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III 貿易都市

② 調合と付与

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ちょっと鬱々した気分で、調合を完成させる。

湯気のように魔力が立ち昇り
完成の証にふわっと気分が上がる。

初級のポーション

瓶詰めする手前まで作れた。
ここで、変になってないか鑑定してもらう。

「キース」
呼べば、付与がひと段落したキースが顔を向けた。

「鑑定すればいいの?」

頷いて、場所を移動した。

魔力の巡りを感じる。
「は?」

鑑定したようだが、変なものになったらしい反応だった。


しばらく、
じっと鍋を見つめるキース。

「手順は?」応えたのはキースだけではなく近くに居るロード。
「変わったことはなかったぞ?」

光ったりなどは、なかったのに。
そう、変化がないからポーションができたと思えたのに!
また、使えない物を作ってしまった。と落ち込む。

ぽそりと声がした。

「気分を向上させ俊敏性アップ
何?このポーションの効果?」

あり得ない結果と言いたいんだろうけど、

セリの方は、毒物ではなかたったかという安心があった。そして、
(そんな変なポーション、売れないだろうな。)と冷めた目でポーションを見る。


ロードが「戦闘前に飲めばいい。」と言った。

怪我した後に使うポーションを先に飲むのか。
なんか斬新。

何かを飲み込んだような間の後、
「シュルトに相談だね。鍋のまま入れとこ。」
で話は終わる。


変なものを作ったので、
中級ポーション作りは諦め、調合の方に取り掛かることにした。

といっても、ハーブティを作ることにする。
どれを使うか。料理用にも取っておくことを年頭に、考え始める。

「こっちも終わったし、セリ、紅茶!」

キースの声で休みを入れることにした。
紅茶を飲みながらのが、いい組み合わせが出るかも。

チョコレートと共に。、ティータイムと洒落込むことにした。


紅茶を淹れ、座って寛ぐ。

ブレンドティーでどんなものが欲しいか2人に聞けば、

「香りがいいやつ作って。」

「フレーバーティか好きな香りはある?」

「ハーブもフルーツも好き。
だけど、ブドウは避けて欲しいかな。白ブドウなら良いよ。」

ブドウは、ワインと味が被るからかな?
チョコレートに使われている果物ちハーブを合わせることにする。


ロードにも聞けば、

「眠くならないやつ」

以前にすぐ寝てしまったのが嫌だったのかな?というオーダーを受けた。

目覚めほどでもない
ロードのオーダーはどうするか。

「黒豆出汁でも飲んだら?」

キースが言っているのは、すごく苦くて黒い飲み物だったか?
香りは良いが、苦味がすごいと聞いたことがある。
(商業ギルドの翁、談)


「あー。チョコとは相性が良かったけどねー。」と付け加えられた。

そのチョコは、機会があれば食べてみたいと思えた。

目覚めに良いもの、
酸味のあるもので作ることで方向性は決まった。


ゆっくりティータイムにする。


「付与も終わったし。何かやってみようかなあ。」
キースは簡単にいうが、回復の付与は特に物への定着がしにくい。

特別な宝石でやっと創れる。
砂粒でも付与できるのは凄いんだけど。


変わった付与の事を思い出したので、話すことにしたセリだった。
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