
その話を聞いて、なんとなく地面がタプタプと揺れたような気がした。
壁にかかった時計を見ながら、入力途中の文書を保存するための、フォルダーを開く。そして、名前をつけて保存をした。
「あともうちょっとだったのに、無念~」
「残念じゃったの。続きは昼休みじゃな」
ディスプレイの上に座っていた神様が笑う。
「あとほんの少しなので、お昼ご飯を急いで食べて、休み時間をけずって終わらせますよ」
「なんと。では、お前さんのピザとラザニアは、安泰か」
気のせいか、少し残念そうな口ぶりだ。その口ぶりからして、やはり神様は、ピザとラザニアの独り占めを、たくらんでいたらしい。
「神様が一人でコッソリ食べるより、公平にシェアできると思いますよ?」
「それは良きかな良きかな。ではわしも、仕事にかかるとしよう」
そう言って、神様は姿を消した。その直後に、開庁を知らせるチャイムが鳴る。このへんは、「人間」のハローワークも「神様」のハローワークも同じだ。
そして一人の神様がやってきた。見た目はやはり高齢者風。ここにやってくる神様は男女の性別を問わず、ほとんどが人間の高齢者に似せた姿をしている。もしかして神様達の中で、見た目はこんな感じにしなさいという、決まりでもあるのだろうか。
―― まあ間違いなく、人間より神様のほうが、ずっと年上なんだけど…… ――
その神様が私の前のイスに座り、エントリーカードを差し出した。活動記録が書かれていない、まっさらなエントリーカードだ。
「おはようございます。こちらのハローワークを利用されるのは、初めてですか?」
「はい。そろそろ、次の場所を探す時期が、きたものですから」
「拝見しますね」
そう言いながら、エントリーカードを手元に引き寄せる。
「井戸の神様で、よろしいですか?」
「はい。今は井戸の神をしています」
「こちらに来られたということは、その井戸が、近々なくなるということなんですね?」
「ええ。家が古くなったので、改装することになったのですが、井戸は埋めることになりそうなので」
「そうなんですか。それは残念ですね」
「残念ですが、これも時代ですね」
この街は歴史のある古い街なので、今でも井戸水を使っているお宅も少なくない。ただ、飲料水として使うためには、半年に一度、保健所の水質検査を受けなければならなかった。さらには下水道代もそれなりに加算されるので、家を取り壊したり改築する時には、埋めてしまうことがほとんどだった。
「希望される神様枠はありますか?」
募集枠の検索をするために、質問をする。
「できることなら今まで通り、おいしい井戸水を人々に飲ませたいものですが」
「なるほど……」
検索に引っかかる募集枠は0件。
「……今のところ、井戸の神様の募集枠はないですねえ……」
「そうでしょうね。減った話はよく聞きますが、増える話は聞いたことがありませんから」
さて、どうしたものかと考える。井戸の神様に向いている新しい神様の仕事、なにがあるだろう。
「ちなみに、今のお宅の井戸は、どのようなものなんですか?」
「もちろん、飲める井戸水なのですよ。昔と違ってモーターでくみ上げているのですが、いまだに大事に井戸を使ってくれているのですよ」
「へえ……まあ、昔からこのあたりは、地下水が豊富だって言われてますからね」
「そうなのですよ」
その地下水を利用しての酒造りも盛んだったようで、その名残か、街中のど真ん中という立地にも関わらず、何軒かの造り酒屋が今も残っていた。そしてそこのお酒が、またおいしいのだ。
「なるほどー……ですと、やはりこのあたりの地下水関係の、お仕事を探したほうが良さそうですね?」
「できることなら、それを希望しています。この地域にも愛着がありますからね」
その井戸があるお宅の住所を確認すると、驚いたことにここのご近所だった。
「ああ、あそこのお宅! 知っています、ここ。昔ながらの町家ではないですが、かなり古いお宅ですよね」
「ええ。ここの水道水がおいしくない時代は、ずいぶんと重宝がられましたよ」
神様が懐かしそうな表情をする。その顔は話しぶりと同じで、とても穏やかなものだった。
八百万ハローワークにやってくる神様の多くは、これまでの居場所がなくなってしまう神様がほとんどだ。それもあって、気落ちした様子でやってくることが多い。だからこんなふうに、穏やかな様子の神様も珍しい。少なくとも、自分はこういう神様は初めてだ。
「なにか?」
私が黙ってしまったせいか、神様が首をかしげる。そんな仕草も、実に人間らしい。
「あ、いえ。なんていうか、達成感を感じていらっしゃる、ご様子だなと」
その言葉に神様はほほ笑んだ。
「そうですね。そういう気持ちもあります。井戸を埋められてしまうのは寂しいことですが、今まであの家ですごした時間は、実に楽しいものでした。飲料水だけではなく、洗濯に使ったり、冷蔵庫のように果物や野菜を冷やしたりと、本当に充実した時間だったのですよ」
「なるほど。できることなら、その井戸が残ると良いんですけどね。まだ、本決まりではないんですよね?」
とはいえ、そこに私達が口をはさむことはできない。いくら神様が離れたくないと思っていても、その家の人が井戸を埋めると決めたのなら、私達に止める権限はないのだ。なぜなら一般の人達のほとんどは、神様の存在に気づくことなく暮らしているのだから。
「そうなのですが、次の行き先をある程度は決めておかないと、なんとも落ち着かないのでね」
「まだ時間に余裕があるんですよね。色々なお仕事を試しつつ、ギリギリまで井戸水関係の募集枠を探してみましょう」
「ありがとうございます」
神様はうれしそうな顔をした。しかたないと言いつつも、それまで自分がやってきた仕事を続けたいと思うのは、人間も神様も同じだ。とにかくギリギリまで粘って、井戸の神様の募集枠を探してみよう。
そんなことを考えながら、地下水関係の神様の仕事が、いくつか検索に引っかかった。
「あの、飲料水ではありませんが、地下水を使っている和紙工房が、ここの近くに何軒かあるんです。井戸ではなく水道とあまり変わらないのですが、そちらもお試し枠に入れておきましょうか?」
「なるほど。そういうことにも、地下水が使われているのですね。ぜひ、お願いします」
井戸の神様は少しだけ興味をひかれた様子だ。
「わかりました。今はまだ、井戸の神様としてのお仕事があるでしょうから、お試しのお仕事は井戸が埋められてから、ということになりますね」
「そうですね。その時はよろしくお願いします。……今日、おうかがいして良かった。少し気持ちが軽くなりました」
神様がホッとしたように笑った。
「それは良かったです。またなにか不安なことが出てきましたら、遠慮なくこちらにおこしください」
「ありがとうこざいます。では」
カードのお試し枠に募集案件コードを印字をして、それを神様に返却する。神様はカードを受け取ると、深々と頭をさげて姿を消した。
「井戸を埋めるって、けっこう手間ヒマがかかるって聞きましたけど、本当なんですかね。あと、神様的な神事もあるとかないとか?」
独り言のような私の質問に、パソコンの神様が顔を出す。
「どちらも、もちろんじゃ。まあ神事に関しては、最近は簡略化が進んでおるがの」
「なるほど」
「地下水は地面の下でつながっておるじゃろ? 勝手に埋めて地下水が汚染されると、そこだけの問題ではなくなるんじゃ。だから、きちんと手順を踏んで埋めなくてはならん。それだけに、これもかかるんじゃな」
そう言って神様は人差し指と親指でマルを作った。
「マル? ……ああ、お金」
「そういうことじゃ」
「大変なんですね、井戸水を使うって」
「大変なんじゃ」
そんなに大変なことなら、埋めないで使い続けよう、なんて話にならないものかな?と考えてしまった。
「井戸水は良いぞ? 夏は冷たく、冬は温かい」
「へー……」
「ここの地下水は、隣の県の湖と同じぐらいの量があるんじゃ。すごいじゃろ?」
「へー……って、え?! それってマジですか? だって隣の県の湖って、めちゃくちゃ大きいですよ?」
「だが事実じゃ」
「へー……」
その話を聞いて、なんとなく地面がタプタプと揺れたような気がした。
3
お気に入りに追加
342
あなたにおすすめの小説
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
青いヤツと特別国家公務員 - 希望が丘駅前商店街 -
鏡野ゆう
キャラ文芸
特別国家公務員の安住君は商店街裏のお寺の息子。久し振りに帰省したら何やら見覚えのある青い物体が。しかも実家の本堂には自分専用の青い奴。どうやら帰省中はこれを着る羽目になりそうな予感。
白い黒猫さんが書かれている『希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271
とクロスオーバーしているお話なので併せて読むと更に楽しんでもらえると思います。
そして主人公の安住君は『恋と愛とで抱きしめて』に登場する安住さん。なんと彼の若かりし頃の姿なのです。それから閑話のウサギさんこと白崎暁里は饕餮さんが書かれている『あかりを追う警察官』の籐志朗さんのところにお嫁に行くことになったキャラクターです。
※キーボ君のイラストは白い黒猫さんにお借りしたものです※
※饕餮さんが書かれている「希望が丘駅前商店街 in 『居酒屋とうてつ』とその周辺の人々」、篠宮楓さんが書かれている『希望が丘駅前商店街 ―姉さん。篠宮酒店は、今日も平常運転です。―』の登場人物もちらりと出てきます※
※自サイト、小説家になろうでも公開中※
タロウちゃんと私達
鏡野ゆう
キャラ文芸
『空と彼女と不埒なパイロット』に登場した社一尉と姫ちゃん、そして羽佐間一尉と榎本さんがそれぞれ異動した後の某関東地方の空自基地。そこに残されたF-2戦闘機のタロウちゃん(命名は姫ちゃん)に何やら異変が起きている模様です。異動になった彼等の後を任されたパイロットと整備員達が遭遇したちょっと不思議なお話です。
『空と彼女と不埒なパイロット』に引き続き、関東方面の某基地にF-2戦闘機が配備されたという架空の設定になっています。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、マリアは片田舎で遠いため、会ったことはなかった。でもある時、マリアは、妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは、結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる