上 下
7 / 8
おまけ

オヤオヤ

しおりを挟む
どがーンッ!!

遠くで爆発的した音

魔物の氾濫を防ぐために、近場の領から戦力が集結していた。
それも、自領の守りは怠れないため

後進に譲った者達
端的に言って「年寄りの集会」

その中で一番若い男が、前線を指揮していたテントにまで聞こえた。

『頭脳労働は、若者の仕事だ。』
書類や伝令

うずうずしているのが丸わかりだった老人達に言われた。
他に成りてがいないというか
全員一致の指揮官役に、徹して3年になろうとしている。


残してきた子供達に領地を任せ、頼りになる弟を生贄…
据え置いて、学生をしている頃だ。


今は王都で勉学に励む…事もなく元気にしているだろう。


この魔物に氾濫は数年かかったが、安定し調査も進んだ。
国の兵力での監視に切り替えられる

「ようやくお役御免だ」とそう話していた。


共同戦線は、古株がいる心強さと
指揮官役の苦労をこなして、凝った首を回した。

そこでテントに最前線に出ていた彼の妻が戻ってきた。

「お帰りハニー。」

「腹減ったあ!」
怪我もなく、元気である。

食事をしながら、手紙の話になる。

「僕達の子だからね。ジルコニアは自由にやるさ」
「翼があるようにね。」


「ジュリアスはどうなるかなあ。僕に似て、トラブルの処理役だからね。」

「巻き込まれるわね!」

自分に似た性格の息子を思い出す。

「手紙にそろそろ帰れそうだと送ったから」
「心配性なんだから」

父と弟は心配性、母と姉は奔放だった。

「奔放なジルがいると余計かな。それも、婚約者が決まって
ますます元気に。ハニーにそっくりな子達だよ。」

遠く離れていても、元気でいる知らせは嬉しい。

賑やかな我が家が恋しくなるも、もう少し2人きりでいたくなった。
帰ったらどうせ、書類仕事が溜まっている。

報奨をもらえたって…、(そういえば)
「なんか、報酬を出さないって言っている王子がいたらしいけど?」

「ほう。」とても挑戦的な“ほう”だった。
「そんなことしてみな?王城、撃墜されるから。」


(このメンバーに喧嘩売れるって尊敬するよ。)

魔物を倒せる腕を持ち、魔物の氾濫を止められる指揮ができても
“バカって怖い。”で一致した。

後片付けと観察で終わりになる。
集結に向けての後方支援は、考えの余裕があった。

今後の算段を巡らせ、帰ってきたハニーを労いながら男は、
思いつきを口にした。


「温泉にでも浸かってから帰ろうか?あの子達に、弟か妹がいても良いと思わない?」

「それは、素敵な未来だね!」

キスを交わし、

「可愛い男の子でも女の子でも」
「賑やかになるね」

一緒に眠った。



「君らの結婚までに帰ってくるって。」父の弟を介して

ジルコニアとジュリアスに伝えられた事実は、“帰還は当分先”


領地を担う事になる、ジルコニア。
それを支えるジュリアスのお役御免も、まだ先になった。


「あの2人も逆転してるわよね。
提案したのは父さんで、母さんは乗っただけよきっと!」

そのノリでの行動は、着実に姉弟にも受け継がれている。
凄く覚えがあった。


「特大にブーメランってやつですよ
私にも当たるので、やめてください“お姉様”。」


そして今日も、平和であるのに急がしい日々で
「そろそろ休憩しようか?」

婚約者であり、義兄の馴染みっぷり。その安らぎは家族が増えても変わらない事だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

飲みに誘った後輩は、今僕のベッドの上にいる

ヘロディア
恋愛
会社の後輩の女子と飲みに行った主人公。しかし、彼女は泥酔してしまう。 頼まれて仕方なく家に連れていったのだが、後輩はベッドの上に…

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

猛獣のお世話係

しろねこ。
恋愛
「猛獣のお世話係、ですか?」 父は頷き、王家からの手紙を寄越す。 国王が大事にしている猛獣の世話をしてくれる令嬢を探している。 条件は結婚適齢期の女性で未婚のもの。 猛獣のお世話係になった者にはとある領地をあげるので、そこで住み込みで働いてもらいたい。 猛獣が満足したら充分な謝礼を渡す……など 「なぜ、私が?私は家督を継ぐものではなかったのですか?万が一選ばれたらしばらく戻ってこれませんが」 「その必要がなくなったからよ、お義姉さま。私とユミル様の婚約が決まったのよ」 婚約者候補も家督も義妹に取られ、猛獣のお世話係になるべくメイドと二人、王宮へ向かったが…ふさふさの猛獣は超好み! いつまでもモフっていたい。 動物好き令嬢のまったりお世話ライフ。 もふもふはいいなぁ。 イヤな家族も仕事もない、幸せブラッシング生活が始まった。 完全自己満、ハピエン、ご都合主義です! 甘々です。 同名キャラで色んな作品を書いています。 一部キャラの台詞回しを誤字ではなく個性として受け止めて貰えればありがたいです。 他サイトさんでも投稿してます。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

処理中です...