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II-a 王都に向う旅
商業ギルドへ <移動中>
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抱き上げられるのにも、慣れてきた。
ロードの足の速さに、追いつける自信がないので
大人しく運ばれている。
後ろの2人は慣れたように、ついてきている。
…体力とスピードをつけようと決めた。
知り合いに見つかりたくないので、
顔を隠すようにロードの胸に顔を埋める。
「くっ」(セリが可愛い!)
声がしたので顔を上げる。なんだろうか?
「ん?」と自分に向いた瞳に、照れて視線を外してしまった。
それに笑みを深めたロードの顔は見ていなかった。
「チョッと!そこ、右ヨ」
と通り過ぎていたのに気付けなかった。
商業ギルドの受付で、待ち合わせの人物達を問い合わせる。
今回は降ろしてもらえた!
『竜の翼』プラス1なのだから、冒険者として振る舞わなければ。
パーティへの加入を見送った理由は、ランクの関係。
Dランクの自分が入ってしまえば、
パーティの依頼が受け付けられるランクまで下げてしまう。
ギルドとしても不利益なので、措置を取ってもらった。
セリの理解はそうだとしても、ギルドマスターの思惑は
“セリに要らぬ苦労をかけさせたくない”というものだ。
高ランクのパーティに入る、
それだけでやっかみが出る。口撃の隙を与えるようなことにしたくない。
直接的な攻撃は、お前が守れ。とリーダーに言ってあった。
そんなやりとりは知らないセリだが、いろいろな配慮に感謝している。
腕から降りたことに、リーダーが少し拗ねたように見えるが気にしない。
部屋に入り、待っていた商人に挨拶する。
『竜の翼』とは以前にも護衛任務を指名した人のようで
慣れた印象だった。
狐目の男性でこの商業ギルドの長だ。確かギムナスさん
もう1人はトムハーンさん。アイハンのお父さんだ。(トムおじさんと呼んでいる。)
今回の依頼は、
王都での会合のため団体での移動、その護衛だ。
キャンプ地で他の団体と合流し、集まったところで
皆で向かう。という予定が組まれている。大所帯になるらしい。
明後日の昼から出発。
朝のギリギリまで仕事をして出るそうだ。急がしそう。
当日の目的地は、“丘のキャンプ地”と言われている所。
森の中、丘になっているところで休めるよう警備、広場がある。
以前に寄ったことがある場所だった。
「アタシも行けるワ
それとこの子、セリも連れて行くカラ。」
シュルトが
ギリギリまで参加を決めかねていたのは、薬の関係だったが
キラウェーブ草がしっかりと手に入ったので
余裕を持って王都に行けると言っていた。
「おや、セリですか。冒険者と一緒なのは珍しいですね?」
言葉を交わしたことはないのだけど、
孤児院からアイハンと来ていたので、名前は知られているらしい。
「ええ。ロードの番なのヨ。」
「それはそれは!おめでとうございます。」ロードに向いて祝辞を述べた。
トムおじさんは目をカッと開けて驚いている。
「支払いには、番金<つがいきん>が発生しますね。」
聴き慣れない言葉が出た。
「存在は知っていたケド、はじめてだワ。」
自分にも関わりがあるものだろう。なんだろう?
ロードの足の速さに、追いつける自信がないので
大人しく運ばれている。
後ろの2人は慣れたように、ついてきている。
…体力とスピードをつけようと決めた。
知り合いに見つかりたくないので、
顔を隠すようにロードの胸に顔を埋める。
「くっ」(セリが可愛い!)
声がしたので顔を上げる。なんだろうか?
「ん?」と自分に向いた瞳に、照れて視線を外してしまった。
それに笑みを深めたロードの顔は見ていなかった。
「チョッと!そこ、右ヨ」
と通り過ぎていたのに気付けなかった。
商業ギルドの受付で、待ち合わせの人物達を問い合わせる。
今回は降ろしてもらえた!
『竜の翼』プラス1なのだから、冒険者として振る舞わなければ。
パーティへの加入を見送った理由は、ランクの関係。
Dランクの自分が入ってしまえば、
パーティの依頼が受け付けられるランクまで下げてしまう。
ギルドとしても不利益なので、措置を取ってもらった。
セリの理解はそうだとしても、ギルドマスターの思惑は
“セリに要らぬ苦労をかけさせたくない”というものだ。
高ランクのパーティに入る、
それだけでやっかみが出る。口撃の隙を与えるようなことにしたくない。
直接的な攻撃は、お前が守れ。とリーダーに言ってあった。
そんなやりとりは知らないセリだが、いろいろな配慮に感謝している。
腕から降りたことに、リーダーが少し拗ねたように見えるが気にしない。
部屋に入り、待っていた商人に挨拶する。
『竜の翼』とは以前にも護衛任務を指名した人のようで
慣れた印象だった。
狐目の男性でこの商業ギルドの長だ。確かギムナスさん
もう1人はトムハーンさん。アイハンのお父さんだ。(トムおじさんと呼んでいる。)
今回の依頼は、
王都での会合のため団体での移動、その護衛だ。
キャンプ地で他の団体と合流し、集まったところで
皆で向かう。という予定が組まれている。大所帯になるらしい。
明後日の昼から出発。
朝のギリギリまで仕事をして出るそうだ。急がしそう。
当日の目的地は、“丘のキャンプ地”と言われている所。
森の中、丘になっているところで休めるよう警備、広場がある。
以前に寄ったことがある場所だった。
「アタシも行けるワ
それとこの子、セリも連れて行くカラ。」
シュルトが
ギリギリまで参加を決めかねていたのは、薬の関係だったが
キラウェーブ草がしっかりと手に入ったので
余裕を持って王都に行けると言っていた。
「おや、セリですか。冒険者と一緒なのは珍しいですね?」
言葉を交わしたことはないのだけど、
孤児院からアイハンと来ていたので、名前は知られているらしい。
「ええ。ロードの番なのヨ。」
「それはそれは!おめでとうございます。」ロードに向いて祝辞を述べた。
トムおじさんは目をカッと開けて驚いている。
「支払いには、番金<つがいきん>が発生しますね。」
聴き慣れない言葉が出た。
「存在は知っていたケド、はじめてだワ。」
自分にも関わりがあるものだろう。なんだろう?
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