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9歳
王都に行く?
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「3年か。貴族の教育を受けて、らしくはなった?」
「ええ、冒険者の真似事をしてない限りは。」
セリの専属執事、サディスは小言を入れるのが常な気がする。師匠に教えてもらった弓矢の基礎はしっかり手に馴染み、魔力を込めた矢も放てるようになっている。
森で使うのに便利で、火属性でも延焼の心配なし。集約した力で中型の魔物が倒せます!
狩りができているのは貴族の嗜みの範疇に入っているからで。
冒険者登録する年齢まであと一年。中堅冒険者には『経験はまだ少ないが実力は付いている』と初心者は抜け出していた。
「もう、立派に冒険者だぜ!」
「ありがと、はい肉。」
「では。授業の時間です。」
キッチンで成果を出して、執事が促す勉強の時間になる。領地経営、魔導具の運用を担当している。
セリを後継者としてみるサディスと冒険者になれば良いと推すバリスの意見は、だいたい分かれる。
私自身、冒険者に心は惹かれる。
(まだ我が儘も通るだろうか?)
なんたって、今や後継者(仮)になっている。
『当主が仕事できない、補佐にやらせているなら後継者を立てておけ』と私の名前を記入して貴族院に提出するしかなかったらしい。その事に私の焦りはない。
(大丈夫この状態からでも後継者、変えられるから。)
以前の記憶では、後々に対抗の男の子を自称親類が出してきた。貴族的に考えれば、ガイサスが後見なら家は続く。後継者になったからには、呼び捨て呼んで欲しいとオジサマに言われたのもこの頃だったか。
順調といえばそうで、過不足なく上手く進んでいる。相変わらず行方不明な当主の事は知らないけど。
問題にするなら私の死、か。
以前の時のがヴェーネン家は危機的だった。金銭的な問題と、親類の妨害が酷かった。
まだ当主は見つからない、12歳まで足跡さえ不明である筈。今の王都の家がどうなのかはしっかりわからない。
逃げるつもりはない。
だから、仕掛けてこないのも不気味さはある。辺境には乗り込んで来ずに、王都の家の方を?
グラウルが上手くやってくれている気がする。先々代からいる凄腕執事だった。
資金的に余裕があるから、是非に来ないで欲しい。(切実)思考の黒さも、貴族らしくなっているとセリは思った。
実際は、冒険者の活動は減り、勉強が増えた現状。本からの知識だから興味はあるけど。歴史の復習から、マナーのチェック。ドレスは拒否した。「着たくない」が本心だ。
(ドレス着た時に死んだからね。)
今、考えるのは王都へ行くか、行かないか。
「ええ、冒険者の真似事をしてない限りは。」
セリの専属執事、サディスは小言を入れるのが常な気がする。師匠に教えてもらった弓矢の基礎はしっかり手に馴染み、魔力を込めた矢も放てるようになっている。
森で使うのに便利で、火属性でも延焼の心配なし。集約した力で中型の魔物が倒せます!
狩りができているのは貴族の嗜みの範疇に入っているからで。
冒険者登録する年齢まであと一年。中堅冒険者には『経験はまだ少ないが実力は付いている』と初心者は抜け出していた。
「もう、立派に冒険者だぜ!」
「ありがと、はい肉。」
「では。授業の時間です。」
キッチンで成果を出して、執事が促す勉強の時間になる。領地経営、魔導具の運用を担当している。
セリを後継者としてみるサディスと冒険者になれば良いと推すバリスの意見は、だいたい分かれる。
私自身、冒険者に心は惹かれる。
(まだ我が儘も通るだろうか?)
なんたって、今や後継者(仮)になっている。
『当主が仕事できない、補佐にやらせているなら後継者を立てておけ』と私の名前を記入して貴族院に提出するしかなかったらしい。その事に私の焦りはない。
(大丈夫この状態からでも後継者、変えられるから。)
以前の記憶では、後々に対抗の男の子を自称親類が出してきた。貴族的に考えれば、ガイサスが後見なら家は続く。後継者になったからには、呼び捨て呼んで欲しいとオジサマに言われたのもこの頃だったか。
順調といえばそうで、過不足なく上手く進んでいる。相変わらず行方不明な当主の事は知らないけど。
問題にするなら私の死、か。
以前の時のがヴェーネン家は危機的だった。金銭的な問題と、親類の妨害が酷かった。
まだ当主は見つからない、12歳まで足跡さえ不明である筈。今の王都の家がどうなのかはしっかりわからない。
逃げるつもりはない。
だから、仕掛けてこないのも不気味さはある。辺境には乗り込んで来ずに、王都の家の方を?
グラウルが上手くやってくれている気がする。先々代からいる凄腕執事だった。
資金的に余裕があるから、是非に来ないで欲しい。(切実)思考の黒さも、貴族らしくなっているとセリは思った。
実際は、冒険者の活動は減り、勉強が増えた現状。本からの知識だから興味はあるけど。歴史の復習から、マナーのチェック。ドレスは拒否した。「着たくない」が本心だ。
(ドレス着た時に死んだからね。)
今、考えるのは王都へ行くか、行かないか。
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