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報告書

11-③

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討伐隊を送る、実行に際しても少々の反感はあった。

“竜人同行の是非”

『監視部隊の情報から、奴がこの地を去ったと思って良いのではないか?』
これに関しては、痕跡を残さず移動した可能性を出した。

実際、木の上から獲物を狙い自身の足跡を消し去っている。専門家が見つけられない程に。
雪、風に状況も見てここで決めた方が良い。

『危険から、城の者を守る』その一心でひとつになった。結論は出た。

『城内の不安が爆発しない内に、討って出る!』


「先延ばしは、更なる問題をうむ。城から出る選択は、遅くなる程難しい。」

更なる雪、魔物の脅威。生き残るために、生ある者を襲う。命のやり取り
危機の排除を決断した。

「今、私達に勝算がある」


足元の雪は減り、しばらくは雪は降らない。討伐隊を送り出しても、不安は募る。

第一陣は、拠点の確保と川を遡上しての捜索。
第二陣と拠点で合流、資材の補給と情報の共有後に監視する。

しばらくは、地図の範囲内で行軍だ。

魔物との戦闘はなるべく避け、


城でも住民の不安を、商人が宥めている。

「捕球に買い込んだから作戦を勘付いている商人にも不安は広がってんな」
「不安を煽る事はないが、空元気のような気もしてしまうな。」


私も落ち着かない。しかし、この城からやれる事は今はない。

そんな日々でも会議に食事、雪は降る。


「あの時は報告を待つ間が、1番長く感じるモノだと思った!」

今現在、この頃を思い返して文章を見ると<打つ手が決まってもすぐに出られないのが辛かった!>

大きく書かれていた。ジリジリとストレスが掛かったのだろう。


「待つのは得意で、気が長いと思っていたんだがな。」
「え、短気でしょ?」


紅茶を飲んで、相手の指摘を誤魔化す。

「自己認識の修正が必要か。おっと、ゆっくり飲んでもいられない。」

紅茶をおき、届けられた書類に目を通す。後で返答を返すとして、この場を設けた理由を話し合わねば。


「助けられた子供は?」

竜人の番ツガイ、この問題になりやすい関係性。


「今は時期が悪かったか。王位継承問題に関係して、学園の中で問題が起こった記憶に新しい。」
「へえ。関係ある?」

「関係を結び付けてしまう者が、出る」
「まあ、居そうだね?」

貴族の厄介な習性だ。ここには兵士も庶民もいるが。

「騎士は貴族の縁故だ」
「そうだね?動き出しそう」


最大の難関かと思われた魔物も、素材と化した。というのに、また何かが起こるかもしれない。
それもこの城内で!住民の間での複雑な問題となりうる。


「頭が痛い」


それでも。子供への保護、体を癒した頃に面会しなければ。
(それまでに、派生した諸々が片付いていると良いのだが。)

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