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破棄にする3つの方法
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「頭を使うの!」
「頭突きですか?」
表情筋を動かさずに、ティンが言った。
「あたしのような可憐な令嬢がそんな事するわけないじゃない?」
何言ってるのバカな子!と態度で示す。
「つい最近まで、気に入らない男の子に見舞わせていた記憶がありますが?」
反撃された。
「消しなさい!そんな記憶いらないわ」
「では、奥様にお伝えしておきます」
「やめなさいよ?!」
サーシャの部屋でのこの掛け合いは、使用人もいつもの事とスルーする日常風景だ。
自分が相手したくないと言う気持ちもあった。
「まったく。可愛げのない子になっちゃって。」
「お姉様は相変わらずな事で。」
サーシャの妹として養子の扱いになっている。しかし給料が良いのでメイドとして
お姉様付きになっているのだ。
その内容は振り回される、付き合う、話し相手という破格の対応だろう。
(ここのメイド服は可愛いので気に入っている。)
サーシャ様(笑)は
婚約者との交流という名の無言の時間を終え、何かお考え(?)のようだ。
正直、良い予感はしない。
妙な行動力、その気の強さに人を振り回すのに長けている。
“ガキ大将”と言われているのを、貴族令嬢の格好で参加したパーティでアリスティンは
聞き及んでいた。メイドとしても情報収集は怠っていない(趣味)。
そんな主人というか、困った姉が何か言うのを待った。
あたしは真面目に考える。
「婚約破棄よ!それしかないわっ。
あの男では、あたしの王子様にはなれないのよ。」
会話を試み、淑女として振る舞ったあたしも
もう愛想が尽きたわ。
ティンに本を取らせた。
『婚約破棄に持っていく方法』
「どこにあったんですか?」
「教科書を買う本屋に聞いたら、あったわ」
「行動力がありますね」
一応、メイドなので褒めた。わたしの扱いはというと…
「わたしは学費が出せないので…」
「ティンもサーシャと一緒の学校に行くのだ。いいね?」
「同じ年齢ではありますが…」
「サーシャちゃん、元気過ぎて心配なのだけど、ティンちゃんとなら安心できるわ!」
パパさんママさんに、そう言われていた。
このお姉様、サーシャ様のお世話は大変ですが
とっぴな行動力に、皆ついていけない。手を焼いているが少々の矯正は可能で。
今は本を読んで考える事も学んでいるけど
「相手を貶める
…恨みを買いたくないわよね。
あたしが落ちぶれる
…なんでよ!嫌よ。
相手を見繕う。
…これね。」
そろそろ考えがまとまったかな。アリスティンが声をかける
「何か決まりましたか?」
「<ステップ1>
契約を詳しく知りましょう、よ!パ…お父様のところに行くわ。
ティン、これ戻しておいて。」
そして、メイドを待たずに侯爵様の執務室に突撃しに行った。
「頭突きですか?」
表情筋を動かさずに、ティンが言った。
「あたしのような可憐な令嬢がそんな事するわけないじゃない?」
何言ってるのバカな子!と態度で示す。
「つい最近まで、気に入らない男の子に見舞わせていた記憶がありますが?」
反撃された。
「消しなさい!そんな記憶いらないわ」
「では、奥様にお伝えしておきます」
「やめなさいよ?!」
サーシャの部屋でのこの掛け合いは、使用人もいつもの事とスルーする日常風景だ。
自分が相手したくないと言う気持ちもあった。
「まったく。可愛げのない子になっちゃって。」
「お姉様は相変わらずな事で。」
サーシャの妹として養子の扱いになっている。しかし給料が良いのでメイドとして
お姉様付きになっているのだ。
その内容は振り回される、付き合う、話し相手という破格の対応だろう。
(ここのメイド服は可愛いので気に入っている。)
サーシャ様(笑)は
婚約者との交流という名の無言の時間を終え、何かお考え(?)のようだ。
正直、良い予感はしない。
妙な行動力、その気の強さに人を振り回すのに長けている。
“ガキ大将”と言われているのを、貴族令嬢の格好で参加したパーティでアリスティンは
聞き及んでいた。メイドとしても情報収集は怠っていない(趣味)。
そんな主人というか、困った姉が何か言うのを待った。
あたしは真面目に考える。
「婚約破棄よ!それしかないわっ。
あの男では、あたしの王子様にはなれないのよ。」
会話を試み、淑女として振る舞ったあたしも
もう愛想が尽きたわ。
ティンに本を取らせた。
『婚約破棄に持っていく方法』
「どこにあったんですか?」
「教科書を買う本屋に聞いたら、あったわ」
「行動力がありますね」
一応、メイドなので褒めた。わたしの扱いはというと…
「わたしは学費が出せないので…」
「ティンもサーシャと一緒の学校に行くのだ。いいね?」
「同じ年齢ではありますが…」
「サーシャちゃん、元気過ぎて心配なのだけど、ティンちゃんとなら安心できるわ!」
パパさんママさんに、そう言われていた。
このお姉様、サーシャ様のお世話は大変ですが
とっぴな行動力に、皆ついていけない。手を焼いているが少々の矯正は可能で。
今は本を読んで考える事も学んでいるけど
「相手を貶める
…恨みを買いたくないわよね。
あたしが落ちぶれる
…なんでよ!嫌よ。
相手を見繕う。
…これね。」
そろそろ考えがまとまったかな。アリスティンが声をかける
「何か決まりましたか?」
「<ステップ1>
契約を詳しく知りましょう、よ!パ…お父様のところに行くわ。
ティン、これ戻しておいて。」
そして、メイドを待たずに侯爵様の執務室に突撃しに行った。
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