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<辺境 編>
研究者
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王都からの荷物かと思ったが、竜に乗った人とシュルトが会話をしていた。
「最後のメンバー、グスタフ」
その紹介に挨拶を返したものの、がっちりとした体格は歴戦の冒険者を思わせ威圧感。
その人が、ダンジョン専門の研究をしていると聞いた。
「頭も良いけど、腕の良いワヨ」
確かに。自身もダンジョンに行く装いのようだ。
「竜に乗ってきたしな」
護衛にと着いてきた、コック姿のバリス。サディスも一緒だ。
正直、ロードに抱っこでとっても偉そうだったセリが出来上がっていた。直前でなんとか降ろしてもらったけど。
衝撃、驚きの光景だった。竜を見られる経験は、王都の建国祭の時くらいで。
もちろん初めて。以前の記憶にも絵でしか知らない。
「竜。」
どこにいてもらうか考えたけど、このまま帰ってしまうらしい。飛竜に、魔法で出した水を飲ませて、飛んで帰っていくのを見送った。
そしてご案内。お茶を出し、休んでもらう内に部屋の準備へ走ってもらった。
「ダンジョンを研究している人がいるとは、知りませんでした。」
「管理しているのは魔術師の領分だが、観察に必要なのはそれだけではない。」
落ち着いた低い声に、ちょっと落ち着いない気持ち、これがウットリ?
「セリ、グスタフが好みか?」
「好み?」
ロードの膝の上で少し考える。
「父親だったら頼りになるなってのは思う。私の父親(仮)は色々と酷いみたいで。ちょっと夢が見たい。」
そう答えると、緊張感が緩んだ。セリは事態の原因がわからないが、ロードが落ち着いてくれたには分かった。
そのまま個人的な話になる。
「グスタフは、相手いるからなー?酒がうまい食事処で給仕しるんだわ。」
シュルトも結婚済み店の職人さんとだって。
ヴェーネン家の関係で結婚しているには、マリー。ドム爺の奥さんは昔に亡くなられたと聞いた。
当主代理として、皆の相手を探すのは私の役目だろうかと考えてしまった。
そして、書庫に移動。キースもいる筈だと話していたが。
キビキビ歩く速さに小走りでついては行かず、ロードに片手抱っこ移動。
本にも興味がある様子だけど、魔導具の方に行った。
「エルフの知識だな」
「先々代が取りに入れたのかと。アクレイオスと少し交流もあったそうですし。」
ギルド長、種族的に長生き。その当時は冒険者ギルドにいなかったと聞いたか。
当主の父親から武力傾向は強く、調査を軽んじた。向かなかったのもある。
自分の息子達を鍛えて家に栄華をー!と盛り上がったらしい。当主は違ったけど。
その話をしながら、魔導具の改良点を教えてもらって記録しながら聴いていると。
「昼、食おう。」
たいぶ時間が過ぎていた。
「頑張ったな。」
ぽんぽんと頭を撫でられる。
ぐうっとお腹も減り、ちょっと気持ちが暴れそうだったのでロードに抱きついたセリは、食べに行こうと誘った。
「最後のメンバー、グスタフ」
その紹介に挨拶を返したものの、がっちりとした体格は歴戦の冒険者を思わせ威圧感。
その人が、ダンジョン専門の研究をしていると聞いた。
「頭も良いけど、腕の良いワヨ」
確かに。自身もダンジョンに行く装いのようだ。
「竜に乗ってきたしな」
護衛にと着いてきた、コック姿のバリス。サディスも一緒だ。
正直、ロードに抱っこでとっても偉そうだったセリが出来上がっていた。直前でなんとか降ろしてもらったけど。
衝撃、驚きの光景だった。竜を見られる経験は、王都の建国祭の時くらいで。
もちろん初めて。以前の記憶にも絵でしか知らない。
「竜。」
どこにいてもらうか考えたけど、このまま帰ってしまうらしい。飛竜に、魔法で出した水を飲ませて、飛んで帰っていくのを見送った。
そしてご案内。お茶を出し、休んでもらう内に部屋の準備へ走ってもらった。
「ダンジョンを研究している人がいるとは、知りませんでした。」
「管理しているのは魔術師の領分だが、観察に必要なのはそれだけではない。」
落ち着いた低い声に、ちょっと落ち着いない気持ち、これがウットリ?
「セリ、グスタフが好みか?」
「好み?」
ロードの膝の上で少し考える。
「父親だったら頼りになるなってのは思う。私の父親(仮)は色々と酷いみたいで。ちょっと夢が見たい。」
そう答えると、緊張感が緩んだ。セリは事態の原因がわからないが、ロードが落ち着いてくれたには分かった。
そのまま個人的な話になる。
「グスタフは、相手いるからなー?酒がうまい食事処で給仕しるんだわ。」
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当主代理として、皆の相手を探すのは私の役目だろうかと考えてしまった。
そして、書庫に移動。キースもいる筈だと話していたが。
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その話をしながら、魔導具の改良点を教えてもらって記録しながら聴いていると。
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たいぶ時間が過ぎていた。
「頑張ったな。」
ぽんぽんと頭を撫でられる。
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