33 / 102
4
しおりを挟む
まんじゅうやどら焼きが詰まった袋を抱えて、ノルはとっとこ街なかを駆けていく。朝の通りは一日をはじめるひとたちでいっぱいだ。
ノルの顔を見た道行くひとがあいさつをしてくるたび、彼は気さくに笑って返す。
「おはようございます、ノルさん」
「はよーっす!」
「大荷物ですね。手伝いましょうか?」
「だいじょぶっすよ。これ見た目より軽いんで。それにおいら、こう見えて強いんすよー」
通りすがりの町民は、そうでしたね、と軽く笑って自身の用事を済ませに戻っていく。
まるで子どもをあしらうかのような対応にノルはちょっぴりくちびるを尖らせながらも、ふたたび足を動かした。
食べ物をあつかう店が集まるあたりを抜けて角をまがると、顔見知りの男がノルを見つけて手を振ってきた。守護隊のしたにある組織、巡邏に所属する男は、きょうは非番なのだろう。楽なかっこうで気の抜けた顔をしてノルに近寄ってくる。
「ノルさん、また飲みに行きましょうよ。いつもの店、新しい子が入ったんですよ」
「えっ、それは初耳っす!」
「最近、飲みに行ってないからですよ。今晩あたり、どうです?」
手首をくいっとかえして飲みに誘ってくる男に、ノルはうなり声をあげた。
「うぅー、行きたいっす。行きたいっすけど、いま仕事忙しいんっすよねえ」
「え! ノルさんが飲みより仕事を優先するなんて! そんなひとだと思ってなかったです!」
「おいらを何だと思ってるんすか。これでも守護隊の優秀な若者っすよ! って、ちゃんとその新しい子に伝えといてくださいっす」
がっくりと肩を落としたノルは、すぐに復活してちゃっかりと男に頼んだ。胸を張って、自分なりのかっこいい角度で流し目を寄こすノルに、男は笑う。
「いいですよ。ノルさんがいかに素晴らしいか伝えておきますから、実物見て落胆されないようにしてくださいね」
「お! 言うようになったっすねえ。じゃあ、くれぐれも頼んだっすよ! 滅茶苦茶かっこいい守護隊の優秀な若者っすからね!」
「あはは、わかりましたよ」
笑う男に頼んだっすよー! と念を押して、ノルはその場をあとにした。
進めば進むほどひと気がなくなっていく道をノルは迷わず進んでいく。街の中心からはずれ、さらに町民たちの家が集まるあたりも抜けて、閑散とした通りへとたどり着いた。
ひとはいないけれど、通りの左右には大きな建物が並んでいる。どこも長い塀に囲まれた、立派な屋敷ばかり。けれどその多くに住民がいない、がらんと静かな通りだ。
「……こんなでっかい屋敷も、住むひとがいないと哀れなもんっすねえ」
思わずノルがつぶやいた。その視線の先にあるのは、草木が伸び放題になった広い庭と瓦がずり落ちて無残な姿をさらしている無人の屋敷だ。かつては白くまばゆいほどであっただろう漆喰の塀は、ひび割れところどころが崩れ落ち、栄華を誇っていたころの面影はない。
ちらほらと見受けられる崩れた建物に目をやりながら、ノルはそのうちのひとつに近寄ると、誰もいないかとあたりに視線をやった。
猫の子いっぴき見当たらないと確認し、ノルはひざをわずかにまげてひょいっと軽く塀を飛び越えた。草の生い茂る庭に難なく着地すると、壊れかけた屋敷のよこに建つ土蔵に向かう。
「遅くなりましたっすー」
いくぶん小声で土蔵に声をかければ、間を置かず戸が開いてノルを迎える。ノルがするり、とすべりこむようにして入ったさきには、揺れる灯火に照らされたユンガロスがいた。
「ノル、おそい」
土蔵の戸を閉めるソルにじとりと見ながら言われるも、ノルは気にしない。すたすたとなかに進んで、ユンガロスのそばに置かれた木箱のうえに腕の荷物をどさりと置いた。
「いやあ、人気ものはつらいっすよ。ちょいと朝飯調達に出ただけなのに、騒動があったって呼ばれるし、あちこちで声かけられるし」
「騒動、とは?」
灯火のしたで調書を読んでいたユンガロスが、顔をあげないままに問う。積み上げられているのは過去数十年から最近にわたって街で起きたささいな事故、事件の報告書だ。膨大な量の書類に目を通す作業は時間がかかる。巡邏の仕事は守護隊の隊長が請け負っているとはいえ、ユンガロスはこのところそれらの書類にかかりっきりになっていた。
リュリュナの元へ通う時間もとれないほどに。
それがわかっていたから騒動と詳細をぼやけさせて流したかったノルだったが聞かれてしまっては仕方ない、とくちを開く。
「あれっすよ。ナツ菓子舗が急に注目浴びてるから、嫉妬したやつがちょっと荒っぽいことをっすね……」
「詳しく、はっきりと話しなさい」
ナツ菓子舗、とくちにした途端、ユンガロスは顔をあげてノルに視線を向けた。暗がりにいるからか、それともノルとソルしかいない密室にいるからか、いつもつけているサングラスをしていないユンガロスの裸眼に射抜かれて、ノルは観念するほかない。
「あー、まず言っときますけど、けが人はいないっす。ただちょっと商品にいちゃもんつけてる荒くれ者がいて、客が減っちゃってる感じっすね」
けが人がいない、と聞いてユンガロスは明らかにほっとした顔をした。くちには出さないが、彼の脳裏にはちいさな牙っ娘の姿が浮かんでいるのだろう、とノルは続ける。
「でも、店のひとが困ってそうだから、って巡邏を呼びに行こうとしてくれる客もいるみたいっすから。そう問題ないはずっす。店のお兄ちゃんが矢面に立つ覚悟してるみたいですし、白羽根のお嬢に面と向かって決まり事を守るように説くちびっこが、そうそうへこたれないっすよー」
「ちびっこだけど、子どもじゃない」
「……それも、そうですね」
ノルとソルに口々に言われて、ユンガロスはそっと表情をゆるめた。
白羽根のヤイズミの青いひとみに見下ろされながらも、ちいさな身体できりりと立って己の考えを告げるリュリュナの姿を思い描けば、自然とユンガロスの胸があたたかくなる。
愛らしい、けれど守られるばかりでもない少女を思っているユンガロスの前に、ずい、と白い塊が差し出された。
「ちびっこの代わり、でもないっすけど。ナツ菓子舗の菓子を買ってきたから、これを食べてもうひとがんばりするっすよ!」
「ノルのくせに、気が利く」
「くせにってなんすか! おいらは気遣いの塊っすよ。気遣い上手な美男子って呼んでくれていいんすよ!」
「断固、拒否」
「どういうことっすかー!」
じゃれるように騒ぐノルとソルを放って、ユンガロスは受け取ったまんじゅうをかじった。じんわりと広がる甘味が疲れた身体に広がって強張りをほぐし、並んで食べた思い出がよみがえると疲れた心がすこし軽くなる。
ナツ菓子舗に妬みを抱く者がいるのは気になるが、それはきっと菓子舗の面々がなんとかするだろう。ユンガロスがなんとかすべきなのは、もっと根本的な問題だ。
そっと指で触れた過去の調書を見るに、年々、恨みや妬みといった感情からくる事件が増加していた。
「やはり治安の悪化は由々しき問題です。早急に解決せねば……」
廃墟となった屋敷群のなかで、ユンガロスは静かにつぶやいた。
ノルの顔を見た道行くひとがあいさつをしてくるたび、彼は気さくに笑って返す。
「おはようございます、ノルさん」
「はよーっす!」
「大荷物ですね。手伝いましょうか?」
「だいじょぶっすよ。これ見た目より軽いんで。それにおいら、こう見えて強いんすよー」
通りすがりの町民は、そうでしたね、と軽く笑って自身の用事を済ませに戻っていく。
まるで子どもをあしらうかのような対応にノルはちょっぴりくちびるを尖らせながらも、ふたたび足を動かした。
食べ物をあつかう店が集まるあたりを抜けて角をまがると、顔見知りの男がノルを見つけて手を振ってきた。守護隊のしたにある組織、巡邏に所属する男は、きょうは非番なのだろう。楽なかっこうで気の抜けた顔をしてノルに近寄ってくる。
「ノルさん、また飲みに行きましょうよ。いつもの店、新しい子が入ったんですよ」
「えっ、それは初耳っす!」
「最近、飲みに行ってないからですよ。今晩あたり、どうです?」
手首をくいっとかえして飲みに誘ってくる男に、ノルはうなり声をあげた。
「うぅー、行きたいっす。行きたいっすけど、いま仕事忙しいんっすよねえ」
「え! ノルさんが飲みより仕事を優先するなんて! そんなひとだと思ってなかったです!」
「おいらを何だと思ってるんすか。これでも守護隊の優秀な若者っすよ! って、ちゃんとその新しい子に伝えといてくださいっす」
がっくりと肩を落としたノルは、すぐに復活してちゃっかりと男に頼んだ。胸を張って、自分なりのかっこいい角度で流し目を寄こすノルに、男は笑う。
「いいですよ。ノルさんがいかに素晴らしいか伝えておきますから、実物見て落胆されないようにしてくださいね」
「お! 言うようになったっすねえ。じゃあ、くれぐれも頼んだっすよ! 滅茶苦茶かっこいい守護隊の優秀な若者っすからね!」
「あはは、わかりましたよ」
笑う男に頼んだっすよー! と念を押して、ノルはその場をあとにした。
進めば進むほどひと気がなくなっていく道をノルは迷わず進んでいく。街の中心からはずれ、さらに町民たちの家が集まるあたりも抜けて、閑散とした通りへとたどり着いた。
ひとはいないけれど、通りの左右には大きな建物が並んでいる。どこも長い塀に囲まれた、立派な屋敷ばかり。けれどその多くに住民がいない、がらんと静かな通りだ。
「……こんなでっかい屋敷も、住むひとがいないと哀れなもんっすねえ」
思わずノルがつぶやいた。その視線の先にあるのは、草木が伸び放題になった広い庭と瓦がずり落ちて無残な姿をさらしている無人の屋敷だ。かつては白くまばゆいほどであっただろう漆喰の塀は、ひび割れところどころが崩れ落ち、栄華を誇っていたころの面影はない。
ちらほらと見受けられる崩れた建物に目をやりながら、ノルはそのうちのひとつに近寄ると、誰もいないかとあたりに視線をやった。
猫の子いっぴき見当たらないと確認し、ノルはひざをわずかにまげてひょいっと軽く塀を飛び越えた。草の生い茂る庭に難なく着地すると、壊れかけた屋敷のよこに建つ土蔵に向かう。
「遅くなりましたっすー」
いくぶん小声で土蔵に声をかければ、間を置かず戸が開いてノルを迎える。ノルがするり、とすべりこむようにして入ったさきには、揺れる灯火に照らされたユンガロスがいた。
「ノル、おそい」
土蔵の戸を閉めるソルにじとりと見ながら言われるも、ノルは気にしない。すたすたとなかに進んで、ユンガロスのそばに置かれた木箱のうえに腕の荷物をどさりと置いた。
「いやあ、人気ものはつらいっすよ。ちょいと朝飯調達に出ただけなのに、騒動があったって呼ばれるし、あちこちで声かけられるし」
「騒動、とは?」
灯火のしたで調書を読んでいたユンガロスが、顔をあげないままに問う。積み上げられているのは過去数十年から最近にわたって街で起きたささいな事故、事件の報告書だ。膨大な量の書類に目を通す作業は時間がかかる。巡邏の仕事は守護隊の隊長が請け負っているとはいえ、ユンガロスはこのところそれらの書類にかかりっきりになっていた。
リュリュナの元へ通う時間もとれないほどに。
それがわかっていたから騒動と詳細をぼやけさせて流したかったノルだったが聞かれてしまっては仕方ない、とくちを開く。
「あれっすよ。ナツ菓子舗が急に注目浴びてるから、嫉妬したやつがちょっと荒っぽいことをっすね……」
「詳しく、はっきりと話しなさい」
ナツ菓子舗、とくちにした途端、ユンガロスは顔をあげてノルに視線を向けた。暗がりにいるからか、それともノルとソルしかいない密室にいるからか、いつもつけているサングラスをしていないユンガロスの裸眼に射抜かれて、ノルは観念するほかない。
「あー、まず言っときますけど、けが人はいないっす。ただちょっと商品にいちゃもんつけてる荒くれ者がいて、客が減っちゃってる感じっすね」
けが人がいない、と聞いてユンガロスは明らかにほっとした顔をした。くちには出さないが、彼の脳裏にはちいさな牙っ娘の姿が浮かんでいるのだろう、とノルは続ける。
「でも、店のひとが困ってそうだから、って巡邏を呼びに行こうとしてくれる客もいるみたいっすから。そう問題ないはずっす。店のお兄ちゃんが矢面に立つ覚悟してるみたいですし、白羽根のお嬢に面と向かって決まり事を守るように説くちびっこが、そうそうへこたれないっすよー」
「ちびっこだけど、子どもじゃない」
「……それも、そうですね」
ノルとソルに口々に言われて、ユンガロスはそっと表情をゆるめた。
白羽根のヤイズミの青いひとみに見下ろされながらも、ちいさな身体できりりと立って己の考えを告げるリュリュナの姿を思い描けば、自然とユンガロスの胸があたたかくなる。
愛らしい、けれど守られるばかりでもない少女を思っているユンガロスの前に、ずい、と白い塊が差し出された。
「ちびっこの代わり、でもないっすけど。ナツ菓子舗の菓子を買ってきたから、これを食べてもうひとがんばりするっすよ!」
「ノルのくせに、気が利く」
「くせにってなんすか! おいらは気遣いの塊っすよ。気遣い上手な美男子って呼んでくれていいんすよ!」
「断固、拒否」
「どういうことっすかー!」
じゃれるように騒ぐノルとソルを放って、ユンガロスは受け取ったまんじゅうをかじった。じんわりと広がる甘味が疲れた身体に広がって強張りをほぐし、並んで食べた思い出がよみがえると疲れた心がすこし軽くなる。
ナツ菓子舗に妬みを抱く者がいるのは気になるが、それはきっと菓子舗の面々がなんとかするだろう。ユンガロスがなんとかすべきなのは、もっと根本的な問題だ。
そっと指で触れた過去の調書を見るに、年々、恨みや妬みといった感情からくる事件が増加していた。
「やはり治安の悪化は由々しき問題です。早急に解決せねば……」
廃墟となった屋敷群のなかで、ユンガロスは静かにつぶやいた。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ランク外の最弱職スマホマスターが実は最強だった話。
飛燕 つばさ
ファンタジー
この世界では、成人を迎えるとジョブを授かる。戦士や魔法使い。上位ジョブでは、剣聖や賢者も存在する。
主人公のヒビキは、これまで聞いたことのないジョブである『スマホマスター』のジョブを手にする。スマホマスターは謎が多いため、ランク外の最弱職と呼ばれていた。希望を持って王都までやって来たヒビキは、この事実に絶望する。
しかし、このスマホマスターは謎に包まれていただけで、実際には強力な能力を秘めていたのであった。ヒビキは、スマホマスターの能力で戦姫と呼ばれる強力なゲームキャラクターを顕現させて戦わせたり、それ以外の素晴らしい能力に目覚めていく…。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる