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なぜ

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お茶を淹れ、部屋に入ると…入れ違いに狩人達が出て行く。

(紅茶がもったいないな。)
人数分用意した紅茶だったが
レナが旦那様へお出しして私の後ろへ控える。

執務机の前に椅子が用意され、そこに私は座った。

「君のメイドに狩人達を護衛に、街へ行ってもらいたい」

そう旦那様のお言いつけで、レナを送り出す事に。
街に行きたかったから、渡に船だけど。旦那様と屋敷で2人っきり?

「夕方には他の者達が来る。」

「そうですか。」


目線でレナと会話する

『よろしいのですか?この屋敷に1人ですよ!?」

『旦那様がいるわ。大丈夫、行ってきて。』

また、消えるかもしれない人だけど。
どちらにしてもレナと2人じゃやっていけない。応援が必要なのは確かよ。

下がったレナを見送ると、執務室は静寂に包まれる。
お声がけを待った。私から一方的に聞くより、何か心情がわかる言葉はないかしら?

目が合わない。心ここにあらずな旦那様の顔色は青白かった。



会話のきっかけはないし、椅子に座ったままで向かい合うだけ。

お茶は飲んでもらえたけど…?
やはり、よそよそしい。

お話が特にないなら、街に向かう3人を玄関へ見送りに行きたい。
お暇しようと立つ…





立てない。



「旦那さ、ま?」

ぐらりとバランスの取れない足。反射的に、執務机に手を着いた時
紅茶のカップにあたり、カシャンッと音を立てた。

なんとか目の前のいる旦那様の表情を、見上げた。

“悲痛”

何か言っている気がしたけど、倒れて床だけが見えた
(汚れてる)そう思って目を閉じてしまった。





「お嬢様が出ていらっしゃいませんね?」


レナは支度して玄関にいた。
お嬢様と準備していたため、持ち出す荷物もあり2日は保つ。

お一人でなんとかできるお嬢様だけど、親しくない旦那様と他の使用人がい中
心配だ。


玄関の外では…
狩人の1人が食品調達用らしい馬車に乗っていた。

「そろそろ出るぞ」

もう前髪が長い方の1人が、荷物を積み終わったらしい。

「お嬢様が出ていらっしゃらないんです。」
性格的に、見送ってくださると思うが。

「まだ旦那様と話してるんじゃな~い?」

チャラそうな男に、内心イラつくも馬車に乗り屋敷を出て行くのは決定事項だ。
私ができるのは、はやく現状をお嬢様のご家族に伝える事。


それには、いち早く安全に行けるこの馬車に乗るしかない。


言い知れぬ不安と
お嬢様の姿が見えなかった不信とで

私は狩人2人の動向に気が向かなかった。


ヒヒーン!

馬が異変を知らせるように、いなないた。
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