【完結】大事な弟を…嫁に行くっていう家に、騎士の姉が潜入しました。<ショート5話展開>

結末

「わかった、帰るぞ。」

姉は、2人の世界から弟を現実に連れ戻す。
その手には、弟を引き寄せる。

「お姉ちゃん。」

実家に連れ帰られると思い、萎縮してしまう弟に大丈夫だと微笑む。

「これからは、義弟殿と呼んでも？」

姉が味方につく。反対する者ばかりじゃないのは心強い。

“貴族の結婚で男を”
“ぜひうちの娘を妻に”

誰かしらが、言ってくる事は容易に想像できる。

その時傷つくの弟の方だ。

悪意、子を産めないと謗られるのは女でも聞くというのに。

「敵はどこからでも現れる。その時、義弟殿は私の可愛い弟を守れるか？」

「誰からも守ってみせます。」
「僕も、旦那さまを支えたい。」

その声と眼差しに、私は決めた。

「で、あるなら。私の力も使ってもらおう。」

騎士であり、王城につても広く持つ。
貴族の文官寄りの男には、できない手段もとれる。

心強い！

「しかしだ。今日は連れ帰る。」

愛しい彼を取り上げられてしまった。

「今日は父母と食事の予定だ。貴殿には遠慮してもらおう？」

そう言われたら、男は宙を彷徨う手を戻すしかない。

勝ち誇った女騎士は、貴族の家から帰った。

実家で、弟の結婚祝いと父母への説得。

これから、2人を見守る騎士であると決めた。
彼らと周りの幸せは、自身の幸せでもあると認めたのだった。