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6歳
21-精霊
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魔物の氾濫が大なり小なりあって、人の移動もあって。
「大きいものは、9歳になってからだっけ?」
書庫で魔導具に手を加えながら、独り言を記録する。王都にまで及ぶ酷い氾濫が3年後にある。
危険な魔物というより、厄介だった。首を飛ばしても攻撃してくると言われる虫の魔物が多く
状態異常に対応できるだけの薬がなく、戦線が総崩れ。
高ランクの冒険者に緊急依頼を出し、王都への侵入は防げたものの。
「こっちの被害は多く出たっと。録音終了。」
<ピ!>
魔導具の鳥が鳴いた。
相談したギルド長の知識で、登録が増えた。私を信じてくれているのか、他の思惑があるのか?それでも協力的。
次の問題は、私の話の説得力。子供が言った事と魔導具での測量結果では説得力が違う。
情報が多くあれば精度も証明ができる。
魔物の氾濫については、近づくにつれ思い出している。全部だと覚えきれないからだろうか?
屋敷には、冒険者の出入りが増えた。別棟でのことだから関わりは薄いけど。
給料は上げられているし。少し手伝いはしている。
なかなかここにずっと居る訳ではなく、流動的だ。冒険者としては正しい形かもしれない。
「また来るわ!」
爽やかにここを去り、また顔を出す。稼ぎどきを見極め、紹介の形で入れ替わる。
新人への講習会で利用する事も増えた。
「私も参加したい。」
弓矢の練習を許可されたものの
「必要ありません」
(サディスは、なんで要らないって言うの。辺境貴族は出張るのが役目でしょ??)
6歳を戦いの場に出したくないのか、ばっさり反対だ。
「あと半分。」
12歳まで、半分を切った。以前より前倒しで対応ができている。
魔導具の修繕、直す助言をくれる人、屋敷の収益化。
冒険者との関係も改善できていると思う。元々オジサマは冒険者との交友関係も構築できるタイプだ。
これが貴族様だと、上から目線でムカつくらしいけど。
そういうのが嫌で王都から離れたここに来たと話してくれた。オジサマとお茶を飲む時間も増えたな。
変わらない事と言えば、当主不在の状況だ。そこはどうしようもないかなと思う。
私の知らないところで皆んな、必至に探していたようだし。
ギルド長とは、借りた本の感想を話すお茶仲間になった。アクレイオスという名前らしい。
多分呼ぶ事ないけど。
精霊について話を聞いている。教会で宿泊して通いながら学ぶ。
謝礼がいると思うけど、『珍しい精霊の愛子と話したい』とほぼ無償で時間を作ってくれている。
急遽の仕事が入る事もあるが、本を借りているため私には利益しかない。
貴族のマナーもできるとわかったからか、かなり自由にしさせてくれている。
森へ入るのは禁止だけど。
ダウジングで物を探す方法を調べている。教えてもらったおまじないで、水源や魔石を見つけている。
今は薬草が探せないか実験中だ。
護衛依頼を出し、馬車で街の行き来をする事で冒険者の予行練習に最適らしい。
「役に立ってるのならいいけど。」
「坊ちゃん、もうすぐでつきますよ!」
男の格好。セリュートって男の名前だからね。便利だから、そのままにしている。
女の子と知れるより、安全性が増すらしい。
「うちも、貴族の家らしくなったんだなあ。」
受付から離れると、ギルドにいた冒険者達に絡また。護衛先に行くように言われので任せさっさとギルド長の部屋への階段を上がった。
しばらく拮抗状態だったらしいが、受付の人に怒られたらしいけど…
「貴方達!あの方はこのギルドに依頼してくれる貴族の家の子なのよ!」
「つまり依頼人に無礼した。」
「講習の受け直しね。」
他の貴族だったら、悪いことになったかもしれないと脅すのも忘れずに。
「どうかしたか?」
「ちょっと絡まれました。」
「ん?若手か。服装で貴族とわからないものかな?」
「地味な装飾ですし、見慣れないだけでしょう。」
「髪とか肌でわかると思うけどな。」
「まだ一人で外出は許してもらえませんから。」
絡まれても大した事じゃないと思えるのが、平和な証拠かな。
「大きいものは、9歳になってからだっけ?」
書庫で魔導具に手を加えながら、独り言を記録する。王都にまで及ぶ酷い氾濫が3年後にある。
危険な魔物というより、厄介だった。首を飛ばしても攻撃してくると言われる虫の魔物が多く
状態異常に対応できるだけの薬がなく、戦線が総崩れ。
高ランクの冒険者に緊急依頼を出し、王都への侵入は防げたものの。
「こっちの被害は多く出たっと。録音終了。」
<ピ!>
魔導具の鳥が鳴いた。
相談したギルド長の知識で、登録が増えた。私を信じてくれているのか、他の思惑があるのか?それでも協力的。
次の問題は、私の話の説得力。子供が言った事と魔導具での測量結果では説得力が違う。
情報が多くあれば精度も証明ができる。
魔物の氾濫については、近づくにつれ思い出している。全部だと覚えきれないからだろうか?
屋敷には、冒険者の出入りが増えた。別棟でのことだから関わりは薄いけど。
給料は上げられているし。少し手伝いはしている。
なかなかここにずっと居る訳ではなく、流動的だ。冒険者としては正しい形かもしれない。
「また来るわ!」
爽やかにここを去り、また顔を出す。稼ぎどきを見極め、紹介の形で入れ替わる。
新人への講習会で利用する事も増えた。
「私も参加したい。」
弓矢の練習を許可されたものの
「必要ありません」
(サディスは、なんで要らないって言うの。辺境貴族は出張るのが役目でしょ??)
6歳を戦いの場に出したくないのか、ばっさり反対だ。
「あと半分。」
12歳まで、半分を切った。以前より前倒しで対応ができている。
魔導具の修繕、直す助言をくれる人、屋敷の収益化。
冒険者との関係も改善できていると思う。元々オジサマは冒険者との交友関係も構築できるタイプだ。
これが貴族様だと、上から目線でムカつくらしいけど。
そういうのが嫌で王都から離れたここに来たと話してくれた。オジサマとお茶を飲む時間も増えたな。
変わらない事と言えば、当主不在の状況だ。そこはどうしようもないかなと思う。
私の知らないところで皆んな、必至に探していたようだし。
ギルド長とは、借りた本の感想を話すお茶仲間になった。アクレイオスという名前らしい。
多分呼ぶ事ないけど。
精霊について話を聞いている。教会で宿泊して通いながら学ぶ。
謝礼がいると思うけど、『珍しい精霊の愛子と話したい』とほぼ無償で時間を作ってくれている。
急遽の仕事が入る事もあるが、本を借りているため私には利益しかない。
貴族のマナーもできるとわかったからか、かなり自由にしさせてくれている。
森へ入るのは禁止だけど。
ダウジングで物を探す方法を調べている。教えてもらったおまじないで、水源や魔石を見つけている。
今は薬草が探せないか実験中だ。
護衛依頼を出し、馬車で街の行き来をする事で冒険者の予行練習に最適らしい。
「役に立ってるのならいいけど。」
「坊ちゃん、もうすぐでつきますよ!」
男の格好。セリュートって男の名前だからね。便利だから、そのままにしている。
女の子と知れるより、安全性が増すらしい。
「うちも、貴族の家らしくなったんだなあ。」
受付から離れると、ギルドにいた冒険者達に絡また。護衛先に行くように言われので任せさっさとギルド長の部屋への階段を上がった。
しばらく拮抗状態だったらしいが、受付の人に怒られたらしいけど…
「貴方達!あの方はこのギルドに依頼してくれる貴族の家の子なのよ!」
「つまり依頼人に無礼した。」
「講習の受け直しね。」
他の貴族だったら、悪いことになったかもしれないと脅すのも忘れずに。
「どうかしたか?」
「ちょっと絡まれました。」
「ん?若手か。服装で貴族とわからないものかな?」
「地味な装飾ですし、見慣れないだけでしょう。」
「髪とか肌でわかると思うけどな。」
「まだ一人で外出は許してもらえませんから。」
絡まれても大した事じゃないと思えるのが、平和な証拠かな。
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