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ゲラゲラと笑いながら尊毘古は国家転覆を狙おうと再び術式の発動に取り掛かる。
「生き汚い、とは斯様な事だな。」
唇を噛み悔しげな表情でその場に残された天心と黒衣の骨を抱き締めると月に照らされる白銀の鬼といった風貌に合わない涙を流す。
だが、運命は悪しき野望には傾かなかった。
「鬼には、触れられないんだよな?」
「国家転覆とはいえ基礎的な仕組みだな。」
鬼灯がふとその声が聞こえた方に目を遣ると八塩が爆破で空いた天井から降りて来て尊毘古を蹴り飛ばし結界の外へと弾き出す。
そして九条に乗り駆け付けた星弌が国家転覆の術式を数秒も経たず初期化・消滅させてしまい九条が狐火を用いて結界の要石を完全破壊してしまう。
「....皆...生きていたのか!?」
呆気に取られる鬼灯に応える様に星弌が「無論」と応え八塩は檄を飛ばす。
「鬼灯!!そんなのは見りゃ分かるだろ!?
そいつらは俺たちが里へと連れて帰るから、お前はそこに倒れてる馬鹿野郎にトドメを刺せ!!」
倒れ込みながらもその場から逃げようとする尊毘古の姿はを鬼灯は見ると
「終わりだな、外道陰陽師。本来ならば拷問も辞さないが貴様を生かしておくなど俺にとって苦痛でな、疾く滅べ。」
仲間達の怒りや無念を刀に乗せると音も無く尊毘古の元に向かうとその首を一閃にて斬り伏せてしまう。
「ギャァァァァ!!」
無念に満ちた断末魔を上げながら尊毘古の身体は機能を停止した。
「これで...」
鬼灯が戦いの終わりを告げようとした時、鬼灯は見てしまった。
尊毘古の首から滴る血の一つが小さな龍に似た姿となり飛び去ろうとするのを。
「....大人しく滅べば善いものを。」
その場に残された天心のモーニングスターで黒衣の爆弾を投げ飛ばすと血塊の龍、形を成した尊毘古の魂は爆散し完全にその命を終わらせるのだった。
彼らの無念を晴らすのを見た鬼灯、そして八塩と星弌、九条は互いに顔を見て笑顔を浮かべると鬼灯の姿は元の姿に戻っていた。
これにて鬼牙流の戦いは終わりその後の歴史に表社会はもちろん、裏社会にすら彼らの名が登場する事は永遠に無かった。
忍は消えたのか、それともより深い影に生きているのか、それは誰にも分からない。
もしかしたら今現在我々が眼にしている世界情勢の陰にも彼らが居るのかも知れない。
「生き汚い、とは斯様な事だな。」
唇を噛み悔しげな表情でその場に残された天心と黒衣の骨を抱き締めると月に照らされる白銀の鬼といった風貌に合わない涙を流す。
だが、運命は悪しき野望には傾かなかった。
「鬼には、触れられないんだよな?」
「国家転覆とはいえ基礎的な仕組みだな。」
鬼灯がふとその声が聞こえた方に目を遣ると八塩が爆破で空いた天井から降りて来て尊毘古を蹴り飛ばし結界の外へと弾き出す。
そして九条に乗り駆け付けた星弌が国家転覆の術式を数秒も経たず初期化・消滅させてしまい九条が狐火を用いて結界の要石を完全破壊してしまう。
「....皆...生きていたのか!?」
呆気に取られる鬼灯に応える様に星弌が「無論」と応え八塩は檄を飛ばす。
「鬼灯!!そんなのは見りゃ分かるだろ!?
そいつらは俺たちが里へと連れて帰るから、お前はそこに倒れてる馬鹿野郎にトドメを刺せ!!」
倒れ込みながらもその場から逃げようとする尊毘古の姿はを鬼灯は見ると
「終わりだな、外道陰陽師。本来ならば拷問も辞さないが貴様を生かしておくなど俺にとって苦痛でな、疾く滅べ。」
仲間達の怒りや無念を刀に乗せると音も無く尊毘古の元に向かうとその首を一閃にて斬り伏せてしまう。
「ギャァァァァ!!」
無念に満ちた断末魔を上げながら尊毘古の身体は機能を停止した。
「これで...」
鬼灯が戦いの終わりを告げようとした時、鬼灯は見てしまった。
尊毘古の首から滴る血の一つが小さな龍に似た姿となり飛び去ろうとするのを。
「....大人しく滅べば善いものを。」
その場に残された天心のモーニングスターで黒衣の爆弾を投げ飛ばすと血塊の龍、形を成した尊毘古の魂は爆散し完全にその命を終わらせるのだった。
彼らの無念を晴らすのを見た鬼灯、そして八塩と星弌、九条は互いに顔を見て笑顔を浮かべると鬼灯の姿は元の姿に戻っていた。
これにて鬼牙流の戦いは終わりその後の歴史に表社会はもちろん、裏社会にすら彼らの名が登場する事は永遠に無かった。
忍は消えたのか、それともより深い影に生きているのか、それは誰にも分からない。
もしかしたら今現在我々が眼にしている世界情勢の陰にも彼らが居るのかも知れない。
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