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V 舗装された道

シュルトのお節介

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(顔色は大丈夫ネ)

カナンとロードに連れられてきた、セリを見て思った。
昨日はぐっすり寝れたのね。

それにちょっとモヤッとくるものがあるのは、セリを妹扱いしているからだと自覚した。

(そおよネェ…16歳。)
ロードも、カナンでさえ獣人の常識に引きずられて考えている。
体力や成長、文化・習慣もだ。
それが悪いわけじゃないいんだけど、悪い結果にならないか不安だ。

特に、体力面や性的なカンケイが。
セリはその部分の違いを知らずにいる。
拗らせると、シンドイものになりそうなのよネ(経験則)

特に直情的で、コッチの言うこときかない脳筋思考ったら……(恨み辛み)

おっと逸れたワ
ヒト族で言ったら、見習いとして慣れようと頑張る時期カシラ。
セリの能力なら、見習いからイッパシのってつくくらい冒険者として優秀ヨ?
アタシはって?もう冒険者兼、商人でやってたケド。先達のフォローがあってこそよネ。

獣人の文化に振り回されてたことのある身としては、複雑な気持ちがある。
まぁアタシの気持ちだけで、ロードとセリの関係にチャチャを入れるのは違うわヨ。

ロードに、“セリを取り上げられた”と認識されれば、アタシでも攻撃するのを躊躇わないだろうし。
その衝動が理性で抑えられないと話には、理解している。

気をつけないと。一番に避けなきゃいけない注意事項だ。

それでもセリに肩入れするのは止めない。
ヒト族の常識を持っていた方が、必要な対処できてセリの助けになる筈だ。

ロードのフォローは、カナンの役割ヨネ。体力も行動力も馬鹿みたいにないとやれないワ、尊敬。
カナンと落とし所をすり合わせて、セリの負担をなるべく取り除くのが良いだろう。
アタシはセリの体調や感情を読み取る努力をしよう。

小さい頃の弟妹達にしてきた“お節介”と一緒ネ
アタシの性分は変わらないワ。

それに、どんなだろうかと興味もある。

肝っ玉は座ってる
この歳でこの落ち着き様は、相当苦労したのだろう。
小さい頃の話、一端を聞いただけで周りの大人の不甲斐なさに腹立つ。

子供に何してんの?!って胸ぐら掴んで振り回して、性根をたたき直したいワ。

それを置いといても
不思議な娘なのよネェ。
キースの興味を惹くくらい、ねぇ?

キースと合った視線は、すっと興味ないとばかりに外された。
グスタフもキースも静かに本を読んでいる。2人とも近くで話しているのは気にしないので
構わずセリと話す。

部屋の割り振り?
「あの夫婦用の部屋ネ。」
あ、今気づいたのね。ズバリ言えば、
セリが逡巡した後、顔を紅くする。

(微笑ましいワ)

その変化は、年相応な反応に見えた。
揶揄からかって言ったんじゃないんだけど。
まだ若いものね。そういう配慮の裏も確認していきまショ。

今回は善意と、客室に『竜の翼』6人全員じゃ多いって理由だモノ

2人が戻ってきたので朝食へと部屋移動する。
セリの後ろ姿を見ながら考える。
それは商人としての嗅覚なんだけど、趣味にもあたりそうで
正直、ウキウキしている。

カナンは、ロードにかかりきりだったけど
これを気に、少しは楽できるかしら?それとも逆に苦労が増えたりして。
ゴクロウ様。


ロードかあ。
野生の勘で動くような、はちゃめちゃだけど
結局、良い納め方するのよねぇ。

感覚で生きてるってタイプね。
それに振り回される方は、精神力が必要よね

セリに、メンタルの強さはありそうだけど
その早世な成長が、脆さを含んでいないか?


ゆっくり向き合ってみたいと思う。
長い付き合いになるのだと予感しているカラ。
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