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未来の王妃

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「お招きいただき恐悦至極に存じます。」

華やかなな刺繍のドレスに、貴族の綺麗な礼をしたのは

イザベラ・ゴルディシュタイン様

縦ロールのゴージャスなヘアセットと煌びやかさを背負った迫力がある。

(技術力のあるメイドを感じさせるわ。)密かに対抗心が増す。


ドレスは今季流行する、スカートに骨組みを入れたもので、色はシックな赤だけど
刺繍で財力と古典な図案の刺繍で貫禄を感じる。

装飾に負けない派手なお顔立ちに使われる赤色で戦闘準備は万全というオーラを感じる。
落ち着いて堂々とした姿で、王への挨拶という最初の関門を終えた。

合格点をいただけると思う。

「案内をありがとう。」

紅茶をお出しして、少々お話しをする。
部屋の調度品、御用向きになにかご要望の品などあるだろうかと

「メイドは6人連れて来たの。」

「こちらは、常時5名のメイドが控えます。部屋の担当は3人。この者達の誰かは必ずお側にいるようにいたします。」

私は、交代にはいる。他お2人の御令嬢の様子も伺うから。
仕事上も全体を見れるメイドがいた方が良いと判断された。

ここのリーダーは、王都育ちの伯爵家の娘、レイムだ。仕事の丁寧さにい定評がある子なので
王都の流行にも対応できる。打ち合わせがなされている。


「フィンステッド様とはいつお会いできるの?」

「王太子様とが明日以降の午後、中庭でお茶をご一緒にとの招待で。イザベラ様のご都合に合わせるとおっしゃています。ご招待のお手紙をお持ちしております。」


イザベラ様の大きな目が少し見開かれたようだったど、侍女に手紙を開かせた。

「では、3日後にご都合いかがか聞いていただける?
荷解きや準備をするわ。」

3日後の準備。御令嬢としては最短の時間だ。
5日とか1週間ほど準備に時間が必要と言い出す方もいらっしゃるけど。

(他の御令嬢が来る事はご存知だから、配慮いただけたのかしら。)


今日中に荷解きします。城には来たことがあるのだけど、
図書館の利用はできて?


「問題ないと思いますが、確認して参ります。」目線での指示に、1人退出した。


「何かありましたら、こちらのメイドに」この部屋担当のメイドを紹介して下がる。

私は、隠し扉をチェックして帰ることにする。
通路、2人ぎゅと詰められる空間から、女の子の声が聞こえた。

「ヤッターお茶会よ!フィン様と会えるっ」
「お、お嬢様落ち着いてください」



あれ?王太子様のファンは多い。
目の前相性を呼ぶのは不敬になりかねないのだけど


落ち着いて堂々としていた雰囲気から一転。
年頃のお嬢さんになったイザベラ様に驚きつつ、私は仕事に戻った。


「ご苦労様。」

待っていたのは、文官のドミニク様。
「無事、ご案内できました。」

「我が儘娘だった?」
「いいえ、その様子はないわ。」


“派手好き”“豪遊して男と遊んでいる”

確かにドレスは豪華だったけど、クラッシックな要素も入れられて
全体的には、公的な行事に古くない感じのバランスが素敵だった。

「となると、誰かの作為的な悪い噂?」


「その可能性も考えた方が良いわ。ご実家から連れて来たメイドもしっかりしていそう。仕える主人に意見できるメイドは優秀そうだわ」

誰が流した?そこにどんな思惑があるのか。


“一番王妃の座に近い”と言われることもあって、少々の悪評も流れている。
それが本当か確認されていない。


しっかり御令嬢として武装している姿は、貴族といった様子。


お部屋での態度も、まだわからないけど第一印象は良い。
最初の御令嬢だった。
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