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騎士、目覚める。

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「乙女ゲームが通りになると国が滅びるでしょ。」

そう言った友人は、学園で乙女ゲームをプレイしながら解説をいれる。

この声優と俺の知っているキャラの声で
俺の興味を少し混ぜつつ、独自理論を展開する。


「逆ハーって。この主人公にそれほど価値ないと思う。
政治に、貴族の牽制にも使えず役立たずとみんなくっつく。」

「そんなんで国がまわるか?」
「財源が火の車、国の機能停止だわ。」


真面目に語るのは、不真面目にプレイする乙女ゲームの事。
罰ゲーム的にやらされたそれは、ツッコミを入れながらサクサクと

終わらせた。


夢。
なんて言った、俺?

どういう事?という同室の騎士の視線。

口が動いて、叫んだ声に目覚めた感覚。

俺は朝の鍛錬をしながら、考えをまとめた。



俺はざまあ系の小説は読むが、乙女ゲームは性に合わねえ。
タイトルも攻略対象も知らん。

ただ、友人の顔も思い出せなくても声と内容はハッキリしている。

「逆ハーエンド狙いだわ、あの女!」


俺は剣の刃を見つめた。
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