16 / 36
未来の王妃
情報
しおりを挟む
“自身王妃になりたいのか?”
ここは大事な情報じゃないだろうか。それぞれ候補の御令嬢達から聞くわけにはいかず、部屋付きのメイドから話を聞き、メイドの観察眼は色々な場面を見ます。
(予定の把握にもなるわ)
パーティまで1ヶ月だが、ドレスやアクセサリーの準備は個人でお持ちいただいています。
そのパーティの規則や動きについてはも少し詳しくお伝えする必要はあるが、御令嬢達にしていただく事はなく。
お肌の手入れや、最終打ち合わせなどあるだろう。ドレスやアクセサリーはそれぞれの地域ごとの特色が出るもの。。そのお披露目も含んでいいるのでしょう。
日程が決まっているイザベラ様の部屋付きメイド、レイムは雑談できるくらいには手が空いていそうで話を聞く。
「肌に良い食べ物、高級なクリームでのマッサージ。日中は出ない徹底ぶりよ。」
「王妃になりたいって言ってた?」
「んー。必要なこと以外あまりおしゃべりしない方なのよね。」
御実家からお連れのメイドとは、気軽にお話しされていた。
隠し扉から聞いてしまったけど。
(警戒されているのかしら。)
貴族なんだからそういうものかな。今のご様子は予定通りに運ぶため、準備に余念がないらしい。
特に気になることもないのでレイムとすんなり別れたところ、ドゥイと会った。
「ちょっと話を…」
「ごめんっ急いでる、あ!一緒に来て。」
連れ去られてしまう。
そのあと一緒にものを持ち込んだり、運び出したり。商人が訪れたような品物の多さで驚く。
貴族の御令嬢が部屋に商人を呼んで品物を見るが、
御令嬢本人が商人と軽快に話しているのは珍しい光景です。
かつてないと言っても良いと思うくらいには。
そんな事をしているアイナ様ですが、
「ここの流行ってこうなの?これは、ダメ?」
情報収集も含まれている行為らしい。商人達も警備のチェックを受けた人達です。
賑やかだが、問題とはならない。ほどほどに手伝って、部屋から退室した。
最後にナナミ様。
「手紙を読んだり書いたりのんびり部屋でお過ごしですよ。」
遠くから来ていただく同郷の方に宛てた手紙だと、トレースに話したそうです。
王都にお住まいの海の民であるおじさんに頼んだと情報は上がっている。
既に招待状も送ってあるため、他にやることといえば…社交だろうか?
手紙の検閲もされ、送り届ける先までわかっています。
城の者が届けているものね。
派閥と言っていいのか不明だ。海の民は結びつきが強く、住む地を変えても迎え入れるそうです。
動きが活発なのは、アイナ様とナナミ様。
イザベラ様に目立った動きはない。
何が隠れている?
もしくは何も隠れていない。
何か変事を聞いたか、見た気がする。わからなくなって、立ち尽くしてしまった。
そこへ
文官のドミニク様に声をかけられ、歩き出した。
(信用は後から築いていけば良い。)
だけどなんだろう?イザベラ様は王妃様のお茶会でも積極性を見せたくないような。
王国の礼儀作法としても、控えめすぎた。
ナナミ様は勢力的に動いているようだけど、アピールの方向が違う気がする。
なんだか、外交に赴いた大使って堂々とした姿で。
色っぽくて頼りになるなる感じは、王妃の座を狙う動きなんだろうか。
そして、
『メイドに?誰が信用できるかじゃないかなあ。』
何気なく商人と会話していた時のアイナ様のセリフ。それだけが耳に飛び込んできたようで。
身体に染み付いた礼儀作法で礼をして、動揺を見せずに退室できたけど。
無邪気を装うようで棘のある言い方が、私の心に引っかかっているようでした。
今は報告に行こうと歩を進める。
もう、空は夕陽に染まっている。
その赤色が鮮やか過ぎて私には不安に思えたのでした。
ここは大事な情報じゃないだろうか。それぞれ候補の御令嬢達から聞くわけにはいかず、部屋付きのメイドから話を聞き、メイドの観察眼は色々な場面を見ます。
(予定の把握にもなるわ)
パーティまで1ヶ月だが、ドレスやアクセサリーの準備は個人でお持ちいただいています。
そのパーティの規則や動きについてはも少し詳しくお伝えする必要はあるが、御令嬢達にしていただく事はなく。
お肌の手入れや、最終打ち合わせなどあるだろう。ドレスやアクセサリーはそれぞれの地域ごとの特色が出るもの。。そのお披露目も含んでいいるのでしょう。
日程が決まっているイザベラ様の部屋付きメイド、レイムは雑談できるくらいには手が空いていそうで話を聞く。
「肌に良い食べ物、高級なクリームでのマッサージ。日中は出ない徹底ぶりよ。」
「王妃になりたいって言ってた?」
「んー。必要なこと以外あまりおしゃべりしない方なのよね。」
御実家からお連れのメイドとは、気軽にお話しされていた。
隠し扉から聞いてしまったけど。
(警戒されているのかしら。)
貴族なんだからそういうものかな。今のご様子は予定通りに運ぶため、準備に余念がないらしい。
特に気になることもないのでレイムとすんなり別れたところ、ドゥイと会った。
「ちょっと話を…」
「ごめんっ急いでる、あ!一緒に来て。」
連れ去られてしまう。
そのあと一緒にものを持ち込んだり、運び出したり。商人が訪れたような品物の多さで驚く。
貴族の御令嬢が部屋に商人を呼んで品物を見るが、
御令嬢本人が商人と軽快に話しているのは珍しい光景です。
かつてないと言っても良いと思うくらいには。
そんな事をしているアイナ様ですが、
「ここの流行ってこうなの?これは、ダメ?」
情報収集も含まれている行為らしい。商人達も警備のチェックを受けた人達です。
賑やかだが、問題とはならない。ほどほどに手伝って、部屋から退室した。
最後にナナミ様。
「手紙を読んだり書いたりのんびり部屋でお過ごしですよ。」
遠くから来ていただく同郷の方に宛てた手紙だと、トレースに話したそうです。
王都にお住まいの海の民であるおじさんに頼んだと情報は上がっている。
既に招待状も送ってあるため、他にやることといえば…社交だろうか?
手紙の検閲もされ、送り届ける先までわかっています。
城の者が届けているものね。
派閥と言っていいのか不明だ。海の民は結びつきが強く、住む地を変えても迎え入れるそうです。
動きが活発なのは、アイナ様とナナミ様。
イザベラ様に目立った動きはない。
何が隠れている?
もしくは何も隠れていない。
何か変事を聞いたか、見た気がする。わからなくなって、立ち尽くしてしまった。
そこへ
文官のドミニク様に声をかけられ、歩き出した。
(信用は後から築いていけば良い。)
だけどなんだろう?イザベラ様は王妃様のお茶会でも積極性を見せたくないような。
王国の礼儀作法としても、控えめすぎた。
ナナミ様は勢力的に動いているようだけど、アピールの方向が違う気がする。
なんだか、外交に赴いた大使って堂々とした姿で。
色っぽくて頼りになるなる感じは、王妃の座を狙う動きなんだろうか。
そして、
『メイドに?誰が信用できるかじゃないかなあ。』
何気なく商人と会話していた時のアイナ様のセリフ。それだけが耳に飛び込んできたようで。
身体に染み付いた礼儀作法で礼をして、動揺を見せずに退室できたけど。
無邪気を装うようで棘のある言い方が、私の心に引っかかっているようでした。
今は報告に行こうと歩を進める。
もう、空は夕陽に染まっている。
その赤色が鮮やか過ぎて私には不安に思えたのでした。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
【完結】愛されないのは政略結婚だったから、ではありませんでした
紫崎 藍華
恋愛
夫のドワイトは妻のブリジットに政略結婚だったから仕方なく結婚したと告げた。
ブリジットは夫を愛そうと考えていたが、豹変した夫により冷めた関係を強いられた。
だが、意外なところで愛されなかった理由を知ることとなった。
ブリジットの友人がドワイトの浮気現場を見たのだ。
裏切られたことを知ったブリジットは夫を許さない。
婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。
妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。
……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。
けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します!
自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
見捨てられたのは私
梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。
ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。
ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。
何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。
王太子殿下の執着が怖いので、とりあえず寝ます。【完結】
霙アルカ。
恋愛
王太子殿下がところ構わず愛を囁いてくるので困ってます。
辞めてと言っても辞めてくれないので、とりあえず寝ます。
王太子アスランは愛しいルディリアナに執着し、彼女を部屋に閉じ込めるが、アスランには他の女がいて、ルディリアナの心は壊れていく。
8月4日
完結しました。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる