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9歳

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「魔導具の部品でございますか。依頼を出す事もできますが?」
「そうだね。いつもの店に頼めば揃えてくれると思う。」

師匠の弓矢の時に矢を依頼する事になった“流れのドワーフ”。私の矢を欲しくなったらドワーフの口添えで、店と縁ができた。とても助かっている。

今までは魔導具の修理目的であったから部品の注文もしやすかった。書庫にも参考になる本が揃っていた。

「できれば手に取ってみたいし、何があるかも知りたい。」

勉強不足は知っていたけど、貸し出す形にして収益を得ている。
要望を取り入れたい気持ちがあるが、セリの技術と知識では対応できなかった。

「今ある書物では不十分だ」

改造するには、どの部品が欲しいとか決められない。

「ガイサス様と相談されるのが良いかと。」

確かに1人でなやんでいても、王都へ行く時には相談する必要もある。
誰が行くか?の問題だ。


辺境の屋敷に、ガイサスか私を残す必要がある。魔物の氾濫があった場合に対処できる家の者は欠かせない。

ガイサスが行った場合には、私の執事とメイドは行かない。
冒険者に依頼して王都まで一緒に行く形になる。

「セリは王都に行きたくないか?」

この質問で、私は王都に行きたがっていないと思われている。行きたい理由が、書店とドワーフの店だけだった。
行ったことのない王都への夢も希望も特にない。

「行くのは構わないのですが、さして用はないかと考えてしまうんです。」
「そうか。…一度、王都の屋敷に行って欲しい。」

話し方から言って、厄介事を含むと言った雰囲気か。

「グラウルからだが、使用人の引き締めをしたいという希望が来てな。今のうちであれば、魔物も静かだ。」

時期は良い。誰が行くかは決めているのか


「私とセリ、メイドと執事を連れて行く。」


そうなると、誰がこの屋敷に残るんでしょうか?


コックでした。
「オレに任せておけって!」

「不安。」「煮詰まりそう。」

<野生の料理人>に依頼を出して、ここを守ってもらう事にしたらしい。

「一度はセリを王都へと思っていた。良い機会だと思う。」

「問題ないようでしたら、構いません。」


最大の懸念が、バリスで埋めるのは少々不安だけど、力も把握もしていて大丈夫だろう。
王都へ行くのにとても喜んだメイドは傍に置いておいて。


冒険者ギルド長へ正式に面会を求め、報告とお願いをしに行った。

「そうか。王都へいる時期が被るかな?」

アクレイオスも行く予定が被るらしい。出会った頃と変わらない姿はエルフの特色か。

私は背が伸びても、貴族の格好でも変わらず話してくれるのは嬉しい気もするのだった。
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