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やめよう

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「お母様、もう私に関わらないでくれませんか?」

うんざりだった。

勉強しても『勉強しろ』
習ってきた事を頭ごなしに『違う』と言われて。

私に何をさせたいの?
自身の知っている事をそのまま教えることだけで、教えを授けた母親らしく振る舞う。

物事は変化する。もちろん変わらないこともあるけど。
古典というより流行りが過ぎたものを求めても、ただ食い違っていく。


「子供は、親の言うことを聞くべきでしょう?」

「使えない知識をですか?私も学んでいます。
違いがあることを知り、今の私に合うものを取り入れて

私の目指す淑女になるために。」


まだ何か言いたいのか、父を見て取りなしてくれるよう甘える顔。
その態度に呆れた。

「あなたの盲目的な淑女像を押し付けないでください。」

静かにキレてしまった。関係を断ち切りたいほどに。
それに、言うこと聞かない娘は、母にとって良い子の娘にはならないんだろうと思う。

その役を私は演じる気がない。

涙を溜めて部屋に帰っていった母を見送る。

後を追った父が慰めてくれるでしょう。父が私の肩に置いた手は温かく大丈夫だと言ってるようだった。
もう母には、早々に娘離れしてくれれば良い。




お茶をお願いした。
母と飲むときは、薔薇の香りのする紅茶だけど。
私付きのメイドは、私の好みにジャムとシンプルな香りの紅茶を出してくれた。

美味しいお茶を飲んでひと息、ため息のように溢れた。
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