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告発

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「私の罪です。」

記者たちの前で、話をする事にする。場所は教会の中を借りた。


「なぜ知られていないのでしょうか?」

「過去の辛い思いをもう一度彷彿とさせる話を広げるのは、憚れたからです。」

私の行いは、学園の中でおさめ民衆には広がっていない。
それを吹聴する者もいないだろう。

それなりに、贖罪したつもりでもある。もう過去だと、清算したと。


「被害者に申し訳ないと思わないんですか?!」

そう、それで消えないのよ。
「思います。

その時の償いを。今も後悔を。」

それで終わらせない記者に、力を込めて今の話をする。

「しかし、その事で脅されねばならないのでしょうか?
事実を記事には書かれました。

当時を知らない人間が、悪意を含めて。
色々言いたいことはありますが、私に過去の話です

私の娘にも及ぶ話を書かれれば黙っていられません。」


なぜ、娘にも及ぶのか?
被害者ではなく、部外者の新聞が、興味で掻き立てられるのは我慢ならない。


「私は問いたい。私の過去の罪で、今の私は脅されなければなりませんか?」


黙った。

そうだといえば、私に敵であり戦う構えだ。
否というのも、そうなのであろうかとうやむやな気持ちが残る。

沈黙、答えが出ないのが答えです。だからこそ、考え続けるのですから。

「許されたとも思っていなません。」

そう言って私は、記者達から逃れた。



家に帰り、夫に迎えられる。

「ごめんなさい、こんな騒ぎになって。」
「いいや、過去の償いはしたんだ。僕は、君が脅される必要はないと思う。」

理解のある夫だ。そして溺愛されている。

「そことは別件。恐喝だよ?僕の大事な奥さんを、ね。」


その朗らかな笑みが、1番恐い事を考えていると知っているのはそれほど長く
付き合っているからこそ分かる事。

王弟である夫とは年齢差がかなりがるが、
気性の激しい私に冷静に問いかけられるこの人とは相性が良いらしい。

「娘は大丈夫かしら?」
「大丈夫だろ。君に似て美人だが、僕の思考に似てる。
過去の話もしてあるから、手助けがいるようなら連絡してくるさ。」

疲れた私は、夫婦の時間をのんびり過ごした。


脅しをしてきた男がどうなったか?私は、興味を持たない事にする。

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