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指名

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「お迎えにあがりました、シレーネ様。」

町にはいなそうな、丁寧な口調で自身の名前を呼ぶ3人。
仕事の報告を終え、出てきたところ話しかけてきた年嵩の女性。

神に遣え誇り高い矜持を胸に、そに背はスッと伸びている。

シンプルに威厳がある。

そんな人に、声をかけられるような覚えはない。たぶん寄付をよろしくの声かけでもない。
かなり位の高い様子だし、名指しだった。

ただ、私には用がない。


「呼んでませんけど?」

お迎えなど望んでいませんし、どっかの教会関係者の方々とは縁がない。
いや、屋根の掃除には行ったかな?

「貴女さまは選ばれたのです。我々と来ていただき、世俗の垢を落として身を清めましょう。」

「風呂は入りに行くから、いりません。」

なんか、遠回しに汚いって言われた気がするので断った。
世俗のアカって言い回しがなんとなくそう含んでいると察知。

きっと、水仕事もしない位の人なのか。手はとても綺麗だった。

私の好みじゃない。
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