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おまけ

アークライト

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アークライト・イーグル

イーグル家。俺が生まれた家。2人の弟のいる長男としてこの領地を治める教育をされた。
そのことに反発心もあったガキで、王都へ行き騎士科に進んだ。辺境の地を剣で守るのも領主の役目と反対はされなかった。
剣は性に合った。だからこのまま士官して、弟に領主のなってもらおうかと頭を過った。

ヒースに剣は合わない。アイツは頭を使うタイプだ。

お前が領主になるかと聞けば、「裏で群がる虫を潰したい」と美人だと王都でも目立つ、あの顔で言い切りやがった。我が弟ながら過激だな。

王都でもこの地でも、うまくやれるだろうと放っておけば研究の人脈を作り領地の事もやれる。俺よりよっぽど領主向きだろうに、落ち着きがねえ。まあいいか。それよりもう1人…

歳の離れたオルスタとの方は交流は少ないが、イーグル家にある色合いを持った可愛い弟だ。内向的な性格を心配したが、同世代の子供がいない影響だったか。

しかし、王都に出すには不安だった。不自由させていないつもりだが、オルスタが幼い頃に父親も母親もこの土地を去った。“精霊の愛子”ではないかと言われこの地を離れられないでいる。


俺にとって精霊は存在を感じるものの、その姿は不鮮明というより光のように見えるのみだ。ヒースは魔力が高く輪郭がわかると話していたが、今のイーグル家でオルスタが一番、精霊と相性が良い。ボヤけていても色合いがわかるとは。

本人は隠したいようだが、節々で気付かされる。

俺とヒースが泉の精を恐れている場面で、オルスタはそう思っていない気がした。
それが異様に見られる。

俺たちの弟を2人で守っていく、そう決めていた。



それなりに古い家だ。元は町の長だった一族が、精霊に出会うことで辺境伯なんていう位に上がった。急遽俺が継いでもなんとかなった。歴史と親父の部下が優秀だったからだな。

精霊ありきの土地でありながら、干渉は少ない。

王都からの貴族連中のちょっかいも少なくなった。相手を妖精が惑わせ、精霊が追い払う。
特に親父のことがあってから徹底されているようだ。


魔物の動きによるが、家畜や観光で領地は潤う。書類や他の貴族からの手出しも大方、片付いた。


しかし、オルスタの成人の年に向けて、また何かしようとしている。
陰険な鬱陶しい揉め事はたくさんだ!ズバっと一太刀で薙ぎ払えるなら歓迎なんだがな?

そんな貴族たちは知らない。精霊を恐れ、敬う理由を。
祝福された家系と言われても、精霊の祝福には差があるとされている。

姿を見れるほどの祝福、そんな機会これからあるのだろうか?



泉の精からの召集に嫌な予感はした。精霊というのは人とは違う。それは巨大な霊力と言われるモノだったり、人を平伏す存在感だったりする。

泉に現れたのは…

女?
魔物の類いを疑う。妖艶な格好に黒髪。

俺は、警戒に剣を抜いていた。

人の姿でも油断はしない。弟2人は武器を持っていない。ヒースは魔導書を持っていて警戒しているがオルスタに緊張はない。精霊がいるからか?

油断なようで、そうはならないのがオルスタの持つ力なのだろうか。



泉にいる女の返答は、冷静で理論的だ。
妖精や精霊の類ではなさそうだ。アイツらは冗談や悪ふざけするからな。

精霊の招き人ならば俺らの介入は無意味だと放っておいた。帰るかもしれないとも思ったのかもしれない。

温厚な性格らしいが、よく歩き回っていた。


キラキラと日の光を浴びて幼精とともに。その光景がこの世のものではないと思う。妖精や精霊に好かれる人などいるのだろうか?この目で見ても夢だったのかと思う。

そんな遠巻きに見ていたが、招き人は弟たちとも仲が良くなっている。存在感を示さないと兄の威厳が…。
俺もねじ込み朝食をともにするようになって久々に家族の団欒を感じていた。
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