ロイヤル王国の放逐王子と腹黒女のその後をお伝えします[完結]

知識チートは懐も温かくなる【中編】

乙女ゲームってどうなったかな？
って思ったのは、チュエリーの花が散っているのを見た時だった。
“この花の下で告白してキスすると幸せになれる”といわれている濃いピンクの花だ。

結局、わたしは例の場所に行かなかった。
そこで、事故があり怪我人が出たとだけ確認して

乙女ゲームへの不参加
魔法学園とは縁のない日々を送っている。

が、しかし。
ひとつ報告がある。

知識チート、やっちゃいました！
うがい薬でね。

だってねー。早く欲しかったし？
うちの父さん、喉が弱いからさ～使って欲しかったのよ。

うん、本当に。
現金収入、薬屋への売り込みで
がっぽり儲けさしてもらいましたよ！！

薬屋に太いパイプができて異国の香辛料が手に入ったり
料理の材料を仕入れたりしてたら、

母が漢方みたいなのに目覚めちゃって。
医食同源って説明しちゃたら、それだあ！って。

スープとか病気の時の療養の食事
持ち帰り用をやり始めるにあたって、店を立ち上げまして。

お母様方ネットワークで、大きな店になりました。

母のがチートじゃない？
母強し。
父は雇い人に買い付けを仕込んで、筋肉…人を育てる！
ってのんびりやってくってさ。

しばらく働かなくて大丈夫なくらいの金額がわたしにも入ってきた。
なので、念願のカフェをのんびりやりつつ
薬屋や母に呼び出されて
急がしく働いていたので、考える気もなかった。

あ、ざまあってそろそろっていうか、終わってる？


折角乙女ゲームの世界に転生したのに…

と思う人もいるかもしれないが許してほしい。
この生活を楽しんでいるんだ。

修羅場に突っ込んで逝く、趣味などない。
階級制度と、成績がものを言う小さな貴族社会
それが、
ゲームの舞台はロイヤル王国魔法学園！

ひとつの街のようなその学園の様子を
いち町人が知れるものか！？

潜入なんてミッションインポッシブル
魔法がある世界なんだよ？

覗き見なんて無理ですよ。
ただ、例外がありました。

“号外”

第一王子の失墜！
平民女の手練手管に堕ちた


これ見て分かった
ああ、ざまあだったか。


たぶん、平民落ちのバッドエンド。
ハーレムルートを失敗するとなる、
ヒロインが攻略者の好感度上げで失敗したんだ。

王子ルートだったのか？
他に狙いが？

「ちょっと！セリア手伝って」
「はーい」

まあ、関係ないか。