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玉の章
3-3 花畑の森
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緩い登り坂をのぼりきれば、花畑が広がっていた。
ぎっしり絨毯のように詰まっている花は艶々している。圧巻の広さだ。まだ入り口で奥にも種類が変わった花畑が広がっているらしい。ここより規模は狭いが、素敵な場所で好みの花を探して少しなら摘んで帰っても良いとか。
その際、妖精や精霊の好きな者を捧げ、感謝を忘れないようにということだ。この土地らしいなと思った。
ゆっくりまわる。香りもよく、しかしむせるほどでもないふわっと薫風が通り過ぎる。うっとりする風景だ。
恋人同士だろうか。休んでいる人達も見受けられた。
「歩いている人によって、たどり着ける花畑が違うと言われれてます。」
木でできた大まかな地図の前での説明に、「迷いの森?」と感想を言う。
ゲームでよくある、回っちゃったり、進んでも変なとこに出るアレ。どうなっているのか聞き返そうと思ったけど、不思議なファンタジーで済ませよう。
妖精の仕業とされていてこの程度の悪戯ならほっておけとそのままで、観光の一部になっている。
(商魂たくましい。)
花畑を荒らさないように道に持ち込まれた荷台を改造、テントや荷車のような1人で押せるもので撤退しやすいものでできている。屋台が多いとアミューズメントパークのようで楽しい。密集せず点在して出店しているらしく、時間帯や日のよって変わる店は決め事をして花を慈しんでいる。
花を荒らす行為は命の危険はないけど、罰が下るそうだ。他にも気に入らない相手には、濡れたり穴に落とされたり足首、木の葉が詰め込まれていたりと大怪我させる意図はないそうだ。
できればどちらも御免被りたい。
悪戯されたら、お菓子を上げて謝ると良いと大凶を引いた時みたいに還元するのかな?おみくじみたいな感覚で言ったけど、精霊の2人と話してみて、性格はさっぱりしている。執着もあるが興味のないものはそのまま。気紛れに思うまま過ごす話に、人の基準の枠ははめられない。
年齢や命の考え方が根本的に違うのだ。形を変えながら
巡るモノを見る。動きを見定め、淀みを取り除くのにたまに動くというスタンスらしい。
人への被害は考えられず、忘れるとるに足りないとするときは人ではないと感じるけど、お話として昔話を聞くのは千夜一夜の物語のようで、眠りにつくのさえ楽しみだ。
話がそれた。
逆に、妖精に気に入られると花だらけにされたり、花輪作り身に付けると喜ばれて光らせるそうで、よくよく見るとあちらこちらで花輪を作っている人を見かける。気に入られる花輪の基準は不明。“気紛れ”という妖精性質らしいことで。
花輪を売っている店もあって、お揃いの花輪を飾って歩くラブラブな様子も見られた。たまに花輪に変化があるとラッキーらしい。色が変わったり、花の種類変わる、蕾が開くなど幸運の印とされている。そんな由来を聞きながら、楽しく話しながら回った。栞にするお土産や花の香水瓶、ボタニカルボトルなんてのもありそうだな。この国にガラス以外の透明な容器があるかな?と考えついたが今はどうでもいいや。
木漏れ日の道蝶や蜂が飛んでいるけど、私の思い描くものより彩りが鮮やかだ。羽ばたくたびにキラキラして綺麗だ。魔力を帯びているらしいけどそのへんはよくわかっていない私。そんな姿を眺めながら結構奥まで来た。
「休憩しましょう」
フィットしたブーツで足が軽いけどまあまあ疲れた。川を見ながらベンチに2人で座る。
メインの道のようで、時たま屋台があり飲み物や軽食を売っている店があったのでそこで飲み物を買っていた。木のコップに入ったジュースは酸味がある美味しい水。湧水とか特産なのかなあと喉の渇きを潤した。滝の音が響く。ミストのように水の飛沫が飛んできているのかもしれない。ひんやりとした風は、歩いて火照った身体に気持ち良い。
見上げると、崖の上には砦が見えた。この角度では初めてだけどあの壁の色や材質の感じは、知っている場所だろう。
「あんなところに?」
馬車を下って来たのを思い返し、あんな高地から来たのかと実感した。要塞や砦は森からの侵入を防ぎ、果ては隣国へ続く位置だ。領地のシンボルは無骨ながら自然体で景色に溶けるように佇んでいた。
横に広がる滝と湖の奥に見える一枚の絵のようで。幻想的だ。あの奥に館があって、住まわしてもらっているんだと今更驚きだった。
きゃーと喜びの声に、目を向けると家族連れにも人気の憩いの場所らしい。湖の近くで、ボートも出しているのも見えた。貸し出されているのか。魚も住んでて釣りもできるそうだ。
崖、森から水が流れてきている水量は、物理的には考えられない量でどこから来ているのか考えられないけど、川までつながっていて、海までの物流の水路のひとつを担っている。水の精霊達の加護で成り立っているんだとか。
“精霊に愛される土地”の言葉に合った風景だった。自然と人の営みが溶け合う風景に、穏やかな風が吹く。ここがフェリーズ領という土地なんだなと感じた。
再び歩くことにした私達は、紫の花畑に向かっていた。キョロキョロまではいかないがよそ見をしていたのか、ふと波が引いたような音がなくなる
「え?」「あれ?」
森の中。道はあるけど、どこの花畑も見えない。
「次の花畑まで遠いんだっけ?」
「いいえ。見えておかしくないんですけど。」
オルスタ君に確認してみても、花畑同士はそれほど離れていない。何も見えないというのは、おかしい。変な道に入ったわけでもなく、突如としての違和感。隔ててあった幕に入ってしまったかのような、異なる世界?
危険は感じないけど、化かされているような違和感を感じつつ進むことにした。後ろを見てもさっきまでの景色ではないからだ。別々に分かれてしまわないように…
手を繋ぐ。
ちょっと緊張する。危機感的な意味ではなく、触れている手について。
いつぶりだろう?いやこんなシーンなどないでしょ。
頭の中がお花畑な考えを顔に出さないようにしても、お兄様2人にならバレそうだよ!
滝の音
地下に続くような下り坂の口を開けた洞窟にたどり着いたのはそれほど歩いていない。
「こんなところ…?』
地図には乗っていない。特徴的で誰もいない場所。
「妖精の悪戯?」迷わせてぐるぐるさせるのではなく、知らないところに移されたとか。
進ませたいんだろう。
奥へ進んで行った。
石英とか?白くキラキラした材質の石壁
冷やりと水の気配が強くなる。洞窟というか鍾乳洞?
ぼんやりと光る異世界の苔
そこを通り抜け広がった空間の先には!
花畑。
透明で硬質なクリスタルの華達が待っていた。
「キレイ」息を飲むとはこういうことか。指先で触れると薄く硬いガラスのようだ。
「素敵」
ぽわぽわと幼精達が舞っていた。
「この景色を見せるために連れて来てくれたの?有り難う!」と光の明滅にお礼を言う。
色鮮やかな、ステンドクラスのようで魅入ってしまう。オルスタ君の驚きようで、ここが知られれていない場所だと予想できる。
地下水の溜まった泉のようで、森に繋がっていたりしてと水の道の先に想いを馳せた。聞いてみれば良いか。
『アクアクォーツ』も『ウインディ』にどこに繋がっているかきけば知っていそうだ。水と風を感じる。彼女達の通り道なのかな。
「戻りましょう」
特別な場所のようで、いつこれるかわからない。振り返って光景を目に焼き付けて、洞窟を出た。
興奮冷めやらぬ気分で無言だったけど、オルスタ君が話しだす。
「妖精が活気ずく日があったり、不思議な現象を見ることもあるんです。」
後に、
『精霊の庭』と名付けられた。
ぎっしり絨毯のように詰まっている花は艶々している。圧巻の広さだ。まだ入り口で奥にも種類が変わった花畑が広がっているらしい。ここより規模は狭いが、素敵な場所で好みの花を探して少しなら摘んで帰っても良いとか。
その際、妖精や精霊の好きな者を捧げ、感謝を忘れないようにということだ。この土地らしいなと思った。
ゆっくりまわる。香りもよく、しかしむせるほどでもないふわっと薫風が通り過ぎる。うっとりする風景だ。
恋人同士だろうか。休んでいる人達も見受けられた。
「歩いている人によって、たどり着ける花畑が違うと言われれてます。」
木でできた大まかな地図の前での説明に、「迷いの森?」と感想を言う。
ゲームでよくある、回っちゃったり、進んでも変なとこに出るアレ。どうなっているのか聞き返そうと思ったけど、不思議なファンタジーで済ませよう。
妖精の仕業とされていてこの程度の悪戯ならほっておけとそのままで、観光の一部になっている。
(商魂たくましい。)
花畑を荒らさないように道に持ち込まれた荷台を改造、テントや荷車のような1人で押せるもので撤退しやすいものでできている。屋台が多いとアミューズメントパークのようで楽しい。密集せず点在して出店しているらしく、時間帯や日のよって変わる店は決め事をして花を慈しんでいる。
花を荒らす行為は命の危険はないけど、罰が下るそうだ。他にも気に入らない相手には、濡れたり穴に落とされたり足首、木の葉が詰め込まれていたりと大怪我させる意図はないそうだ。
できればどちらも御免被りたい。
悪戯されたら、お菓子を上げて謝ると良いと大凶を引いた時みたいに還元するのかな?おみくじみたいな感覚で言ったけど、精霊の2人と話してみて、性格はさっぱりしている。執着もあるが興味のないものはそのまま。気紛れに思うまま過ごす話に、人の基準の枠ははめられない。
年齢や命の考え方が根本的に違うのだ。形を変えながら
巡るモノを見る。動きを見定め、淀みを取り除くのにたまに動くというスタンスらしい。
人への被害は考えられず、忘れるとるに足りないとするときは人ではないと感じるけど、お話として昔話を聞くのは千夜一夜の物語のようで、眠りにつくのさえ楽しみだ。
話がそれた。
逆に、妖精に気に入られると花だらけにされたり、花輪作り身に付けると喜ばれて光らせるそうで、よくよく見るとあちらこちらで花輪を作っている人を見かける。気に入られる花輪の基準は不明。“気紛れ”という妖精性質らしいことで。
花輪を売っている店もあって、お揃いの花輪を飾って歩くラブラブな様子も見られた。たまに花輪に変化があるとラッキーらしい。色が変わったり、花の種類変わる、蕾が開くなど幸運の印とされている。そんな由来を聞きながら、楽しく話しながら回った。栞にするお土産や花の香水瓶、ボタニカルボトルなんてのもありそうだな。この国にガラス以外の透明な容器があるかな?と考えついたが今はどうでもいいや。
木漏れ日の道蝶や蜂が飛んでいるけど、私の思い描くものより彩りが鮮やかだ。羽ばたくたびにキラキラして綺麗だ。魔力を帯びているらしいけどそのへんはよくわかっていない私。そんな姿を眺めながら結構奥まで来た。
「休憩しましょう」
フィットしたブーツで足が軽いけどまあまあ疲れた。川を見ながらベンチに2人で座る。
メインの道のようで、時たま屋台があり飲み物や軽食を売っている店があったのでそこで飲み物を買っていた。木のコップに入ったジュースは酸味がある美味しい水。湧水とか特産なのかなあと喉の渇きを潤した。滝の音が響く。ミストのように水の飛沫が飛んできているのかもしれない。ひんやりとした風は、歩いて火照った身体に気持ち良い。
見上げると、崖の上には砦が見えた。この角度では初めてだけどあの壁の色や材質の感じは、知っている場所だろう。
「あんなところに?」
馬車を下って来たのを思い返し、あんな高地から来たのかと実感した。要塞や砦は森からの侵入を防ぎ、果ては隣国へ続く位置だ。領地のシンボルは無骨ながら自然体で景色に溶けるように佇んでいた。
横に広がる滝と湖の奥に見える一枚の絵のようで。幻想的だ。あの奥に館があって、住まわしてもらっているんだと今更驚きだった。
きゃーと喜びの声に、目を向けると家族連れにも人気の憩いの場所らしい。湖の近くで、ボートも出しているのも見えた。貸し出されているのか。魚も住んでて釣りもできるそうだ。
崖、森から水が流れてきている水量は、物理的には考えられない量でどこから来ているのか考えられないけど、川までつながっていて、海までの物流の水路のひとつを担っている。水の精霊達の加護で成り立っているんだとか。
“精霊に愛される土地”の言葉に合った風景だった。自然と人の営みが溶け合う風景に、穏やかな風が吹く。ここがフェリーズ領という土地なんだなと感じた。
再び歩くことにした私達は、紫の花畑に向かっていた。キョロキョロまではいかないがよそ見をしていたのか、ふと波が引いたような音がなくなる
「え?」「あれ?」
森の中。道はあるけど、どこの花畑も見えない。
「次の花畑まで遠いんだっけ?」
「いいえ。見えておかしくないんですけど。」
オルスタ君に確認してみても、花畑同士はそれほど離れていない。何も見えないというのは、おかしい。変な道に入ったわけでもなく、突如としての違和感。隔ててあった幕に入ってしまったかのような、異なる世界?
危険は感じないけど、化かされているような違和感を感じつつ進むことにした。後ろを見てもさっきまでの景色ではないからだ。別々に分かれてしまわないように…
手を繋ぐ。
ちょっと緊張する。危機感的な意味ではなく、触れている手について。
いつぶりだろう?いやこんなシーンなどないでしょ。
頭の中がお花畑な考えを顔に出さないようにしても、お兄様2人にならバレそうだよ!
滝の音
地下に続くような下り坂の口を開けた洞窟にたどり着いたのはそれほど歩いていない。
「こんなところ…?』
地図には乗っていない。特徴的で誰もいない場所。
「妖精の悪戯?」迷わせてぐるぐるさせるのではなく、知らないところに移されたとか。
進ませたいんだろう。
奥へ進んで行った。
石英とか?白くキラキラした材質の石壁
冷やりと水の気配が強くなる。洞窟というか鍾乳洞?
ぼんやりと光る異世界の苔
そこを通り抜け広がった空間の先には!
花畑。
透明で硬質なクリスタルの華達が待っていた。
「キレイ」息を飲むとはこういうことか。指先で触れると薄く硬いガラスのようだ。
「素敵」
ぽわぽわと幼精達が舞っていた。
「この景色を見せるために連れて来てくれたの?有り難う!」と光の明滅にお礼を言う。
色鮮やかな、ステンドクラスのようで魅入ってしまう。オルスタ君の驚きようで、ここが知られれていない場所だと予想できる。
地下水の溜まった泉のようで、森に繋がっていたりしてと水の道の先に想いを馳せた。聞いてみれば良いか。
『アクアクォーツ』も『ウインディ』にどこに繋がっているかきけば知っていそうだ。水と風を感じる。彼女達の通り道なのかな。
「戻りましょう」
特別な場所のようで、いつこれるかわからない。振り返って光景を目に焼き付けて、洞窟を出た。
興奮冷めやらぬ気分で無言だったけど、オルスタ君が話しだす。
「妖精が活気ずく日があったり、不思議な現象を見ることもあるんです。」
後に、
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