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8-②

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私はダンジョンの魔素を研究している男と面会していた。

薬草学はエルフの知識。ドワーフの祖父を持つ研究者で冒険者並みの胆力もある。この外で魔物を退けられる者は少ない。

「うってでるより守りに徹した城だからな。」
「立て篭もるのに適している。」

食糧、治療薬、雪深い間に過ごすための施設と揃っている。研究者にとっては、篭れる部屋と本があれば快適だな。

寒さも外に出なければ感じない。

景色がほぼ変わらないのが寂しいだろうか?
今日は吹雪いていないなという変化しかない。

どんより雲が浮き毎日、雪がある。

たまに雪掻きに飽きた者が叫んでいるが、怒鳴られ返されている。
懲罰の雪掻きらしい。

あの広さをやるとなったら、うんざりなのはわかる。
魔道具で雪を溶かしているからな。

その整備をするドワーフの酒も備蓄
贈り物用の酒も持ち込んでいる。何はともあれ酒からだからな。

この男も酒はイケる口だ。言葉は少ないが。研究関連んでは別だな。

「魔素だまりに変化があると、魔物も活発化する。大物が出現した報告もあった。警戒が必要だろう。」

「そうか、風も怪しい。これは、不吉な兆候だ。」

魔木の出現は、魔物の氾濫に繋がる。その専門家が言っている事は、無碍にできない。しかしそれは分かってもすぐに人を動かしてどうにかできる物でもない。

地理的要因、慣れていない事。
魔物の対処は討伐隊を組む

「基本、城に近づいてこなければやり過ごす方針だ。」

練度を高めるために来ている新人が多い。この地の雪に慣れていない者も多い中で、大型の魔物を追いかけるのは難しい。

慣れている者さえ危険なのに

「そうだな」

この男は単独で調査に行けるほどだが、魔物を狩る専門ではない。魔導具での支援はできるが、

「私が出る訳にもいかんからなあ。」

私の役目は椅子を温める事なのだ。


それでも手を打たない訳にはいかない。
教官を集めて
前年と違うと察知している者も居るだろう。

「会議に出すか。」

まだ急ではないが、確実に動き出さなければならない事案だ。

最悪私が狩りにいくとして同伴者が必要だ。寒いのは仕方がないが、良い風ではないのが気掛かりだった。

それに教官今のメンバーで打開策がないのも痛い。

獣人の戦闘畑の者は危機管理は少ない。それも仕方がないか。彼らはここに居る者を鍛え、守るために来ているのだから。

この予兆にそれほど緊迫感は感じないだろう。会議でも反応はイマイチだった。

「王都から新しく冒険者を連れてきてからっつーのが、安全策じゃねーか?」
「そうだな、この視界の悪さに寒さは危険だ。」

冒険者として活動した事があれば分かる。足を取られ、道に迷う。寒さの中で忍び寄ってくる魔物。

この不利な状況を反転させる急な報せが入ったのだった。
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