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未来の王妃

情報

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“自身王妃になりたいのか?”

ここは大事な情報じゃないだろうか。それぞれ候補の御令嬢達から聞くわけにはいかず、部屋付きのメイドから話を聞き、メイドの観察眼は色々な場面を見ます。


(予定の把握にもなるわ)
パーティまで1ヶ月だが、ドレスやアクセサリーの準備は個人でお持ちいただいています。
そのパーティの規則や動きについてはも少し詳しくお伝えする必要はあるが、御令嬢達にしていただく事はなく。

お肌の手入れや、最終打ち合わせなどあるだろう。ドレスやアクセサリーはそれぞれの地域ごとの特色が出るもの。。そのお披露目も含んでいいるのでしょう。


日程が決まっているイザベラ様の部屋付きメイド、レイムは雑談できるくらいには手が空いていそうで話を聞く。


「肌に良い食べ物、高級なクリームでのマッサージ。日中は出ない徹底ぶりよ。」
「王妃になりたいって言ってた?」

「んー。必要なこと以外あまりおしゃべりしない方なのよね。」


御実家からお連れのメイドとは、気軽にお話しされていた。
隠し扉から聞いてしまったけど。

(警戒されているのかしら。)

貴族なんだからそういうものかな。今のご様子は予定通りに運ぶため、準備に余念がないらしい。
特に気になることもないのでレイムとすんなり別れたところ、ドゥイと会った。

「ちょっと話を…」
「ごめんっ急いでる、あ!一緒に来て。」

連れ去られてしまう。
そのあと一緒にものを持ち込んだり、運び出したり。商人が訪れたような品物の多さで驚く。
貴族の御令嬢が部屋に商人を呼んで品物を見るが、

御令嬢本人が商人と軽快に話しているのは珍しい光景です。
かつてないと言っても良いと思うくらいには。


そんな事をしているアイナ様ですが、
「ここの流行ってこうなの?これは、ダメ?」

情報収集も含まれている行為らしい。商人達も警備のチェックを受けた人達です。
賑やかだが、問題とはならない。ほどほどに手伝って、部屋から退室した。


最後にナナミ様。

「手紙を読んだり書いたりのんびり部屋でお過ごしですよ。」

遠くから来ていただく同郷の方に宛てた手紙だと、トレースに話したそうです。
王都にお住まいの海の民であるおじさんに頼んだと情報は上がっている。

既に招待状も送ってあるため、他にやることといえば…社交だろうか?


手紙の検閲もされ、送り届ける先までわかっています。
城の者が届けているものね。


派閥と言っていいのか不明だ。海の民は結びつきが強く、住む地を変えても迎え入れるそうです。



動きが活発なのは、アイナ様とナナミ様。
イザベラ様に目立った動きはない。


何が隠れている?
もしくは何も隠れていない。

何か変事を聞いたか、見た気がする。わからなくなって、立ち尽くしてしまった。

そこへ
文官のドミニク様に声をかけられ、歩き出した。


(信用は後から築いていけば良い。)
だけどなんだろう?イザベラ様は王妃様のお茶会でも積極性を見せたくないような。
王国の礼儀作法としても、控えめすぎた。

ナナミ様は勢力的に動いているようだけど、アピールの方向が違う気がする。
なんだか、外交に赴いた大使って堂々とした姿で。

色っぽくて頼りになるなる感じは、王妃の座を狙う動きなんだろうか。


そして、
『メイドに?誰が信用できるかじゃないかなあ。』

何気なく商人と会話していた時のアイナ様のセリフ。それだけが耳に飛び込んできたようで。
身体に染み付いた礼儀作法で礼をして、動揺を見せずに退室できたけど。

無邪気を装うようで棘のある言い方が、私の心に引っかかっているようでした。

今は報告に行こうと歩を進める。
もう、空は夕陽に染まっている。

その赤色が鮮やか過ぎて私には不安に思えたのでした。
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