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<辺境 編>

岐点

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調査の結果をまとめてみた。
「王都までの被害も考えられる規模だ。」

地図に地形、魔力の流れとギルド長に就く前からアクレイオスの集めていた資料も組み込まれているらしく。
線がいっぱい書き込まれていた。

セリにはグスタフが何を視たのかわからない。

そしてキースの方の調べでは、ダンジョンに行ったと嘘の報告していたらしい。近場で訓練して帰っていたそうだ。兵士の上が、責を負う。
「近くを管轄する家と協力して、掃除をするらしいよ?」

ダンジョンから溢れる魔物の対処より、対策してからの討伐なら…
「被害が抑えられる?」

「出てくる魔物も減るわな。」

戦線が崩れて、町に押し寄せた魔物とその傷跡。畑も建物も粉まみれで、水魔法でなんとか洗い流した記憶。
『なぜ守ってくれなかったのか』『子供には無理だった事だ』

密やかに、片や激昂しての叫びはあの頃の記憶へ戻される。

「一応の危機回避ができたと報告結果を出せる」

グスタフの締めにm心の片隅で安堵する。

“もう、あの記憶のような事は起こらない。”

でも、それならばあの時。何が足りなかった?私じゃダメだった。ここまで辿り着けなかった。だって、だって…。

「セリ?」

ロードの声で思考の渦から戻る。キースの問い。
「当主捜査の依頼、出るかな?」
「ガイサスからの聞いた話では、当主と関わっている貴族の特定はできたって。けどそのまま硬直状態。」

その貴族、私に暗殺者を向けた人と繋がっているみたい。本当に生きていりようだけど。
何か、生かしておく理由があるのかな?

魔導具を使っているとか。調査用で、多分場所は森。
専門知識と修理ができる人材だ。それに従っているなら、どうしてか。


「どうするの?」

シュルトが心配気に聞く。聞いてくれるし、考え方もあると話ができた。
今までの話が一方的だったなと思う。

『セリくらいの年齢ならおかしくないワヨ?』

フォローも助かった、だから私の答えを出そう。
「私が依頼料の補填になる?」

竜の翼のメンバーを見回す。
「水魔法、あの練度なら僕の実験補助には使えるね?」

回復魔法を水魔法でできないかの実験だ。

「精霊の愛子には興味がある。」

エルフの領域だが、グスタフは森と精霊の関係を観察している。精霊の愛子がその橋渡しをするという記録もあって話を聞きたいと言っていた。

私も自身の状況が気になる。


「依頼料を当主に出させるね?」

「見つからないと、出すもの出せないでしょ。」

「いいね、セリちゃんいた方が楽しいそうだもんね~」

ロードを見る。

「俺はセリと一緒が良い。」

私は決心できた。
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