47 / 110
<エルフ達>
精霊石
しおりを挟む
問題は、精霊石が見つかる湖。場所はわかるけど、辿り着けない。”そんなわけない!“とならないから、話しやすい2人だった。
エルフには妖精も精霊も“存在しているもの”として、考えてくれる。
「妖精の悪戯か?」
「なら、信憑性も高いが入る条件がな。」
ダウジングで場所と水魔法の適応に高さを見せたセリは、議論の行方を見守る。
「嘘を言っている可能性は?」
ギロリと圧のかかる瞳が懐かしい。試されているのだろうけど、知っている事を言うだけ。
「見つかるか、辿り着けなきゃわからないのは、一緒。」
嘘はないけど、確実かは分からない。そして入れない理由も私ではわからない。あいにく、妖精にも精霊も御伽噺として聞いた話と、本で読んだだけしか知らない。
師匠はあの圧でも、ただ問いかけたつもりでいる。子供なら泣いてる。
(私は懐かしがってる場合だろうか?)
「精霊が隠している、か。」
「妖精の仕業なら、気に入った場所をそうする事はある。」
発想が進展していく。条件は何か?ポンポン出てくるのを待つ。
「何か備えれば入れてくれるか?」
辿り着けたのは偶然、その理由は究明していない。その事を以前のアクレイオスはなんと言っていた?
記憶が掠れる、同じ条件を満たせるかも謎だ。
森で彷徨った人から『湖にたどり着いて助かった』と言う話は昔から出ていた。
エルフの言う、昔ではない。師匠は、精霊石を手に入れたと記された300年前の手記を頼りに来たそうだ。
そこには、月下に照らされる水中に石がイラストで描かれている。
“自然とは逆らわない事でその一瞬を煌めかせる”
と書いてあった。…っていう記憶がある。なんの事だろうか?
師匠はヴェーネン家の滞在が決定。アクレイオスも調べてくれるらしい。冒険者ギルド独自の情報もあるのだろうか。
「300年前の記録が残っているかは疑問」
種族の違いをしみじみ感じて言ったセリに、2人のこちらを見る反応が刺さる?
(喋りすぎた。)
ぺらっと情報を出してしまっている。貴族的にはアウトだけど、こんなに喋ったの久しぶりだった。
「『精霊の愛子』、力はあるようだな。」
認められたととって良いのか。アクレイオスが自慢げに言う。
「かなりのな!」
「しかし、迂闊だな」
確かに、簡単に明かしてしまった。けど、確約もできない情報提供だ。以前と違って手に入れられなくなったら?とセリには少し、焦りもある。しかし根本は…
「師匠だったから。」
信用できる人なのだ。気が緩みガードが弱くなっているのを自覚する。けどとても嬉しい。記憶をフルに使って、報いたいと思うくらいには、感謝しているのだ。その事実が、師匠との間にはなくても。
精霊石が見つかれば、居なくなってしまう人でも。
エルフには妖精も精霊も“存在しているもの”として、考えてくれる。
「妖精の悪戯か?」
「なら、信憑性も高いが入る条件がな。」
ダウジングで場所と水魔法の適応に高さを見せたセリは、議論の行方を見守る。
「嘘を言っている可能性は?」
ギロリと圧のかかる瞳が懐かしい。試されているのだろうけど、知っている事を言うだけ。
「見つかるか、辿り着けなきゃわからないのは、一緒。」
嘘はないけど、確実かは分からない。そして入れない理由も私ではわからない。あいにく、妖精にも精霊も御伽噺として聞いた話と、本で読んだだけしか知らない。
師匠はあの圧でも、ただ問いかけたつもりでいる。子供なら泣いてる。
(私は懐かしがってる場合だろうか?)
「精霊が隠している、か。」
「妖精の仕業なら、気に入った場所をそうする事はある。」
発想が進展していく。条件は何か?ポンポン出てくるのを待つ。
「何か備えれば入れてくれるか?」
辿り着けたのは偶然、その理由は究明していない。その事を以前のアクレイオスはなんと言っていた?
記憶が掠れる、同じ条件を満たせるかも謎だ。
森で彷徨った人から『湖にたどり着いて助かった』と言う話は昔から出ていた。
エルフの言う、昔ではない。師匠は、精霊石を手に入れたと記された300年前の手記を頼りに来たそうだ。
そこには、月下に照らされる水中に石がイラストで描かれている。
“自然とは逆らわない事でその一瞬を煌めかせる”
と書いてあった。…っていう記憶がある。なんの事だろうか?
師匠はヴェーネン家の滞在が決定。アクレイオスも調べてくれるらしい。冒険者ギルド独自の情報もあるのだろうか。
「300年前の記録が残っているかは疑問」
種族の違いをしみじみ感じて言ったセリに、2人のこちらを見る反応が刺さる?
(喋りすぎた。)
ぺらっと情報を出してしまっている。貴族的にはアウトだけど、こんなに喋ったの久しぶりだった。
「『精霊の愛子』、力はあるようだな。」
認められたととって良いのか。アクレイオスが自慢げに言う。
「かなりのな!」
「しかし、迂闊だな」
確かに、簡単に明かしてしまった。けど、確約もできない情報提供だ。以前と違って手に入れられなくなったら?とセリには少し、焦りもある。しかし根本は…
「師匠だったから。」
信用できる人なのだ。気が緩みガードが弱くなっているのを自覚する。けどとても嬉しい。記憶をフルに使って、報いたいと思うくらいには、感謝しているのだ。その事実が、師匠との間にはなくても。
精霊石が見つかれば、居なくなってしまう人でも。
0
お気に入りに追加
190
あなたにおすすめの小説
農民の少年は混沌竜と契約しました
アルセクト
ファンタジー
極々普通で特にこれといった長所もない少年は、魔法の存在する世界に住む小さな国の小さな村の小さな家の農家の跡取りとして過ごしていた
少年は15の者が皆行う『従魔召喚の儀』で生活に便利な虹亀を願ったはずがなんの間違えか世界最強の生物『竜』、更にその頂点である『混沌竜』が召喚された
これはそんな極々普通の少年と最強の生物である混沌竜が送るノンビリハチャメチャな物語
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
【完結】神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、一部内容が異なります。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。
外れスキル【建築】持ちの俺は実家を追放される。辺境で家作りをしていただけなのに、魔王城よりもすごい最強の帝国が出来上がってた
つくも
ファンタジー
「闘えもしない外れスキルを授かった貴様など必要ない! 出て行け! グラン!」
剣聖の家系に生まれた少年グランは15歳のスキル継承の儀の際に非戦闘用の外れスキルである【建築】(ビルド)を授かった。
対する義弟は当たりスキルである『剣神』を授かる。
グランは実父に用無しの無能として実家を追放される事になる。辺境に追いやられ、グランはそこで【建築】スキルを利用し、家作りを始める。家作りに没頭するグランは【建築】スキルが外れスキルなどではなく、とんでもない可能性を秘めている事に気づく。
【建築】スキルでどんどん辺境を開拓するグラン。
気づいたら魔王城よりもすごい、世界最強の帝国ができあがる。
そして、グランは家にいたまま、魔王を倒した英雄として、世界中にその名を轟かせる事となる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる