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世は泰平

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ある王様が治める国。

民が飢える事なく、他国との貿易もそこそこある。
栄えた国、長閑な国。

時節には祭りが催され、王の挨拶で盛り上がる。

それくらいにしか、大きな役目はないではないか。
今年は、10歳になる王子が一緒に参加する。

「ああ、世は平穏。退屈だ。」

戦があれば、気を張るものの。
災害があれば慌ただしく働かねばならないが。


「こうも、退屈だと王もつまらない生き方だな」

そのため息も混ざる話を聞いた、従兄弟に当たる男が王に進言した。

「では、少々の仕掛けをしてみましょうか?」
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