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V 舗装された道

冒険者ギルド

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ガヤガヤと賑わう冒険ギルドの入れば、

今日の仕事は終わりだと併設のバーで騒いでいる。
ピークというほどでもないが、ほどほどに賑わうのはバーに流れる者が多い影響だろう。
この町に大きな飲み屋がなく、少し遠い娼館まで行く。

そんな訳など知らず、人が多いなーとセリはギルド内を見まわしていた。
ギルドの造りは変わらないため、カウンターに寄って倉庫に獲物を出す流れだ。

小物が多いと言うが、この場で出すには数が多い。
ボア系の魔物も狩ったが、肉も全て売ってしまう予定だ。

それほど旨そうじゃないというのも理由だ。
グスタフが受けあってくれていたので、1人倉庫に向かった。

依頼を見たかったので来ているセリとお守り役とばかりに
カナンとロードがついたが、

「ギルド長がお話したいと…」受付からの言葉に、カナンとロードは一瞬視線で会話した。

『いってらっしゃーい』
『お前(カナン)が行け!』
『やだよー。オレのがトラブル来るじゃん?』

『セリと離れたくないっていうのに』

約束、忘れてないよな?のカナンの優位で終わった。

ロードがセリに向き直り、「待ってろ」と言いながら頭を撫で、階段を上がって行った。

「何の用だろう?」ギルド長に呼ばれる状況がセリには思いあたらなかった。
「勧誘もどきだよ」面倒くさいんだよなーやれやれと呆れ半分だ。

詳しく聞くと、
高レベルというだけで面会を望む、あーだこーだ話を聞かされ
依頼の打診をされる。あわよくば甘い汁を、拠点の移籍をなど鬱陶しいことになる。
強く出れない。

「ロードなら睨んで割愛できるのさ」リーダー様サマだろ?と自慢なのか
ホントに助かってると思ってるのか読み取れなかった。

面倒を任せられる
ニヤリと悪戯っ子顔で笑った。

つられて笑うもこのまま話しているより
依頼ボードを見に行った。

森はあるものの、小物が多くあまり金額は高くない。
採取は定番のもの、ここでも運搬の仕事が目立った。

ここで採取や討伐は割りに合わないな
と結論付けた。森の規模で定期的に魔物の間引きがあれば困らないのだろう。
この辺にダンジョンがあるとは聞かない。育った町の依頼を思い出し、
ダンジョンの存在で冒険者の仕事の影響が大きいと思った。

「ろくなの無いなー」カナンも同じ感想だったようだ。
興味が失せたので、辞典を見れないか移動の前に…

「ガキと獣人には難しかったかー?」バーの方から男の声で絡まれた。

ハハハハッ 酔いのまわった顔で数人が笑い出す。
絡んでいる人間は、荷運びの依頼を受ける、冒険者というより運び屋と言われる。そこには
『討伐が花形』とされる嫉妬も含まれているが、おくびにも出さない。

まあこんなの日常だよなと無視して、歩をすすめようとした。

「獣耳なんて、肉しか追いかけねえだろ」
獣人に向けられる、狩りの能力原始的だという揶揄が入る言い回し。

カナンに向けられた侮辱だ。
腕力でねじ伏せられる力をここでは使えない。ギルド内の暴挙はご法度。

バチャア!!

喋っていた男に、水がかけられた。

パチクリ止めを瞬かせる。
「悪酔いだね?口が過ぎるよ?おじさん」セリの水魔法だった。
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