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III 貿易都市

喫茶でケーキ

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宝石を預け、ダガーを手に入れたセリ達は宿に戻った。
お茶の時間に丁度良い頃合いだった。

今回とったのは、
高級と頭につく宿で、大商人が護衛や従業員を引き連れて来る。
外観は大きな屋敷のようで、
書斎、浴室、寝室と護衛用の大部屋が続きで作ら、宿をとれる。

5人から10人ほどベッドを入れれば寝られる部屋というのは、
どれだけ広いのか。セリには食堂くらい広いのかなと漠然としたイメージを持っていた。

内装は、貴族の家とは違った趣だった。
富を見せつつ、調和を保つ。

商人同士の商談をまとめる場所として、
疲れを癒す宿として作り上げられている。

入り口から入って、案内されたとこに
喫茶スペースがあり、シュルトとキースがいるのが見えた。

ここで会ってから部屋に行くことになっている。

「良い買い物できたかしラ?」と買い物を知っているかのように
言ってきたシュルトに、報告する。

「ダガーを買った。この金額支払うのに稼ぎたい。」
魔石の付与でこの金額を賄うには、いくつ作ればいいんだろう?

「アラ?ロードに買わせなかったのネ」
ちょっと意外だったと言いたげなのは、ロードに対してらしい。

「セリが望まないなら、引くしかないだろ。」ちょっと残念といった雰囲気だが
武器は自分で買うものでしょ?

一新されている自分の装備をセリは見た。
パーティとしてお願いする場合もあるけど。

これから、どう支払えるものなのか。
役立っていきたいと思う。


「なんか頼んだら?」キースの前には、小さなケーキが残っている。
香ばしいクッキーのような匂いがするので、
紅茶が飲みたくなった。

「ロード、カナン。ギムナスが用あるって。」
シュルトの言葉に、座ろうとしたロードの機嫌が降下した。

「セリとお茶…。」

「早く行かねぇと、一緒に部屋へ行けないんじゃないか?」
カナンの謎の助言に渋々、立つ。ギムナスの待つ部屋へ2人は向かった。

グスタフは紅茶を飲む気がないらしく、
ヴァルトの様子を見にいった。

従魔を休ませる小屋が用意されているところに預けられているため、
他の従魔とケンカになっていないと良いけど。

たまにあるらしい。
鳥の魔物だけではなく、大型の魔物もいるかもしれない。
フォレストオウルは、魔法を巧みに使うと聞いているが

どれだけ対処能力があるか、森にいる時より心配だ。

少しソワついたが、グスタフが行くなら大丈夫と、
淹れられた紅茶を飲んだ。
スッキリした味で高級だろうと思われる。

ケーキも頼んでしまったが大丈夫か今、気になった。

その気持ちを置いておいて、
小さいケーキが並んだのを見る。
目でも楽しい。

上品で、細かなところまで配慮された味だ。
中層で木の実の歯応えを楽しめる。

柑橘の皮が入っているものもあり、
職人技のケーキを堪能した。


おいしい
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