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玉の章
3-5 精霊の言霊
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私待望の観光は無事馬車で帰って来たことで終了した。最後までオルスタ君のリードは紳士的でトキメキのあるものだった。イレギュラーな場所に行けたり、オルスタ君から家の事情も聞けたけど。
観光はバッチリ完遂だった!まだ発掘の余地もあるけど、大道の観光地は把握できた。ファンタジーな部分もとても楽しめました。
部屋の前でオルスタ君と分かれて、疲れた足をソファで休めた。セイラがすぐに熱い紅茶を淹れて出してくれるという有能っぷりを見ながら、時間になるまで休憩だ。と言うのも…。
今日の夕食は、3人の兄弟が揃うので少しフォーマルな席になる。オルスタ君と遊びに出ていたので足は少し疲れているけど、気分は程よく高揚していた。ファンタジーな景色を多く見れて、花畑も夢のようで。オルスタ君の事情を直接聞いても、ちぐはぐな感覚があった。
イーグル家であったこと。今から起こること。
私は渦中に落ちてきたものの、はっきりいってオルスタ君の気持ちを優先させたいと思った。だって、彼だけ何も判断できない頃のことで悩まされているのだ。アークライト様もヒースさんも意思を伝えられる年齢だった。オルスタ君だけはハイハイしていた幼児から、大人の事情に振り回されてたいる。
私が肩を持って何が悪い?
方向性は決めたけど、お兄ちゃん達にも話を聞いてみたいなと思う。その時の印象や見ている物が違えばまた違った思いになっているだろう、隠れた情報もあるかも。そこは今後の対応で良いや。
彼の味方でいたい。
この土地に居たいと思う。私には失ってしまったあの場所を思い起こさせる。異世界の風景なのにね?帰ってきたと言える場所にしたい、ここに居たいと望んでいる。
だから、
とても利己的な理由だけど、私の中で彼らとの付き合いを続けていく覚悟ができた。深いところに入ってしまって良いのか?と一歩引いていたのは私。部外者の異世界人から、相談できる大人の女にジョブチェンジ!
オルスタ君は聞いてほしいと言ったので、花畑では聴きに徹した。彼は私が関わるのを嫌がるかもしれない。
でも、
首を突っ込んでも?
精霊の招き人っていう関係者として配置された私。やっても良いでしょ?
たぶんアクアクォーツは賛成する。なんなら煽って激化させるんだろうなあ。頼もしい精霊達を思い出しながら、のんびり時間を過ごしていたらすぐに、夕食の準備の時間になった。
決意表明するぞとドレスアップにも気合いを入れた。やってくれたのはメイドのセイラとローナ、2人だけどね。
その決意はアイを一層、綺麗に見せた。
きりりと優雅な姿に自分たちの仕える女主人はこの方だと理解したメイド2人だった。
長らく女主人のいなかったイーグル家。3人の兄弟様がそれぞれ家を支えても、どうしても館は寂しさが残っていた。それが変わる。妖精や精霊に好かれている2人には、祝福が感じられたのでした。
キラキラしい。それぞれに王子様ばりに素敵だった。
特に、オルスタ君が自信に満ちた姿に成長を感じる。男の子の成長って早いんだなあ。さっき別れたばかりなのに、余裕な笑顔にどきりとさせられる女心だ。
「“精霊の招き人”の意向を聴こうと思う」アークライト様が宣言した内容は、今日の夕食の招待には少々の政ごと、儀礼的な建前があるようだ。私にも好都合。この世界でどう過ごしたいのか話し合える。
「この世界に慣れて来たでしょう。何か望むことはありますか?」次いだヒースさんの声も仕事の時のようなピンとした芯が入った声だった。
少しの緊張感。煌びやかさと少し知った仲でも異世界の人間を招いている領主一家という形になる。
「どのような選択肢が私にあるのでしょうか?」
私は他人行儀に、丁寧に聞き返す。
「考えられるのは、王都へ出て過ごす。」
「貴族が群がるでしょうね」
説明してくださるアークライト様がヒースさんを睨んだ。“余計な事を言うな”だろうか。私に決めさせてくれるらしい。
「“精霊の招き人の自由を奪ってはならない”この土地の領主代理として、問うべき内容だ。本人の口から。」
囲い込んだり、優遇するのが権力者のやり口だと思うけど。”できうる限り自由にしてやる“その意思に嘘はなさそうだった。オルスタ君は静かに黙っている。私が応える事柄だ。
「この土地に居たいです。」それが望み。泉から来て、叶えたい願望。
「いいのか?」
他にはないのかと重ねてきく顔が、お兄ちゃんになっている。心配しなくても本心ですよ?
「森に行ったり、本の翻訳をして、妖精や精霊と過ごしたい。それが私の願いです。」
その言葉にアークライト様とオルスタ君がほっと安心したと言ったように息を吐いた。ヒースさんはニコニコで、爆弾を落とす。
「アイさんが去ってしまうと、寂しいですもんね?」
オルスタが赤面し、アークライト様がヒースさんを睨む。その様子にクスっと笑ってしまった。
(やっぱり仲良しな兄弟だなあ。)
改めてこの土地に住む、館での居住を認められ、後は食事をしながら話そうと夕食が始まった。
やっぱりマナーはまだ拙さがあるけど、食事が美味しい。花が飾られた皿、今日の花畑での出来事に話題に花を咲かせながら、後はデザートというところで、ヒースさんがまた話題を投下した。
「アイさんに、お付き合いを申し込もうかなあ。」
バッと反応して見せたのはオルスタ君で、私もヒースさんを見つめてしまった。
「兄上!?」
「え?」どうしたんですか??としか思えないところで、ヒースさんがマイペースに話を付け足す。
「イーグル家の事情は、オルスタから聞きましたよね?精霊に気に入られたアイさんなら、お嫁さんにぴったり!」
(え、そんなことで?)
「ヒース兄上!」珍しくオルスタ君が大きな声。そんな気に留めず…
「アークライト兄上もアイさんなら好みでしょう?」
当の本人は片眉を上げたけど、ノーの言葉が出てこない。
「ど、どうしたんですか、ヒースさん!?」私を兄弟の嫁にと薦め始めた流れに、戸惑いしかない。
静々と
デザートが配膳される間、無言。
「貴方も満更じゃないんじゃない?」
(私に言ってる?!)と思ったら先には、泉の精。机の上、花が飾ってあったところに居た。
「『アクアクォーツ』!?」
精霊が夕食の席に現れた。今日摘んできた花に触れて嬉しそうだ。その言葉が向けられていた先から、
「おやバレてましたか。」と反応したヒースさんの返答にもびっくり、固まってしまった。
混沌としてきた。
目の前の美味しそうなフルーツポンチのようなデザートに手が出ない。華やかで美味しそうなのに!絶対食べるけど、今は気になる方が先!と目線を移動する。
「言ったじゃない。”3人の女王になって“って。」
「言ってのは覚えてる、けど、え?3人のってどういうこと?」
オルスタ君はデザートに手をつけていないけど、アークライト様は食べてるよ。この人もマイペースだよね!
「ああ、“3人とも夫にしろ”ということですか。」ヒースさんが思い至ったと満足そうに言う。
!??
とんでも理論が飛んできた。
「なんでダメなの?」いつのまにか眼前で問うアクアクォーツ。
「えっと、一夫多妻…いや、多夫一妻は不味いでしょ?」倫理的と言うか、領主の立場だとダメだよね?
「精霊が認めるわよ?」
この世界、土地の最高決裁する存在のオッケーが出た。デザートにはまだ手が出せない。
「貴女がこの地の女王よ」精霊の言葉。
アークライト様、ヒースさん、オルスタ君の目が…私に集まる。
『その瞳で、その愛で
私の愛し子達よ
この土地に祝福を』
最後に告げられた精霊の言霊は、アイだけに聴こえていた。
観光はバッチリ完遂だった!まだ発掘の余地もあるけど、大道の観光地は把握できた。ファンタジーな部分もとても楽しめました。
部屋の前でオルスタ君と分かれて、疲れた足をソファで休めた。セイラがすぐに熱い紅茶を淹れて出してくれるという有能っぷりを見ながら、時間になるまで休憩だ。と言うのも…。
今日の夕食は、3人の兄弟が揃うので少しフォーマルな席になる。オルスタ君と遊びに出ていたので足は少し疲れているけど、気分は程よく高揚していた。ファンタジーな景色を多く見れて、花畑も夢のようで。オルスタ君の事情を直接聞いても、ちぐはぐな感覚があった。
イーグル家であったこと。今から起こること。
私は渦中に落ちてきたものの、はっきりいってオルスタ君の気持ちを優先させたいと思った。だって、彼だけ何も判断できない頃のことで悩まされているのだ。アークライト様もヒースさんも意思を伝えられる年齢だった。オルスタ君だけはハイハイしていた幼児から、大人の事情に振り回されてたいる。
私が肩を持って何が悪い?
方向性は決めたけど、お兄ちゃん達にも話を聞いてみたいなと思う。その時の印象や見ている物が違えばまた違った思いになっているだろう、隠れた情報もあるかも。そこは今後の対応で良いや。
彼の味方でいたい。
この土地に居たいと思う。私には失ってしまったあの場所を思い起こさせる。異世界の風景なのにね?帰ってきたと言える場所にしたい、ここに居たいと望んでいる。
だから、
とても利己的な理由だけど、私の中で彼らとの付き合いを続けていく覚悟ができた。深いところに入ってしまって良いのか?と一歩引いていたのは私。部外者の異世界人から、相談できる大人の女にジョブチェンジ!
オルスタ君は聞いてほしいと言ったので、花畑では聴きに徹した。彼は私が関わるのを嫌がるかもしれない。
でも、
首を突っ込んでも?
精霊の招き人っていう関係者として配置された私。やっても良いでしょ?
たぶんアクアクォーツは賛成する。なんなら煽って激化させるんだろうなあ。頼もしい精霊達を思い出しながら、のんびり時間を過ごしていたらすぐに、夕食の準備の時間になった。
決意表明するぞとドレスアップにも気合いを入れた。やってくれたのはメイドのセイラとローナ、2人だけどね。
その決意はアイを一層、綺麗に見せた。
きりりと優雅な姿に自分たちの仕える女主人はこの方だと理解したメイド2人だった。
長らく女主人のいなかったイーグル家。3人の兄弟様がそれぞれ家を支えても、どうしても館は寂しさが残っていた。それが変わる。妖精や精霊に好かれている2人には、祝福が感じられたのでした。
キラキラしい。それぞれに王子様ばりに素敵だった。
特に、オルスタ君が自信に満ちた姿に成長を感じる。男の子の成長って早いんだなあ。さっき別れたばかりなのに、余裕な笑顔にどきりとさせられる女心だ。
「“精霊の招き人”の意向を聴こうと思う」アークライト様が宣言した内容は、今日の夕食の招待には少々の政ごと、儀礼的な建前があるようだ。私にも好都合。この世界でどう過ごしたいのか話し合える。
「この世界に慣れて来たでしょう。何か望むことはありますか?」次いだヒースさんの声も仕事の時のようなピンとした芯が入った声だった。
少しの緊張感。煌びやかさと少し知った仲でも異世界の人間を招いている領主一家という形になる。
「どのような選択肢が私にあるのでしょうか?」
私は他人行儀に、丁寧に聞き返す。
「考えられるのは、王都へ出て過ごす。」
「貴族が群がるでしょうね」
説明してくださるアークライト様がヒースさんを睨んだ。“余計な事を言うな”だろうか。私に決めさせてくれるらしい。
「“精霊の招き人の自由を奪ってはならない”この土地の領主代理として、問うべき内容だ。本人の口から。」
囲い込んだり、優遇するのが権力者のやり口だと思うけど。”できうる限り自由にしてやる“その意思に嘘はなさそうだった。オルスタ君は静かに黙っている。私が応える事柄だ。
「この土地に居たいです。」それが望み。泉から来て、叶えたい願望。
「いいのか?」
他にはないのかと重ねてきく顔が、お兄ちゃんになっている。心配しなくても本心ですよ?
「森に行ったり、本の翻訳をして、妖精や精霊と過ごしたい。それが私の願いです。」
その言葉にアークライト様とオルスタ君がほっと安心したと言ったように息を吐いた。ヒースさんはニコニコで、爆弾を落とす。
「アイさんが去ってしまうと、寂しいですもんね?」
オルスタが赤面し、アークライト様がヒースさんを睨む。その様子にクスっと笑ってしまった。
(やっぱり仲良しな兄弟だなあ。)
改めてこの土地に住む、館での居住を認められ、後は食事をしながら話そうと夕食が始まった。
やっぱりマナーはまだ拙さがあるけど、食事が美味しい。花が飾られた皿、今日の花畑での出来事に話題に花を咲かせながら、後はデザートというところで、ヒースさんがまた話題を投下した。
「アイさんに、お付き合いを申し込もうかなあ。」
バッと反応して見せたのはオルスタ君で、私もヒースさんを見つめてしまった。
「兄上!?」
「え?」どうしたんですか??としか思えないところで、ヒースさんがマイペースに話を付け足す。
「イーグル家の事情は、オルスタから聞きましたよね?精霊に気に入られたアイさんなら、お嫁さんにぴったり!」
(え、そんなことで?)
「ヒース兄上!」珍しくオルスタ君が大きな声。そんな気に留めず…
「アークライト兄上もアイさんなら好みでしょう?」
当の本人は片眉を上げたけど、ノーの言葉が出てこない。
「ど、どうしたんですか、ヒースさん!?」私を兄弟の嫁にと薦め始めた流れに、戸惑いしかない。
静々と
デザートが配膳される間、無言。
「貴方も満更じゃないんじゃない?」
(私に言ってる?!)と思ったら先には、泉の精。机の上、花が飾ってあったところに居た。
「『アクアクォーツ』!?」
精霊が夕食の席に現れた。今日摘んできた花に触れて嬉しそうだ。その言葉が向けられていた先から、
「おやバレてましたか。」と反応したヒースさんの返答にもびっくり、固まってしまった。
混沌としてきた。
目の前の美味しそうなフルーツポンチのようなデザートに手が出ない。華やかで美味しそうなのに!絶対食べるけど、今は気になる方が先!と目線を移動する。
「言ったじゃない。”3人の女王になって“って。」
「言ってのは覚えてる、けど、え?3人のってどういうこと?」
オルスタ君はデザートに手をつけていないけど、アークライト様は食べてるよ。この人もマイペースだよね!
「ああ、“3人とも夫にしろ”ということですか。」ヒースさんが思い至ったと満足そうに言う。
!??
とんでも理論が飛んできた。
「なんでダメなの?」いつのまにか眼前で問うアクアクォーツ。
「えっと、一夫多妻…いや、多夫一妻は不味いでしょ?」倫理的と言うか、領主の立場だとダメだよね?
「精霊が認めるわよ?」
この世界、土地の最高決裁する存在のオッケーが出た。デザートにはまだ手が出せない。
「貴女がこの地の女王よ」精霊の言葉。
アークライト様、ヒースさん、オルスタ君の目が…私に集まる。
『その瞳で、その愛で
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