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2章

主人公のあり方とは 03

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「あっ、来ていたですね、コハクさん!」


「あれ、フローラさん?」

 店に来たのはフローラであった。



「おや、フローラさん。今日はお一人ですか?」

 センリ達と一緒に来る事が多いフローラだが、今日は珍しく一人らしい。

「はい。今日は私だけお休みを貰ったんです。ほら、今日は私がヴァーリアに来た日ですから!」

「なるほど、そうでしたか。では、私は料理の用意をしましょうか」


 そういうと、カノールは席から腰を上げた。

「あっ、カノールさん! デザートは二つでお願いします!」

「承知しました」


 そして厨房へと戻っていくカノールと入れ違う様に、フローラがコハクと同じテーブルに腰掛ける。 


「相席、よろしいですか?」

「えっ? あ、は、はい! どうぞ」

 もう同じ席に着いているけれども!? などとツッコミを思いつくコハクだが、フローラの楽しそうな笑顔を見るとそんな事は吹っ飛んでしまった。


(こ、こ、これって、フローラさんと二人っきりで食事という事になるのでは・・・!?)

 無駄に緊張するコハクである。

 生まれてこの方、交際経験が無いコハクにとって、女子と二人で食事と言うのは初めての経験なのであった。


「そういえば、さっき雪妃さんが店から出て行くのが見えましたよ。お出かけでしょうか?」


「そうみたいですね。雪妃さん、あまりお店の手伝いはしてないみたいで」

 すると、フローラはコハクの事を見ながら、何かにやにやと微笑み始めた。


「ふふふ、コハクさん? 雪妃さんの接客が受けられなくて残念ですね」

「な、なんで僕が残念なんですか!?」


「うふふ。あぁー、もう。コハクさんは可愛いんですからー」

 そう言いながら、フローラはくすくすと笑う。


「ま、全く・・・」

 そう言われて、コハクは顔が熱くなるのを感じた。

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